日々子

いつのまにか3人の子供たちも育ち 自分の時間が持てるようになったと思ったら 両親、義母…

日々子

いつのまにか3人の子供たちも育ち 自分の時間が持てるようになったと思ったら 両親、義母の高齢化や老朽化した夫の祖父の 洋館の改築計画など日々に起きる出来事の中での 気づきを綴ります。

最近の記事

選んでいいの?    涙の告白②

娘とやっとわかりあえた気がして 嬉しかった。 テレビドラマだと、 子供が見違えるようにイキイキとして、 目を輝かせて学校に駆け出していく シーンが映し出されたりするところ。 もしやそんなシーンが見られるのでは、と ちょっと期待した。 思えばずっと長女の行動は 理解できなかった。 他の子供とも違いすぎて その反応が予測が出来ずにいた。 小学校に通いはじめた時も、 「早く行かないと遅刻するよ。  先生から叱られるよ!」 と言えば、 「怒られればいいだけじゃなーい。」 と、

    • 選んでいいの?涙の告白

        気がつけば、長女からこの台詞を聞いて、 すでに7年の月日が経っていた。 その日の事を、今でも映像付きで覚えている。 長女が高校1年生だった、ある秋の日、 学校の先生から電話があった。  「お母さん、Yさんが二者面談を受けて   くれないんですよ。。   呼びに行っても逃げて回って〜。   何か、聞かれていますか?   この二者面談で『文系』『理系』の   クラス分けをするので   決めてもらわないと困るんです。。   ご家庭でも、どうしたいのか   聞いてみていただ

      • 秘密基地

        なぜ男子は 秘密基地が好きなのか。 子供の頃は女子だって 1度くらいは秘密基地で 遊んだ思い出も あるとは思うけれど 男子の思い入れとは だいぶ違うようだ。 息子も小学校3年には 秘密基地という言葉に魅せられていた。 地元には大きな神社と 周辺に広い公園があった。 階段を登っていく周囲の斜面には 周りから見えにくい 場所がいくつもあった。 格好の秘密基地になった。 当時流行っていたポケモンカードや お菓子を持ち込み 男子数人で その場所で遊ぶのが 日課になった。 も

        • 折り紙

          長椅子に座っているおじいちゃんの 膝の上は いつも息子の特等席だった。 幼稚園の制服を着たまま、 おじいちゃんのひざの上でする おしゃべりは はたから見ていても しあわせそのものだった。 心臓にペースメーカーを入れている おじいちゃんの左胸は 盛り上がって硬くなっていた。 だから抱っこしても ここには頭をのせないようにと、 息子にも話していた。 ある日おじいちゃんが 嬉しそうに語った。 ◯ちゃんが、 「おじいちゃんのお胸には  キカイが入っているんでしょう?」 「そ

        選んでいいの?    涙の告白②

          忘れん坊大将

          玄関に出て驚いた。 ランドセルが置いてある。 黄色いカバーがついた 息子のランドセル。 ウソ。 ランドセルを忘れる? マンガみたいだ、と思った瞬間。 玄関の扉が開いた。 「お母さーん。忘れた!帽子、帽子。」 その言葉に更に驚く。 「帽子より、ランドセルでしょ⁉︎」 「えー。帽子忘れたんだけど。  ランドセルはからってるよー。」 本気で言ってるのかな? 「後ろ見て。」 「からってるから、れれれ? あ、帽子あったけど、ランドセルない⁉︎  おかしいなー。

          忘れん坊大将

          雨上がりの傘

          また折れてる。 息子の傘はひと月ともたない。 本人は何も言わないけれど 開いてみると折れている。 「なんで?どんな使い方しているの?」 「うーん、わからん。」 と、首をかしげる。 ある日の午前中、 どしゃぶりがあがった初夏の 眩しい昼下がりのこと。 狭い道路を家路に向かっていた。 車の少ない道路だから、 水たまりもできていて、 跳ねないようにスピードを落とす。 うん? 左の曲がり角の先に何か見えたぞ。 男の子の姿だった。 くるりと曲がりもう1度来た道を戻り、 左

          雨上がりの傘

          2月は逃げる

          冬山に置いてきぼりにされるている、 そんな気持ちになる寒さだった。 家の中が寒すぎる。 昨年が暖かったのか、 今年が寒すぎるのか。 好きになりつつあった家の中が 本気で対策しなければ おばあちゃんになったら 住めないかもと 危機感を覚える。 廊下から見える地面も 丸見えの天井の枠組みも 通気性でこの家を 維持してきたとしても 寒さの根源と思うと 悩ましかった。 本当は自宅を 改装したかったのに。 のに。 そうはいかなくなっていた。 昨年から 浮上した計画があ

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