ジュディス・バトラー 『ジェンダー・トラブル』 : 「フェミニズム」とは何か?
書評:ジュディス・バトラー『ジェンダー・トラブル フェミニズムとアイデンティティの攪乱』(青土社・1999年翻訳初刊)
知的刺激に満ちた、とても面白い本だった。
もちろん、「哲学書」である本書を、完全に理解できたなどとは言わない。
ボーヴォワールもイリガライも、フーコーもラカンも読んでいない私では、本書で理解できたのはせいぜい2割程度だろう。だが、その2割は、たぶん著者ジュディス・バトラーが言いたいことの中心に近い部分であるという手応えはあったから、その意味では、満足もし