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1971(昭46)年コミックスの既刊紹介ページで、時代のマンガシーンを回顧(3/3)


動画前半 12分12秒


動画後半 15分13秒


白土三平・永井豪・手塚治虫・楳図かずお・福本和也・一峰大二・さいとうたかを・桑田次郎・梶原一騎・つのだじろう 先生他

「宇宙猿人ゴリ(うしおそうじ・一峰大二)」第1巻(’71初版)の既刊紹介ページで、その時代のマンガシーンを振り返る(3/3)。


虹をよぶ拳
梶原一騎・つのだじろう
69(昭44)~71



・虹をよぶ拳 冒険王 梶原一騎・つのだじろう 先生 69(昭44)~71

一世を風靡した、梶原一騎・つのだじろう 先生、「空手バカ一代」の、前身ともいえる作品ですね。

運動が苦手な少年が、強い空手の先輩と知り合って、自分も強くなりたくて空手を始める物語。



この後71年から77年までロングヒットした「空手バカ一代」ではね、世界中で人気になったブルース・リーのブームもあって、空手が大人気でしたね。

ぼくも運動は得意じゃなかったですが、大分の高校を出た後、熊本の学校に進学して空手部に入ったり、町道場に通ったりしました。



空手ブームと同時期に、アントニオ猪木の異種格闘技戦も当時、大人気で。



80年の、アントニオ猪木 対 ウイリー・ウイリアムスの異種格闘技戦は、プロレスと空手、どっちが強い? と盛り上がりましたね。



ちなみにぼくは、同じ梶原一騎先生の「タイガーマスク」の伊達直人が、物心ついて最初に尊敬したヒーローなので、プロレス派でした。



アントニオ猪木、格好良いなあ・・。

マンガの話から、ちょっと脱線しましたけれども。

でも、文化と、その時代の流れって、やっぱり密接に関わりあっていますよね。



ミイラ先生
楳図かずお
1967(昭42)



・ミイラ先生 67(昭和42)少女フレンド



うあー、来ましたねー。

69年の「おろち」から後は、ぼくは怖いというより、感動する気持ちの方が強かったりするんですが、

初期のものは、・・初期といっても、たった2年の違いですけども・・読んでいたこちらも小さかったということもあって、

恐怖の気持ちが生々しく蘇ってくるんですよね。



うわー‥。



幼稚園、じゃなくて当時保育園の年長組でしたけど、保育園の隣の公民館に、くっついた部屋がありまして、・・



・・そこにひとつ年上の小学生のお兄ちゃんが住んでいたんですけどね。おばちゃんと。その部屋に、ミイラ先生がありまして‥。・・



今みたいに明るい部屋の作りじゃなくてね。‥そうそう、本を読んだ記憶って、本の中の世界だけではなくて、

その時の周りの状況とかも、セットになって、記憶に残っていないですか?



で、なんだか薄暗いその部屋で、さらに暗い紙面から、ミイラがうめき声を出す分けですよ。もうね、うわああーという位に怖くて。



だったら読むの止めろという話なんですが、もうね、魅入られてしまったみたいに、逆に止められないんですよ。

ああ、今の、は、駄洒落じゃないですからね。



初期の楳図かずお先生の作品といえば「へび女」とか「きつね憑き少女」とか諸々の少女マンガ連載物をその頃、

親戚のお姉ちゃんの家で読んでるんですけど、「なかよし」とか「少女フレンド」とかかな、・・



・・もちろんそれも怖かったですけど、年長のお姉ちゃんが達3人いて、お兄ちゃんもいて、とても華やかで明るい雰囲気だったので、

「ミイラ先生」よりもダメージが少なかったです。「ロマンスの薬あげます」という、楳図かずお先生の学園コメディもそこで読んだし。



何だか、本のレビューじゃなくてただの思い出語りになってますね。



魔神ガロン
手塚治虫
1959(昭34)~62

バンパイヤ
手塚治虫
1966(昭41)~69



・魔神ガロン 冒険王59~62

・バンパイヤ 少年サンデー66~67 少年ブック68~69



手塚治虫先生の作品でも、やっぱり怪物が出てくるお話が好きですね。

バンパイヤは全3巻で、1、2巻は少年サンデー66(昭41)~67年連載の第1部ですね。

その後第2部が少年ブックになって68~69年の掲載ですが、まだまだこの時点では2巻までの刊行。



また、バンパイヤの単行本は、全3巻を分割して全4巻にした、これより新しいバージョンもあるそうで。



こちらは分割前の全3巻の方の、1、2巻ですね。昔のコミックスは、1冊が今よりもページ数多くて分厚いですから。



魔神ガロンの方、こちらは、購入したのは96(平成8)年の第46版なのでピカピカですけれど、

内容は、68年(昭和43年)度版のまま、322ページ。分厚いです。



今回ね、これらのお話をするために、魔神ガロンも、連載年とか正確に調べようとしましたら、何だかね、これも、2巻だか5巻だかあるということで。

いくら何でも、これを分けると、1冊が薄すぎますよね。なので、よくよく調べてみると、この後に、知らない話が続いている・・?

これが第1部ということで、2部があるそうなんですよ。全くの初耳でした。



どうも、手塚治虫先生が当時御多忙すぎて、どうやら代筆とされる部分が結構あるそうで、

手塚先生が無くなられてからも、しばらくは封印されていたということなんですね。道理で、知らないはずです。



ただ、こちらのですね、現在、「第1部」、扱いになるんですかね、ラストシーン、その当時の怪物ものSFとしては、

ま、流行りや定番というわけでもないのですけれど、割と、ありがちな終わり方で。‥ネタバレはしませんけどね‥

ただ、凄くもの哀しい、余韻があって・・。幼稚園の時に読んで、ちょっと哀しく、切ない気持ちになりました。



それから50数年が経って、あれ? 続きがある? しかも、そんな形で? となると、

‥手塚治虫先生が、単行本化、文庫本化の際にどんどん描き直しをされること自体は、知ってはいましたけれど・・



あのラストシーンも、カットされちゃってるそうで・・。

えー、これ、小さい頃からの、ぼくの切ない気持ちを、一体どうしよう? ・・と、ちょっと、複雑ですよね。


ここまで観ていただいて、ありがとうございます。

単行本を購入する時に、ぼく初版とか全く意識していなかったですけれど、

たまたま持っていた場合は、こんな風に当時刊行されていた人気マンガと、背景を、振り返ってみるのも割と面白そうですね。

ではまた、お付き合いくださいね。


おまけ
スペクトルマンの80年代の事情
80年代ヨーロッパで最も有名な日本人トップ3


スペクトルマン、人気番組でしたので、古本くらいいくらでも手に入るだろうと思ってたんですけどね、何しろテレビの再放送が全くなかったもので、

ま、大分以外ではあったのかも知りませんけども・・。ぼくみたいなマニア以外からは忘れ去られてしまったのかなと、思ってました。

そうこうしてる内にですね、「宝島」というサブカル雑誌に、80年代の中盤過ぎかな、「スペクトルマンがフランスで大人気」という記事がありまして。

なんでもピープロがお金に困って海外に売り飛ばしてしまった? みたいな。

ちょっと、ぼくの、その時の記憶違いかもしれないんですけどね、今、ここにDVDもあるし。

当時は、もうだから日本では二度と見られないのかー! と結構落胆しましたね。

今みたいにインターネットもなかったですしね、情報の入れようがなかったです。


余談ですがその頃の宝島で覚えてるのは、同じくフランスで、永井豪先生のグレンダイザーが凄い人気で、視聴率80パーセントとかでしたっけ?

で、ヨーロッパで最も有名な日本人トップ3、「ジャッキー・チェン、坂本龍一、永井豪」だったそうですよ。ジャッキー・チェンは日本人と思われていたんですね。



動画前半 12分12秒


動画後半 15分13秒


今回の参考資料

虹をよぶ拳
梶原一騎・つのだじろう
サンデーコミックス

プロレス 緊急増刊
格闘技世界一決定戦 (アントニオ猪木vsウイリー・ウイリアムス)
ベースボールマガジン社

ミイラ先生
楳図かずお
サンデーコミックス

バンパイヤ
魔神ガロン
手塚治虫
サンデーコミックス

宇宙猿人ゴリ
うしおそうじ・一峰大二
サンデーコミックス


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