見出し画像

偉人の置き土産:Max Romeo & The Upsetters ‎– War Ina Babylon

2021年の夏に高円寺の「Zakka shop Meu」に遊びに行ったら店主がこのアルバムを店内のBGMとして流していた。私はレゲエを全く知らないので、これはとてもいいですね、と間の抜けた感想を述べると、それでも店主は嫌な顔ひとつせずにリー・ペリーの仕事であることを教えてくれた。

その日はこのレコードを買わずに帰ったが、夜中にTwitterを見ていたらリー・ペリーの訃報が入ってきた。翌日、このレコードがまだ残っていることを切に願い、逸る気持ちを抑えきれないまま「Zakka shop Meu」に行き、これを買った。ダブの神様(「ジャー」と呼ぶのが適切かもしれない)というものがいたとして、私はその神様に導かれ、この作品に巡り合ったのだと思う。

少し大きめの音量で、身体に浴びるようにして聞くとそのサウンドの美しさを味わえる一枚。私と同世代(40代半ば)の人であればプロディジーが1992年にリリースした「Out of space」でサンプリングしているA3を知っている人は多いはず。


この原稿の初出は2022年2月のInstagramの投稿で、それを加筆修正してここに投稿している。

夜中にTwitterでリー・ペリーの訃報に触れたときの不思議な感覚は今でも覚えている。この日に起きたことは単なる偶然であるにせよ、私はこうした偶然を結構大事にする方だ。リー・ペリーはバビロンを脱出するときの置き土産として、私をこのレコードに導いてくれたのだと思っている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?