見出し画像

米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿114

米国株の師匠🍅アウトライヤー様からの寄稿🍅第114回全文無料で皆さまにお届けします。

第113回から続く


サマリー(要約)~


特別措置の期限は6月5日まで


・まず、昨日の寄稿で引用を用いて述べました「米債務上限問題」。マーケットが支えられる要因です。ややっこしい話は抜きにして、要は、「景気刺激的である」という事。では、それは、いつまでなのかと言うと、6月まで。過去にこの寄稿で記事引用しましたが、「イエレン財務長官は2023年1月19日、政府の借金が増えてこの上限に達したため、臨時に資金を確保する特別措置を始めたと発表。この措置の期限は6月5日までで、アメリカ国債の債務不履行は当面、回避される」。

債務上限問題の山は6月にあります。これを言い換えますと、そこまでは、「景気刺激的である」という事。マーケットが支えられる要因があるという事。僕は、これを頭に入れておりますという事です。頭にだけ入れつつ、もちろん、他の要素からもマーケットを見ていますという事です。

債務上限問題そのものは、政治的パフォーマンス部分や駆け引きも共和党にとって多分にあります。マーケットにとってのポイントは、上記の通り、「景気刺激的であり、QT(量的引き締め・FRBバランスシートの縮小)を通じて流動性を枯渇させようとするFRBの取り組みを、引き続き相殺するかたちになるでしょうね」。(詳しくは、昨日および過去の寄稿をご覧ください。)

ベア・マーケットラリー終了の節目


・さて、今日のポイントは2文字「節目」です。トレンドの節目、流れの節目、物事の節目、その節目です。潮目が変わるというニュアンスを含んでの節目です。FRB人事の節目。

・マーケットで言うなら、2月16日木曜日のアメリカ株式市場は、ベア・マーケットラリー終了の節目かなあとも思いながらマーケットを見ています。

・もちろん、「押し目買いの成功に慣れ切った」強気派の方は、この押し目は買いというお考えで、ロング、買う方もいらっしゃるのでしょうが、それについては、人それぞれ、自由ですから。それはそれとして。アメリカの個人投資家さんは強気スタンス堅持のようですから。

・僕は、買いません。ロングしません。ショートです。

僕の行動指針につきましては、直近の寄稿で明示させて頂いておりますので、ここでは割愛させて頂きます。

・報道によりますと、ゴールドマン・サックスのチーフ・エコノミスト・ヤン・ハチウス氏らエコノミスト・チームは、従来の3月、5月、それぞれ25ベーシスポイントの利上げに加えて、6月のFOMCでの25ベーシスポイントの利上げを今回加え、今後、3月、5月、6月、合計3回のFOMC会合で、それぞれ25ベーシスポイントずつの利上げ予想とされておられます。それで、ピークの政策金利(フェデラルファンドレート)は、5.25%-5.5%と予想されております。

・同じく報道によりますと、BofA(バンク・オブ・アメリカ)のストラテジスト、マイケル・ハートネットさん~「今年、上半期は、ノーランディング(ソフトランディングでもハードランディングでもない)(後述)。この上半期のノーランディングが下半期に、マーケット、米経済の両方にとってのハードランディング(経済・景気が急速に悪化する)に導く

6月まで「景気刺激策」はある


・僕が思っているのは~「TGA(Treasury General Account)(トレジャリー・米財務省一般勘定)(国家の当座預金口座)を通して、6月まで「景気刺激策」はある。これは株のマーケットを支える要因。売り方として、これを舐めてはいけない。でも、逆イールドが景気後退を示唆し続けている。理由がなんであれ、逆イールドが発生している事実。下半期、ハードランディングだと、目線を合わせているストラテジストのおひとり、ハートネットさんもおっしゃっている。

今後は、Earnings Recession(企業利益の不調)がまず先。バリュエーションは縮小せざるを得ない。そして企業利益の不調から誘発されるハードランディングをも。これらを織り込む時、マーケットは下落する。」~ソフトランディングがノーランディングになって行って、ハードランディングという事かなあと思いながらです。ノーランディングという言葉がはやり出した時点で、内心、これはソフトランディングじゃないんじゃないのと思ったりで。もちろん、FRBの皆さまは、ソフトランディングでという事だと思います。

・報道によりますと、前述、マイケル・ハートネットさんは、3月初旬までにS&P500は、7%下落するとのお見立てです。

以上が本日のサマリーです。

説明と能書き~

一昨日2月16日木曜日のアメリカ株式市場の一日の動きをざっくり、短く言いますと。売られたところから、また買いが入って、下げ幅を縮めていたところで、そこへ「米クリーブランド連銀のロレッタ・メスター総裁(過去一貫して金融政策ではタカ派を通しておられる総裁)が、前回1月31日-2月1日でのFOMCで、昨年12月会合に続いて政策金利を0.5ポイント引き上げる説得力ある論拠はあったと指摘したという話がFed Whisperers(フェド・ウィスパラーズ)や報道を通して伝わって」。そして、それをサポートする発言を、セントルイス連銀のブラード総裁がすれば、マーケットの反応として、そこから、さらに売られて、売りなおされて、NYダウは、この日当日の安値より、10ドル上の33,696ドルで引けました。安値引けではありませんでしたが、それに近いような引け方でした。この視点から、今日2月17日金曜日のマーケットを見ていました、思うほどは下がらないなあと思いながら。

2018年2月5日(月曜日)パウエルFRB新議長の就任日


2018年2月5日(月曜日)
でしたかね。パウエルFRB新議長の就任日。ドっか~ンとアメリカ株が下落して。この時は言わずと知れた量的緩和の時代でした。当時一緒にお仕事させて頂いておりましたとある部署のすごく紳士で真摯な日本人部長さんから、「一通り、この下げについてのコメントは読み、ほとんどとって見ましたが、どう見ますか?」という問いかけが僕に当時ありまして。お答えしたのは、「僕も同様に、アメリカのエコノミストやストラテジストのコメントに一通り目をとしました。でもそれらを全部脇に置いて、短く言いますと」~「市場の先制パ~ン~チ」「パウエル新議長に対する市場の洗礼です。」「パウエル理事は、ブレイナードさんとイエレンさんの影に隠れてきて、これまで市場はあまり良くパウエルさんの事知らないからでしょうね。市場は、イエレンさん(ハト、量的緩和時代のリーダー)をこれまで通り踏襲しないと、痛い目に合うよという事をパウエル新議長に先生パンチをおみまいしながら、伝えているのでしょうね」とお答えした記憶があります。「ですよね~」でお互い直ぐに話が終わり、別の仕事に取り掛かりました。


FRB人事の節目、2月14日付でブレイナード副議長職を退任


上記は、ひとつの例ですが、今回FRB人事の節目でもあるのかなあとも思っています。

ブレイナード副議長が、国家経済委員会(NEC)委員長就任に際して、2月14日付で副議長職を退任。もう副議長ではありません。

2月16日、そのタイミングに配慮するかのように、過去長きにわたって、カンザスシティ連銀エスター・ジョージ総裁(この1月31日退任しました)と並んで、金融政策においてタカ派で鳴らしてこらたロレッタ・メスター・クリーブランド連銀総裁が、「前回1月31日-2月1日でのFOMCで、昨年12月会合に続いて政策金利を0.5ポイント引き上げる説得力ある論拠はあったとご指摘」これを、一斉に、Fed Whisperers(フェド・ウィスパラーズ)と呼ばれる金融報道関係の人たちが伝えて。

メスター総裁、なぜ、今頃言うんですか?もうずいぶん、あれから時間が経ってますけど。と聞いてみたいですね(笑)。

そこは、ブレイナード副議長(ハト派の最重鎮)の退任のタイミングに合わせての事かなあと個人的にもちろん、おもいっきり、かんぐっております。

そして、即座に、セントルイス連銀のブラード総裁がそれをサポートするご発言「3月のFOMC(連邦公開市場員会)会合で0.5ポイント、50ベーシスポイントの利上げを支持する可能性を排除しない」「インフレとの闘いは長期戦になるというのが、私のおおまかな判断だ」と述べました。

セントルイス連銀のブラード総裁って、今年のFOMCの投票権持っていないんですよね~。でも、マーケットは16日、そこに、敏感に、反応したわけです。
マーケットが、何に対して、どう反応するのかというところがポイントです。それが全てと言ってもいいくらいです。誰が何を話したかなんて、いちいち、僕の場合はですが、覚えてませんから(笑)。時に、その話そのものをその時、聞いていない事さえあります。そんな事より、大事なのは、マーケットの反応。マーケットが、いつ、何に、どう反応したのか、するのか、だと僕個人は思っています。マーケットの反応に促されて、後で「ああ、○○さんが、こう言ったのかあ、ああ言ったのかあ」という事さえあります、僕の場合はですが。

ブラード総裁の存在感、ブラード総裁の役割、それについては、ブレイナード副議長が退任されてから、より、クリアー(役割が鮮明)になっていると思いますし、マーケットはそれについては、すでに十分承知していると思います。だから、その日そう反応したのだと思います。

直近の寄稿で、下記「僕の認識で、マーケットがすでに織り込んだこと・僕の認識で、マーケットが織り込んでいないこと」について述べました。

マーケットが、今後、まず、修正を余儀なくされる可能性が高いのではないかという観点から、今日は、この「僕の認識で、マーケットがすでに織り込んだこと」の4点について、ひとつ、ひとつ見て行きます。

僕の認識で、マーケットがすでに織り込んだこと
ソフトランディング(軟着陸・リセッション回避)
ゴールディロックス・エコノミー(適温経済)
ある程度までのインフレ抑制(今年2023年末で、おおよそ3.5%ないしそれ以下)
11月からの金利の引き下げ

僕の認識で、マーケットが織り込んでいないこと
6%など、より高くなるかもしれないターミナル・レート(金利の最高到達点)
Earnings Recession(企業収益・利益の不調)
11月からの金利引き下げの”後ずれ”

①ソフトランディング(軟着陸・リセッション回避)


これについては、イエレン財務長官、ブレイナード副議長、パウエル議長、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁、その他FRB高官、関係者の皆さん、その方向でお取組みなさっておられることと思います。

ここにきて、ソフトランディングでもなくて、ハードランディング(経済・景気が急速に悪化する)でもなくて、ノー・ランディング(ソフトランディンとハードランディングのどちらでもない)という表現がよく使用されるようになりました。
でもこのノー・ランディングの場合、行きつくところ、ベースラインのインフレーションは高くなって、結果、金利は、”より高く”もしくは”より長く”のどちらかになるのではないかという認識で僕はおります。

その理由が何であれ、昨年7月以来、逆イールドが発生している事実。よりこちらの方に注目しています。
*逆イールド~短期金利が長期金利を上回り、イールドカーブ(利回り曲線)が右下がりの曲線となっている状態。米2年債と米10年債。マーケットが将来的に金利が下がるとみている場合に起こる現象。一般的に景気後退の兆候。

②ゴールディロックス・エコノミー(適温経済)


これにつきましては、アメリカ経済が強いですから、それはある程度理解します。しかしながら、その上で、僕が、この通りですよねと思っているコメントは直近の寄稿寄稿で引用させて頂きました、ブルームバーグのLisa Abramowiczさんがシェアしてくださったコメントです。
引用~「逆イールドが今後の景気後退の兆候として引き続き機能する場合においては、A soft landing/ソフトランディング(軟着陸・景気後退回避)、A no-landing/ノー・ランディング(ソフトランディンとハードランディングのどちらでもない)という考えは、ますます、困惑、緊迫した状態ですね。ベンチマークになる米2年債と米10年債の逆イールド(利回り曲線の反転)は、今日のCPI後、新たな深さまで、急激に落ちました。」~略~「ハーバード大学のケン・ロゴフ(Ken Rogoff)教授は6%のターミナルレート(金利引き上げ最終到達点)について語っています。ターミナルレートが高いほど、通常、資産価格への圧力が高まるわけです。経済の強さという事でそれを相殺出来はしますが、それを言ってもそれはある程度までの事にすぎません」

特に、この箇所です。
経済の強さという事でそれを相殺出来はしますが、それを言ってもそれはある程度までの事にすぎません

③ある程度までのインフレ抑制(今年2023年末で、おおよそ3.5%ないしそれ以下)


これについては、サンフランシスコ連銀のリサーチ・チーム(調査チーム)の書いたリサーチ・レポート(調査レポート)を見ても、インフレ抑制の速度にスピード感があり、その抑制ペースが速い事。また、イエレン現財務長官が、FRB議長時代に自信を持っておっしゃっておられた「FRBには最新のモデルとツールがある事」。ある程度、その抑制の方向性については理解しますので、正確に、おおよそ3.5%ないしそれ以下と断言はできませんが、ここでの他の項目と比較した場合、さほど、どうのこうのとは、現時点では思っていません。ただ、まず、米経済を減速させるために金利を最速のペースで引き上げて来たのに、先日の失業率その他、まだ、強い経済指標が出てきているところですから、その観点から見ています。

④11月からの金利の引き下げ


こちら、Cameron Dawsonさんがシェアしてくださったツィートとチャートです。
この通り、引用~「数週間でこんなに変わるなんて...債券のマーケットは、1月末にはFRBよりもはるかにハト派的でしたが、現在は2023年のFRBのドット(ドットプロットのドット~金利予測分布図)の中央値よりも高いターミナルレート(金利の最高到達点)を予想するようになっています。ここで注意・注目しておかなければならない事は2023年の下半期にはまだ(25ベースポイント)の利下げが織り込まれている事です。」

今日は、企業利益の不調がどうとか、バリュエーションがどうとかに話を出来るだけ広げず、政策金利(フェデラルファンドレート)に焦点を当てて述べたいと思っています。

今、ちまたにも、様々にコメントがあります。
そして、本日引用させて頂きましたCameron Dawsonのコメントです。~「現在は2023年のFRBのドット(ドットプロットのドット~金利予測分布図)の中央値よりも高いターミナルレート(金利の最高到達点)を予想するようになっています。」
この点にポイントがあるがゆえに、前述のロレッタ・メスター総裁やブラード総裁のご発言に、2月16日のマーケットのごとく、株式市場は敏感に反応するわけですよね。

上記①から④の4点のうち、どうのこうのは別として、③を除いたとしても、①、②、④については、この通り、そこから、修正される可能性があるわけです。
マーケットに対して、この部分、いずれ修正が必要なんじゃないですか、修正ありますよね、と僕は、むしろ思っております。

企業利益の不調がどう、バリュエーションがどう、その話は別としても、マーケットがすでに織り込んでいると認識されている内容そのものに、”少なくとも”3つも(①、②、④)、今後、修正される可能性が高い要素があるわけです。

そして、繰り返しですが、債券市場は、「現在は2023年のFRBのドット(ドットプロットのドット~金利予測分布図)の中央値よりも高いターミナルレート(金利の最高到達点)を予想するようになっています。」

立て続けに出て来る経済指標。現状から、そのより高いターミナルレート(金利の最高到達点)を求めているわけですよね。

そんな時に、僕は、押し目は買いとか、ここはロングとか、そうはなりません。
そんな事考えもしませんし、そういう行動はもちろん、とりません。よく使用される言葉ですが、落ちてくるナイフを素手で掴むという事は、僕はしたくありませんし、できません。

テイラー・ルール


余談ですが、テイラー・ルールというのがあります。
テイラー・ルールとは~引用先:出所:野村證券~引用~「米経済学者のテイラー氏が1993年に提唱した、中央銀行が誘導する政策金利の適正値をマクロ経済の指標により定める関係式。この式に基づく政策金利は、現在のインフレ率が目標インフレ率を上回るほど、また、実質国内総生産(GDP)成長率が潜在GDP成長率(その差を需給ギャップと呼ぶ)を上回るほど引き上げられ、反対にそれぞれの値が下回るほど引き下げられることになる。」「米国の実際の政策金利との一定の整合性もあり、各国の金融政策決定過程で参考にする代表的ルール(拠り所)の一つとされるが、この関係式で決まる政策金利の妥当性については学術的な議論もある。」

これは、定式化されているその【式】が複雑ですので、さらにご興味のある皆さまにおかれましては、はググってご覧になって見てください。ここでは割愛させて頂きます。

ここで申し上げたい僕のポイントは、このテイラー・ルールを用いた場合、ゴードン・ジョンソンさんがシェアしてくださったツィートにある通り、「フェデラルファンドレート(政策金利)は、まさに現在、9.13%であるべきだという事を示唆しています」という点です。

このように、債券市場は、「現在は2023年のFRBのドット(ドットプロットのドット~金利予測分布図)の中央値よりも高いターミナルレート(金利の最高到達点)を予想するようになっています。」ですとか、テイラー・ルールがどうということに執着しすぎずとも、それを参考にしながら、要は、目の前にある現実は、現在は、金利を引き上げている、金利を引き上げ続けている局面という事です。

そこで、アメリカ株をロングとはなりません。ロングについては、直近の寄稿で明示させて頂いた通りに考えております。

むしろ、それとは反対に、潮目の変りどころ、その「節目」、ベア・マーケットラリー終了の節目かなという観点と目線で、この木曜日2月16日から、マーケットについて観察しています。

*僕の経験からです。それぞれ全く別の事ですが、この「テイラー・ルール」も、この寄稿で過去に何度か引用させて頂きました、ロバート・シラー教授の「シラーPER」(「CAPEレシオ(ケイプレシオ)」)も、それぞれについて、現実にいる僕は、ほんと、なんとなくにすぎませんが、数値が高めに出て来るようにも見えるなあというイメージ・印象は、個人的には常々持っています。ですから、それに固執しすぎているわけではありません。ただ、現実を見る時、それぞれに、参考としてであっても、その都度、その折々、その事実をよく知るという事において、とっても大事な数字だと思っていますから、よく見ています。

*「シラーPER」(「CAPEレシオ(ケイプレシオ)」)~現在の株価をインフレ率で調整した過去10年間の一株当り純利益の平均値で割ったもの。米国のロバート・シラー氏(ノーベル経済学賞受賞)米イエール大学教授とジョン・キャンベル氏が考案した株価指標で、株式市場や株価の割高・割安を判断する際に使用されます。

冒頭のサマリーのところで述べましたゴールドマン・サックスのエコノミスト・チームの政策金利見通しを見ておりましても、この寄稿で述べてきました”より高く””より長く”の”より高く”が、徐々に現実のものとなって来ているのかとも思います。12月のFOMC時点でFRBが言っていた「2023年”少なくとも”75ベーシスポイントの利上げが必要」が、ゴールドマンさんの予想に基づきますと、今年前半で、これは、100ベーシスポイント、1%の利上げに6月時点でなるわけです。

FRBは、今後、金利を景気抑制的水準まで引き上げたら、引き上げたその金利を、高い水準で維持する。(そのまま高い水準に金利を据え置く・維持する事によって、インフレ鈍化に伴って実質金利は一段と景気抑制的になるから~引き締めを維持できる)。」そして、景気後退に陥る前に、金利を引き下げて、ソフトランディングを達成する可能性を最大限に高めたい。
*実質金利~見かけの金利(名目金利)から物価変動の影響(予想物価上昇率)を差し引いた金利の事です。実質金利はほぼ「名目金利-期待インフレ率」。 例えば、アメリカで、潜在名目GDP成長率が4%、長期的なインフレ率が2%とすると、潜在実質GDP成長率は4%ー2%=この2%が実質金利という事になります。

ソフトランディングのシナリオなのでしょうが、”より長く”(引き上げた金利をその高い水準で維持する期間)なる可能性も現時点では十分にあり、どうも今年下半期(11月)に25ベーシスポイントの利下げというシナリオには、組しにくい、これは修正されるのではないかと現時点では、そうも考えております。インフレ抑制を最重要課題としているFRBが、そんな簡単に金利を下げる事ができるのですか?金利を下げるタイミングは後ずれするのではないですか、という事を考えています。

いっぽうで、ただ、これまでも申してきました通り、FRBは本当に経済が減速して、景気後退という事が見えてきますと、あのインフレ退治で世にその名を残したボルカー元議長でさえ、緩和しよう、緩和しようとして、PIVOT(政策転換)しようとしてきたわけですから、金利の引き下げを除外、無視する事は出来ませんし、タイミングは後ずれしそうですけど、金利引き下げのタイミングをもっと語るには、これから今後もっと時間が必要ですね。。僕は、まず先に、景気後退を誘発する要因となるEarnings Recession(企業利益の不調)の方を、まず順番として、先にマーケットが織り込む必要があるのだろうと考えています。

直近の寄稿で、ロングに対する考え方について述べた時に言いましたが。まだ先の事ですけど、ロングについては、金利の引き上げ局面が終わる時点というものを確認しながら。そして、もちろん、金利を引き下げる時に、ロングを手じまいたいと考えています。この時点になった時は、投資家がFRBの政策転換を歓迎しても、金利が低下するころには、株価が上昇するには経済が疲弊し過ぎているというのが現実という観点に基づいて、考えているからです。

FOMCについては、
2023年、3月21日と22日。5月2日と3日。6月13日と14日。
7月25日、26日。9月19日と20日。10月31日と11月1日。
12月12日と13日。
まずは、今年前半ですね。


過去12日間で、ヘッジファンドは過去10年間のどの時点よりも多くのアメリカのテクノロジー株のショートをカバーしました


テクノロジー株につきましては、この寄稿で機会あるごとに触れて参りました。
今日はもうひとつ、Florian Kronawitterさんがシェアしてくださったツィートとチャートです。
引用~「過去12日間で、ヘッジファンドは過去10年間のどの時点よりも多くのアメリカのテクノロジー株のショートをカバーしました(1月21日のミーム株の吹き上げを除く)。カバーの消滅とともに、テクノロジーセクターのパフォーマンスが低下、アンダーパフォームする可能性がありますね。」



そうなんですよね。この寄稿でも述べてきましたが、ナスダックって、基本、これまでのは、ショートカバーだったんですよね~。ナスダックを今後ここから、さらに、買い上げて行く根拠が乏しいんですよね~、今のところ。新しいサブセクターや新しい銘柄が出てこない限り。まだ、それには時間はかかるのではないかと思っております。ですから、以前の寄稿でも述べましたが、テクノロジーセクターについても、戻りを売るはあっても、ロングはなし、だと思ってきました。ナスダック100という事を考える時、僕にとっては、この点は大事だと思っております。





第115回へ続く


最後に …
これからもアウトライヤー様からの寄稿🍅を皆さまにお届けするつもりです。
もし、この記事を最後まで読んで頂けて、良かったなと思ったら「スキ」をクリックお願いします!



関連スペース

11月27日 第1回スペース 2時間

12月18日 第2回スペース 2時間20分

12月22日 第3回スペース 12分間

12月24日 第4回スペース 20分間

12月30日 第5回スペース 20分間

2023年1月19日 第6回スペース 8分間


関連note

私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
OUTLIERは素敵な商品です
OUTLIER 「相乗的にパフォーマンスを高める食品と栄養素を集約。」


🍅🍅

弟子のNEOさんへ
アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。


🍅注意事項
①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。

『日刊宝の山』『アウトライヤー寄稿』は利益を保証するものではありません。


サポート🍓本当にいつも有り難うございます。