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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿43

米国株の師匠🍅アウトライヤー様からの寄稿🍅第43回全文無料で皆さまにお届けします。

🍅🍅

弟子のNEOさんへ
アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。

笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。

背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。

一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。



録音 スペース

 2022年11月27日(日曜日)↓↓↓↓↓↓



第42回から続く


Thanksgiving(感謝際)のホリデイウィークエンドを、皆さん、十分楽しみましたか?という言葉も聞かれます。

それぞれの過ごし方がありますが、まあ、多くのアメリカ人がびっくりしたというか、まあそんなもんだろうと思ったかは別として、民主主義にとっての脅威トランプ氏がThanksgiving Dinner(感謝祭の夕食)をご一緒した相手が、Nick Fuentes氏~「悪名高い白人至上主義者・ 反ユダヤ主義者・ホロコースト(約600万人のユダヤ人大虐殺)はなかったと主張するホロコースト否定者」~そしてそこに参加していたのが、反ユダヤ主義発言で悪名高いYe(カニエ・ウエスト)氏。


Ye(カニエ・ウエスト)氏

トランプ氏が2016年の大統領選に出馬する以前から、氏のそばで、ずっとトランプ氏を取材し続けてきたニューヨーク・タイムズ紙記者・著名ジャーナリストでありCNNアナリストでもあるマギー・ヘイバマン氏も、このThanksgiving Dinner(感謝祭の夕食)について、他の報道から、少し時間をおいて、彼らが一緒にディナーしていたと、そう述べていました。マギー・ヘイバマン氏がトランプ氏について、そう言うなら、それは事実なんだろうと。

まあ、今、トランプ氏カニエ・ウエスト氏イーロン・マスク氏の3人、同列に並べて語られるシーンをよく見ます。Malignant Narcissist(悪性自己愛・自己愛性パーソナリティ障害)とかって。Overbearing(高圧的・威圧的)で、権威主義的で。上から所かまわず、命令するというような。このような表現ではなく、この事を別の表現を用いて、もっと激しく、厳しく、批判する人達は多くいます。

専門家のご指摘を見ておりますと、
誇大性grandiosity)~ナルシシストが軽蔑、劣等感、独自性を用いて他人を見る時に発生する、非現実的な優越感。
パラノイアparanoia)妄想症~不安や恐怖の影響を強く受けており、他人が常に自分を批判しているという妄想。
・危害を避けようとしている他者に身体的・精神的な危害を加えようとする攻撃行動(aggression)。
この3つが、段階的に拡大すると、補償作用の喪失decompensation)となり、まさにそれ(decompensation)であるという見地からです。

トランプ大統領時代、補償作用の喪失decompensation)という言葉は、その道の専門家やトランプ氏を直接よく知る人達の口から、もう、何度も、嫌というほど聞かされてきた言葉でもあります。

ツィッターでは、多くの人が、多くのフォロワー失ったと嘆いていますが、僕も英語のみで行っている自身のツィッターアカウントから、約150人のフォロワーさんを失いました。みんなツィッターから離れて、マストドンやPOSTへ。悲しい出来事です。


Nick Fuentes氏

それで、もっと呆れるのが、世間から強烈な批判を浴びているトランプ氏はこの悪名高いNick Fuentes氏「悪名高い白人至上主義者・ 反ユダヤ主義者・ホロコースト(約600万人のユダヤ人大虐殺)はなかったと主張するホロコースト否定者」を拒絶できない、それは、拒絶すると、トランプ氏の支持者層がトランプ氏から離れて行くからでもあり。支持層が離れて行く事を恐れているから。トランプ氏は、Nick Fuentes氏を拒絶する事を拒絶している状態なのです。

トランプ氏のお父さん、フレッド・トランプ氏。不動産で成功したビジネスマンであり、大金持ちでした。ですが、人種差別主義者と呼ばれた一面があり、自分の所有物件を肌の色の違う人には貸さない等。それでも、亡くなる時、ドナルド、どうもあいつおかしい、インチキしてるんじゃないか、と疑念を持ちながら亡くなったとも伝えられています。トランプ氏の会社・トランプ・オーガニゼーション。トランプ氏当時、従業員20名未満。まあ、いわゆる、アメリカで言うところのパパママショップ(お父ちゃんとお母ちゃんが2人で経営しているビジネスのような)とアメリカでは言われてきました。現在は、ヴァンキー(イヴァンカ)ジュニア(トランプ・ジュニア)エリックの3人のトランプ氏の子供達が経営に携わっていますが、もうだいぶ前に長年監査を勤めた、監査法人からも、数字に責任が持てないという事で、見放され、手を切られて、今、当局の捜査の対象にもなっています。
トランプ氏は、そもそも、巨大企業ですとか、巨大政府機関ですとか、大きな機関を動かしたことさえなかったわけです。元エクソンモービルの最高経営責任者(CEO)で、トランプ政権最初の国務長官・レックス・ティラーソン氏は、退任後にトランプ氏を評して「彼の知識は極めて限られていた」そして、moron~馬鹿、アホという言葉を使用していました。

トランプ氏の支持者達には、エヴァンジェリコと呼ばれるキリスト教福音派(ざっくり言いますと、より聖書の教えに沿った考え方、生活を営む事を主眼としている)の人達が複雑に絡んでいて。まあ、これまで、過去もう7年間くらいずっとあった光景です。

前述のディナーは、自分をスポットライトの中心に常に置いておきたいトランプ氏の感謝祭の話題作りなのかもしれませんが、相変わらず、趣味が悪い。これは、(Unacceptable)受け入れられません。多くのアメリカの人達にとって、明白に、受け入れる事ができる事ではないのです。批判が目まぐるしく飛び交っているのも事実です。宗教団体とも複雑に絡まった鉄板の支持者層がMAGA(Make America Great Again)、陰謀論者達と共に、全人口のおおよそ2割5分くらいになるのでしょうか、いるわけで。
相変わらず、トランピズム(怒り、復讐、大ウソの永久化
やってますという。

つい2,3日前、普通に報道インタビュアーが、MAGA(Make America Great Again)・陰謀論者、トランプ氏の支持者に直接インタビューしていました。そのうちのひとりは、「今の大統領ジョー・バイデンはホンモノの大統領ではない。あれは、複数の俳優が、交代で、マスクを着用して、大統領を演じているだけだ」(日本でもよく知られている俳優、ジム・キャリー氏)そのジム・キャリー氏がマスクをつけて、大統領を演じている、そのひとりだと聞いている」って、真顔、普通のおしゃべりのトーンで、そのインタビューに答えていました。
こういう訳の分からない事を、なんのてらいもなく、真顔で言うわけです。
そのシーンに、ある人がつけていたキャプションが、
馬鹿は治しようがない治せない
これ本当の話です。事実です。
これは、僕が作った話ではありません。(笑)
ましてや、米メディアが、その人の発言を、他の視聴者へのウケを狙って、都合よく切り取って伝えているわけでもありません。今回はこういう内容でしたが、このような常軌を逸した内容の話は、内容を変えて、トランプ氏の支持者、陰謀論者の間で、MAGA(Make America Great Again)の集会では、枚挙にいとまがありません。その人達の間では、ごく普通の事なのです。相変わらずです。ず~っと。一般の人からすれば、もう別にあらためて驚く事もないというところが本音だと思います。

以前にも述べましたが、トランプ氏の支持者達は、トランプ氏が、彼ら支持者のために一所懸命仕事をしてくれるから支持しているのではありません。自分達は、まあ、これからがんばっても、そんなにこれから、今目の前にある生活向上を望めない、変える事はできない。ただ、あいつらは(エリートや肌の色の違う人達、その他自分達が感情的に気に入らない人達)許せない。あいつらには取って代わられない。トランプは、自分達のために、あいつらを徹底的に攻撃してくれるし、ボロクソに言ってくれる。「スカっとするわ~。やっぱ、トランプ最高!彼こそがリーダー!」なのです。専門家の間では、この傾向を、自分達の惨めさを通して、反映させてののCollective narcissism(集団的ナルシシズム)と呼んでいます。信じ込んじゃって。見ていて怖くなります。そして、過激な行動へ。だから怖いのです。

とある現職のホワイトハウスのスタッフが、パンデミックの時、トランプ氏の支持者MAGA(Make America Great Again)のロジックをこう表現していました。

引用~「神が新型コロナから私達を守ってくれる。だから、マスクを着用する必要はないし、感染リスクが極めて高い集会やイベント参加について、心配する必要もなく参加できる、そうする。私が、他の人に新型コロナを移すかもしれないリスクがあるだって?そんな事誰が気にするよ。関係ないね。ところで、神は、ミステリアスな事に、時々お隠れになる。だから、その時(神がお隠れになっている時)、自分の身を守り、自分の命を守るために、襲撃用ライフルもしくは戦闘用の武器が必要なのだ」~引用終
どんなロジックなんでしょうね?イロジック(筋の通らない支離滅裂)。
あきれて言葉がありません。


元下院議員ジョー・ウォルシュ氏

以前にも、引用しました、元下院議員ジョー・ウォルシュ氏はじめ多くの論客から、トランプ氏が、Nick Fuentes氏(悪名高い白人至上主義者・ 反ユダヤ主義者・ホロコースト(約600万人のユダヤ人大虐殺)はなかったと主張するホロコースト否定者)とThanksgiving Dinnerを一緒した事に対して、沈黙しかできない(何も言えない・批判の声を上げる事ができない)トランプ氏に乗っ取られたカルトの党の共和党こそ、大問題だと大声で様々に批判が噴出していました。
この件にかかわる別のコメントに対して、一言、WEAK(弱い)と述べられた方がおられて。かねてから個人的に最も尊敬してる人のひとりです。
この方が、この方をして、おっしゃられるWEAK(弱い)という言葉は重いのです。
僕もずっとそう思っていましたが、この方は、かつて、マイク・ペンス前副大統領をWEAKと呼んだことがありました。もちろん、疑いもなく、同感です。1月6日、議事堂襲撃事件の際、「ペンスを吊るせ」と襲撃者・暴徒が叫んで、絞首台にペンス副大統領を吊るそうと企て。そうまでされたにも関わらず、当の本人は、その後長い事沈黙し、事あるごとつい先日までの長い期間、(Stand up and speak out)立ち上がって、自分の意見をぶちまける事さえありませんでした。むしろ、その事実をかばい続けてきたのです。

余談ですが、僕は、かつて、そんなまあ、あまり深刻に考えずに仕事してきました。しかしながら、自分が何かすることにおいて、自分が信頼を置くニューヨークのマネジメントから、もし、その仕事ぶりが、WEAKと言われることがあったとしたら、その時は、自分は、用済み。裏口から静かに去る時だと思ってきました。そう心に決めていました。幸い、結果論にすぎませんが、WEAKと言われたことはありません。(笑)

もちろん、言うまでもなく、大勢、大半のアメリカの方々は良識を持っておられます。しかし、MAGA(Make America Great Again)の人達はどうなっちゃってんの?そして、良識を持っておられる方々の間でさえ、これは人によってはなのですが、「えっ、大統領?誰でもいいよ、税率が低くて、税金が安ければ」そういった無関心不注意が、今日の今の状況に私達を導いたとおっしゃっておられたアメリカの専門家の関係者の方のコメントを思い出します。


Why We Did It

第19回寄稿の寄稿から~Why We Did It:( A Travelogue from the Republican Road to Hell)ティム・ミラーさんという、素晴らしいアメリカ保守の論客が書いた本があります。この本の題名は(ニュアンス)~「なんで俺達・私達こんなことしちゃったんだ」「なんで俺達私達トランプを大統領にしちゃったの?なんで?」「共和党、地獄への道、その旅路談」という事なのですが。

やはり、ポイントは、心の中では、「なんだ、トランプ、ふざけるな。冗談じゃないよ」と非常に批判的に思っている共和党員の人達もいっぱいるのですが、現実となると、それを口に出して公に批判できる人達がいないんですね。批判できないから、トランプ氏が死ぬのを待ってる、それを待つしかないというような人達も結構な数、真面目な話で、共和党の中にはいるんです。

なんでかというと、共和党所属議員や有力共和党員が、本当に、共和党を捨てて党を離れるとなると、資金や地位の面で、苦労する事みえみえで。社会的にも、また、プロとしても、池から飛び出た一匹の魚状態になって、干上がるよ。という事なんです。どうしても、共和党はトランプ氏に乗っ取られて(トランプ氏を個人崇拝までしてしまう)トランプ氏の(カルト)の党になってますが、何より、資金面を一手に握っている共和党全国委員長(ロナ・マクダニエル氏)がトランプ氏の信奉者ですから。
たとえば、独自に別の仕事をお持ちの方などは、共和党を離れて、インディペンデントとして、いることができるわけですが、共和党一本の人達にとっては、これはもう死活問題ですからね。長い物には巻かれろ状態そのものなのです。~第19回の寄稿から終。

複雑に宗教も絡めて、社会的に弱い立場にある人達に、そう思い込ませていく、ある意味、洗脳して行く。
リタイアした、ある元米政府関係者が、激怒しながら、「この国には、少なくとも、5,000万人くらい、良心のない、明らかなアホがいる」と、かつて手厳しく、批判のコメントをしておられました。

僕は、政治活動などをしているわけでは全くありません。
個人的な事で、大変恐縮ですが、僕は、一般大衆のひとりとして、この国、日本を愛しています。アイ・ラブ・ジャパンです。ニューヨークやアメリカの他の都市に限らず、たとえば、ロンドンを訪問しては、英国紳士・淑女とたくさん話をしてきました。「おう、久しぶり。どう、最近のイギリスは?どうよ、マーケットは?」「どうだ、最近の日本は?どう、マーケットは?」挨拶代わりに、お互いにかわしてきた会話です。
ロンドンのイギリス人同僚達と、ロンドン訪問時に必ず1回はみんなで晩御飯を一緒に食べに行っては、そういう会話も重ねてきました。世界を回れば回るほど、自分の国、日本に対して持つ誇りは、より高まって行った事も事実です。
世界のあちこちから、「どうよ、日本経済?どうよ、東京市場?」って聞かれて来ました。(笑)みんなそれぞれ自分の国に誇りを持っていました。
その職務におけるロンドンのヘッドとニューヨークの総ヘッドと3人で、東京や香港で晩御飯を食べに行って、仕事を忘れて、夜中まで、そんな事を議論した事もあります。

この国、日本を統治して行く人達、ルールを作って行く人達、法律を作って行くロー・メーカー達が、人気取りと自分の利益のために、安易なポピュリズム、デマゴーグ、プロパガンダ、そういったことに走る事については、疎ましく思っています。そういう観点も、含めて、アメリカから学んでいます。
これは、“When America sneezes, Japan catches a cold."(アメリカがくしゃみをしたら、日本が風邪をひく)と思っている部分が大いにあるからです。実際に、そうなのかもしれませんし、本当はそうではないのかもしれませんが、僕は、その観点から物事を観察しているというだけの話です。


昭和史
「昭和史」(文芸春秋)

もうずいぶん前の事ですが、故半藤一利氏がお書きになられた「昭和史」(文芸春秋)という本を、長い日にちをかけながらではあったのですが、少なくとも3回は読みました。この視点からも、物事を観察している事も事実です。
この本のファンです。

前述の最も尊敬しているひとりで、オンライン上で相互フォローしているアメリカの法曹界の重鎮の関係者の方が、かつて、「アメリカで選挙で選出された国民の代弁者は、もっと歴史を、そして歴史から、学んだほうが良い」という主旨の事を助言されておられました。
僕も、「日本で選挙で選出された国民の代弁者は、もっと歴史を、そして歴史から、学んだほうが良いのでは」とつぶやいたことがあります。すると、すぐに、その方が「いいね、スキ」してくれて、大変うれしかった事を覚えています。

さて、先日お話させて頂きました折に、少し取り上げさせて頂きました、2013年に世界最大のヘッジファンドになったブリッジウォーター・アソシエイツの創業者レイ・ダリオ氏。最近、本当に、アメリカの教育水準の底上げを訴えかけておられます。また、ご自身が、ウォール街にあったと同様にも感じます、思考や物事への取り組み方のノウハウを発信されておられます。

これは、僕のツィッターアカウントの宣伝ではありません。先日、僕は、最近新しく作りましたアウトライヤーのツィッターアカウントから、
「物事には、まあ、その、princple原理や原則というものがあって。そもそも、これって、どういうことなんでしたっけ?~略~思考する時、principlesを大事にしたいと思います」とツィートしました。principle(原理や原則)


FRBの金融政策、その金融政策が及ぼし得る現実と市場の乖離


レイ・ダリオ氏を自分と同じ土俵に乗せて語るつもりは毛頭ありませんが、
昨日、レイ・ダリオ氏が、部分引用~「より高い位置から現実を観察・見つめると、ほとんどの事って、概して同じ理由で、繰り返し繰り返し起こっている。それらの事柄に対処して行くために、原理や原則について考える事(って大切なんだよ)」~部分引用終

たとえば、普通に生活していて、些細なことであっても、「これって、こうなった時って、どういうの、どうなるの、が、原理・原則だったんでしたっけ?今回、その原理・原則から考えると、今回のこれって、あれまあ、ずいぶん乖離してますね~とか、まあ、おおかた、原理・原則に沿ってますねえ~とか」「乖離しすぎているから、どこかで修正される可能性もありますかね、とか、まあ、おおむね、原理・原則に沿った形で動いているから、その先かなあ、とか。」

FRBの金融政策、その金融政策が及ぼし得る現実と市場の乖離。
そんな観点でもあります。

前にも述べましたが、金融の世界でも、そりゃまあ、いろんな人がいろんな持論を展開します。皆さん、それぞれのお立場から。それで、その後、そうなる時もあれば、そのようにはならない時もあり、様々です。ウォール街に親しみはあり、敬意も表しておりますが、アメリカの金融政策を執り行っているのは、ウォール街ではありません。FRBです。もちろん、FOMC当日、ニューヨークのトレーディングフロアーで過ごしたこともままあります。別に何ら表面的には変わりありません。
FRB議長の発言を、注意を集中して、みんなと聞いていたりなだけです。アメリカの金融政策については、僕は、今、そこで、その職務を遂行しているFRBの人達の日頃の発言、フォワードガイダンスドットプロットなどを通して、彼らが、僕達に教えてくれる事に、より注目しています。ウォール街の人達の発言はその次に来るか来ないかくらいです。みんな意見は、それぞれに、ありますから。ただ、ウォール街の影響力を過小評価する事はありません。

まずは、自分の投資計画を見失う事のない様に、努めたいと心がけています。金融事は、いつも次の新しい何かを模索して動いている世界ですから、そういう、なにか、新しい事を教えてくれる、感じさせてくれる情報に触れる事を心がけています。


インフレターゲットを引き上げるというアイデア


あ、そう言えば。
ウォール・ストリート・ジャーナルのニック・ティミラオス氏が、全引用~「オリヴィエ・ブランチャードMITマサチューセッツ工科大学教授(IMF国際通貨基金のチーフ・エコノミストとして活躍された方)~中央銀行(FRB)はおそらく、彼らが設定したインフレ目標を、より高いところで再定義したくはないのだろうが、もし、来年もしくは2年後、インフレ率を3%まで下げることができるのであれば、それを受け入れてやっていくべきだと発言」と述べておられました。

2%のインフレターゲットバーナンキさん(元FRB議長)が当時設定したものです。同じく、ウォール・ストリート・ジャーナルのニック・ティミラオス氏はこうも述べておりました。
その当のバーナンキ氏は、このご意見に対して、「今それ(インフレターゲット)を変えるというのは、これは問題がある。インフレターゲットを引き上げるという議論がどんなかたちのものであるにせよ、インフレ率が非常に高い時にそれを行うのは、良いアイディアではない(得策ではない)。あきらめ、降伏しているように見えるから。」

前のニューヨーク連銀総裁ビル・ダッドリー氏も、インフレターゲットを引き上げるというアイデアに冷や水を浴びせたようで、「ゴールポストを動かすことは、失敗として解釈されるだろう。インフレターゲットを引き上げるべきではない」~引用終

今後、この議論の行方は、何かさらにあれば、見て行きたいですね。個人的には、バーナンキさんやダッドリーさんがおっしゃっておられる通りだと思いますが。


ラエル・ブレイナード副議長


昨日のFRBブレーナード副議長のスピーチについて、元FRBのエコノミスト(ウォール街どうのではなく、合衆国国民第一を当然考えておられますエコノミスト)のおひとりは、「全面的にラエルの意見ブレーナード副議長のご意見)に賛成という事」で。このエコノミストの方によると、引用~「ラエルのスピーチで(ブレーナード副議長のスピーチで)”パンデミック”という言葉が30回述べられて、ウクライナという言葉も、それはもう何回も出て来て」「(新興国などの)国際情勢を、以前のように控えめに論じる事なく、十分に考慮・意識されていて」「新型コロナとプーチンこそが、今の高インフレも含めて、全ての諸悪の根源だ」と。引用終
まあ、僕にとりましては、ブレーナード副議長民主党員であることを再認識した瞬間とでも申しましょうか。
こればっかり繰り返してますが、ブレーナード副議長こそが、委員会の中で、本当に大きな影響力を持っておられますから。ブレーナード副議長の手腕。

インフレひとつとっても、僕などの見方とは大きく異なっているわけですが。僕がとやかく言える事でもありませんし。(笑)
あ、今、この寄稿を書いていて、思わず、ブレーナード議長と書きそうになってしまいました、ブレーナード副議長と書く代わりに。(笑)
それはもう、金融政策FRBブレーナード副議長財政政策イエレン財務長官でやっているのかと、思わず今の時点では錯覚しそうなくらいで。それはもう。

僕は、バイデン大統領が、パウエル議長の2期目を指名するのではなく、当時のブレーナード理事を議長に指名するもんだと、その指名時の一番最初の頃、ちょっと思っていた瞬間や背景があります。~報道で、そうではなさそうだと知った時、かなり意外感がありました。
市場もいろいろ、よ~く見ているのでしょうね。
まあ、いよいよ、議長のご発言、今日(日本時間明日早朝)のパウエル議長のご発言を聞いてみないとですね。
素直にFRBの姿勢をよく聞く事を常日頃から心がけております。
今日、パウエル議長が、昨日のブレーナード副議長のご発言に、ご自身のお考えをしっかり加味してスピーチされることをもちろん望んでおりますが、よく聞いてみたら、これブレーナード副議長の言ってる事と表現違うけど、中身同じじゃ~ンとかなったら、ひっくり返りそうです。まあ、それはそれで。

前回の寄稿で申し上げました通り、金利引き上げの道筋のベースライン・シナリオを、この12月50ベーシスポイント、来年2月、3月、5月にそれぞれ25ベーシスポイントずつ引き上げというところに置いて、そこから引き締め具合が、より高く乖離するのかしないのか、より長い時間がかかるのかどうか。そのひとつの鍵を握る来年以降の失業率の軟化具合に目を配りながら、リセッションのタイミングなどにつきまして、より注意を払って行こうと考えております。

またも前回のFOMC後の議長記者会見時のように、弁護士のリスク・マネジメント聞いているみたいなスピーチになるのは、ちょっと、、、それはわかりませんが、ジャクソンホールの時のように、パシッと決めてほしいですね。拒否権さえ持ったFRBの議長ですから。よく聞いてみようと思います。
これは余談ですが、ここのところのパウエル議長の孤独度とか見ておりますと、つくづく、大きな組織のリーダーの方って、大変だなあと思います。いつでも、ステップダウンする、身を引く、くらいのお覚悟で、お仕事なさっているんだろうなあと、まあ、勝手に推察致しながら。僕には、パウエル議長のお姿が、いつも以上に、現在そのようにさえ映っております。


第44回へ続く

最後に …

これからもアウトライヤー様からの寄稿🍅を皆さまにお届けするつもりです。
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関連note


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①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
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