孕む (2016.8)
指の関節を鳴らしすぎたために節くれだった手になったのかもしれない、やめなさい、といわれていたのを無視してつづけてしまったのは、やめなさい、と怒られることでははおやの注目をあびることができるというあまやかな幼児的願望のはてであったのだろうか、それとも存在の嫌悪、とでもいうべきものがからだからふつふつと沸きたつため小骨折をひきおこすことでかろうじてふさぎこんでいたのか、わかるはずもないことを車輪のついた直方体の箱にとじこめられてひたすら運ばれてゆくあいだにかんがえるのが好きで、網