散布図__1_

ファッション×統計3 ダウンジャケットと天気の相関係数

統計の本に出てくるようなことを書いていなかったので、今回は単回帰分析を行う。

調査項目

ダウンジャケットの需要と天気には関係があるのかどうかを調べる。

調査方法

グーグルトレンドにて「ダウンジャケット」の注目度と気象庁から取得した天気のデータを散布図にして、単回帰分析を行い、相関係数を出す。

注記:東京都の12月のデータを使用する

調査結果

平均気温・最低気温・昨日や翌日の気温・1日の中での気温差などの項目とグーグルトレンドとの散布図を作成したが、
相関係数(=当てはまり具合)が最も高かったのは、最高気温。(注1)

最低気温(相関係数0.239)でも平均気温(相関係数0.367)でもなく、最高気温(相関係数0.445)との相関が最も高かったことは、
天気予報での表示には平均気温がなく、最低気温も人が活動していない4時あたりの値であるためかもしれない。

線型方程式は、

(グーグルトレンドでのスコア) = -3.4×(最高気温)+97.5

気温が10度変わるごとにダウンジャケットの関心度が3分の1ほど増減するというありふれた結論になった(注2)

調査結果2

次に、相関係数は低いものの示唆のあった2つのグラフを紹介する。

風の強さとダウンジャケットの検索数には相関は見られなかった。
もしかすると、ダウンのキャッチコピーに「風を通さない!」と謳っても、東京都では需要喚起の効果がないのかもしれない。(注3)

最高気温ほどではないが、気温が何日連続で下がり続けているかとは弱い相関が認められた。
2日以内の場合は関心度にバラツキが強いが、3日連続で気温が下がった日は平均以上の関心度(計算すると56)があるため、このときを狙ってのダウン訴求のメッセージ配信は効果があるかもしれない。(注3)

結論

ダウンジャケットの検索数に関して、東京都の12月に範囲を限ると、

最高気温が低くなるほど、検索数は高まる
風は強くても弱くても、検索数には関係がない
3日連続で気温が下がると、検索数は高まる


※以下に調査時に使用したスプレッドシートを添付する

注記

(注1)
インターネットの記事では、相関係数R2乗の値は0.7以上あると当てはまり具合が強いと書かれることが多いが、
私が職場で単回帰分析を実施している範囲では、相関係数は0.4すらあまり出ることはない。(統計分析の経験が足りないのかもしれないが)

(注2)
最高気温とダウンジャケットの検索数に相関があるとは言えるのは、今回の調査範囲である12月だけである。
1月以降の気温が毎日下がっているタイミングでも、これが当てはまるかは別途調査が必要である。

(注3)
「ダウンジャケット」の検索との相関のあるなしは示したが、ダウンジャケットの購入との相関はまだわからない。検索の目的が、購入なのか着こなしの確認なのかは見極める必要がある。

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