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国民年金基金

第4版 10分でわかる得する年金のもらい方
https://a.r10.to/hMTs64

◎国民年金基金

国民年金基金は、自営業者などの国民年金の第1号被保険者が基礎年金に上乗せする年金として、任意加入できる制度。

○国民年金基金とは

国民年金の第1号被保険者(自営業者等)は、国民年金保険料を納付することによって、日本の年金制度の1階部分にあたる国民年金を受給できる。

しかしこれは、国民年金の第2号被保険者(会社員、公務員等)が国民年金に加えて厚生年金を受給できることなどに比べて、手薄といわれる。

2015年10月に公務員等が加入していた共済年金が厚生年金に統合された。

厚生年金基金をはじめとした企業年金に加入している場合は、「3階建ての制度」とよばれることもある。

そこで、1991年に、第1号被保険者が、基礎年金に上乗せする2階部分を持つことができるようにするため、任意加入できる制度として、国民年金基金が創設された。

最大の特徴は、加入時点で加入期間中の掛金の額が決まり、加入時年齢や加入口数に応じて年金額も確定すること。

○国民年金基金の加入資格

国民年金基金に加入できるのは、第1号被保険者および60歳以上65歳未満の任意加入被保険者で、国民年金保険料を納めている人。

ただし、保険料免除制度の対象となっている人、国民年金の保険料滞納者、農業者年金の被保険者は加入できない。

国民年金基金には、「全国国民年金基金」と3つの職種別に設立された「職能型国民年金基金」の2種類があり、加入者はいずれか1つを選択することになる。

○加入資格の喪失

国民年金基金への加入は任意ですが、加入後は途中で任意に脱退することができない。

国民年金基金に加入した人は、次のいずれかに該当したときに加入資格を喪失する。

・国民年金基金の加入者が60歳になったとき(60歳以上で加入した場合は65歳になったとき)

・民間企業等に就職して第1号被保険者でなくなったとき

・海外に転居したとき

・国民年金の保険料を免除されたとき

・国民年金の任意加入被保険者でなくなったとき

・農業者年金の被保険者になったとき

・加入者本人が死亡した場合ときなど

なお、加入資格を失った場合、掛金を引き出すことはできないが、将来、加入していた基金または国民年金基金連合会から年金(または遺族一時金)が支給される。

○給付(年金)のタイプ

国民年金基金の給付(年金)のタイプには、終身年金が2種類と確定年金が5種類ある。

終身年金には、A型とB型があり、いずれも65歳から支給が始まる。

A型は加入者が死亡した場合でも遺族に一時金が支給されるといった保証期間(15年間)があるが、B型には保証期間はない。

また、確定年金は、年金の支給開始年齢、支給期間および保証期間によって、Ⅰ型からⅤ型の5種類ある。

加入者は口数単位で加入するが、1口目は必ず終身年金(A型またはB型)から選び、2口目以降は終身年金・確定年金の7種類を自由に組み合わせることができる。

ただし、50歳1か月以上の人は、Ⅳ型とⅤ型への新規加入・増口はできない。

また、60歳以上の人は、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型、Ⅴ型への新規加入・増口はできない。

 国民年金基金の掛金は、給付のタイプ、加入口数、加入時の年齢、性別によって決まり、払込期間終了まで変わらない。

口座振替で納付するが、1年度分を前納すると割引される。また、掛金には上限があり、個人型確定拠出年金と合計で年額81.6万円まで。

事前に申し出ることにより、2口目以降の加入口数を増やしたり(増口)減らしたり(減口)することができる。また、減らす場合は最初の1口目を減らして口数をゼロとすることはできない。

掛金を前納している場合は、前納した各月分については口数を減らすことができない。

なお、国民年金基金に加入している人は、国民年金の付加保険料を納めることはできない。

○給付

国民年金基金の給付には、老齢年金と遺族一時金とがあり、加入時の年齢等によって受け取る年金額が異なる。

老齢年金の受給開始年齢に達すると、国民年金基金から「年金請求に関するご案内」が届くので、「年金請求書」を提出し、決定を経て年金給付が始まる。

年金額が年12万円以上の場合は偶数月に支給され、それ未満の場合は年1回(決まった偶数月に過去1年分)支給される。

なお、国民年金の老齢基礎年金を繰上げ支給とした場合、国民年金基金の付加年金に相当する部分について減額された額を繰り上げて受給することになる。

○遺族一時金

年金受給前に加入者が死亡した場合には、掛金納付期間に応じた遺族一時金が支給され、保証期間中に死亡した場合には、残りの保証期間の年金を支給するための年金原資相当額が、遺族一時金として支給される。

遺族一時金を受け取ることができる遺族とは、加入者と生計を一にしていた「配偶者」「子」「父母」「孫」「祖父母」「兄弟姉妹」。

なお、保証期間のないB型についても、年金受給前に加入者が死亡した場合には1万円の遺族一時金が支給される。

○税金

国民年金基金の掛金は全額、社会保険料控除の対象となる。

また、年金は、公的年金等控除の適用を受けることができる。遺族の受け取る遺族一時金は非課税。



●○参考●○

すぐに役立つ 入門図解 障害年金・遺族年金のしくみと申請手続き ケース別32書式
https://a.r10.to/hwznM6

図解年金のしくみ第6版 年金制度の問題点を理解するための論点40
https://a.r10.to/hwrgNd

改訂版 遺族年金相談実務ハンドブック
https://a.r10.to/hw1HrP

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