星空に恋う

突然の別れ、どうか悲しまないで。
鬱や精神疾患は死ぬこともある病気なので。この世は童話やおとぎ話じゃないんだから。死んだら小さな箱に詰められて、冷たい土に還るだけなので。私は美しい花にもお星様にもなれないので。
自殺で死ぬのなら、地獄で永遠に苦しむのかな。
愛する人たちを深く傷つけた罪の罰は想像もつかない程に重く苦しいよね、きっと。

尤も、私は死後の世界など信じていないけれど。
死んだら、心も何もかも全部消えて、真っ暗で、永遠に寂しい”無”だと思っているから。

いつか、イギリスの詩人、クリスティーナ・ロセッティが遺した詩のように、私は明けることもないし暮れることもない、薄暗がりのなかで、夢を見ながら、ずっとずっとあなたのことを憶えていたいし、あなたにもわたしのことを憶えていて欲しい。
でも、あなたには、私のことを弔ったあと、私なんか忘れて幸せな別の人生を歩んで欲しい感情だってある。

もう、限界なんだよ、なにもかも、自分という存在すらも。全てから逃げ出したいけれど、逃げ出した先の闇が、痛みが、本能が、

「まだダメだ、まだこっち側に来ちゃ絶対ダメだよ、やり残したことがあるでしょ」

って叫んでる気がして。
何とか自死を踏みとどまってる。希望っていう白くて細い糸に何とかしがみついている。でも、だんだんと、死への恐怖が日に日に透明度を増していく。希望っていう糸すらも見えなくなって、プツンと切れる日、それが、やっぱり怖くて。もう、どうしたらいいのかな。

今年の夏はずっと泣いていて、涙が枯れるんじゃないかってくらい泣いて、空を見上げることが殆ど無かったな。腫れた目で頭上を見上げる気にも、夜空にまたたく星々を思い出す余裕も無かったから。

地方の夜空は、都会の夜空とは違って、空気が澄んでいて、綺麗な星が肉眼で沢山見える。まるで宝石箱をひっくり返したみたいにね。
デネブ、アルタイル、ベガが結ぶ夏の大三角形、ペルセウス座流星群。お姫様を救った勇者の話に、からす座が飲めそうで飲めないコップ座の話。
あなたは、宇宙や星空好きだとよく言っていて、色んな話を聞かせてくれた。いつか行けるといいね、宇宙旅行。

頬を優しく撫でる静かな夜風のなかで、あなたの声を聴くのが大好き。それが二度と聴けなくなるのは、やっぱり、惜しいかな。

希死念慮さんさぁ、もう私の所に来るのやめてくれないかなぁ?どうして私なの?どうして私に限って?どうして?ねぇ、なんで?私が一生治らない発達障害で、複雑性PTSDで、精神疾患で、生きたい筈なのに死にたくて。今まで何のためにがんばってきたのかなぁ?私も1度だけでも、陽のひかり、浴びてみたかった


でも、真夏の太陽は、私たちには暑くて眩しすぎるし、暑いのが苦手なあなたにとっても大変だものね。だから仄暗い夜空の光が丁度いい。

苦しくて、死にたくて、眠れなくて、どうしようもない夜は
夜空を見上げて、そこに、確かに、煌々と輝く星々を忘れないでね。

たとえ星が見えない夜でも、
心の中にはいつだって、お互いの存在という一等星を持っているから。

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