見出し画像

ファッションの手抜きは足元から始まる?家計調査からみるファッション。

人はファッションをケチりだすとき、足元から切り詰める。

おしゃれは足元からとはよく言うが、この格言はなかなか正しいのかもしれない。総務省の統計局が提供しているデータを使って、ファッションにかけるお金に関して調べてみた。

この中の家計調査年報(家計収支編)2018年の単身世帯(勤労者)のデータを使用する。さっそく、2011年から2018年までの1か月あたりの被服費を見てみると、

キャプチャ

被服費は1,000円近くがこの7年間で落ちたことがわかる。10%ほど単価の安いものを買うようになったのか、あるいは年間にすると1.2万円なので、パンツあたりでも買う量が減ったのかもしれない。

参考までに、収入と通信費も載せている。
収入が減少していないにも関わらず、ファッションにかける費用は減っているようであり、ファッションにかける費用はその分、通信費(定額配信系やスマホへの課金だろうか)に回されていると思われる。

ファッション代の内訳

キャプチャ

さて、ファッション系の項目は、以上の観点で細かく分類されている。
このうち、いくつかの項目を分母を「被服費」として費用の内訳を%化してグラフにした。

画像3

すると、洋服(青線)への出費の割合は、そこまで大きく変わっていないことがわかる。むしろ、2016年からは上がっているようだ。
シャツ・セーターや下着類も、実需性が高いせいか大きい変化はない。

しかし、履物代(と被服関連サービス)はその額を下げていることがわかる。履物代とは、つまりシューズやブーツの費用である。

2011年と2018年を比べると年間3,000円程度減額している。
この期間、単価が安めのスニーカーが売れなくなったとは話を聞かないため、この差は靴の単価を切り下げたかのではないか?と推測している。

反論 スニーカーブーム

反論として2015年ごろから継続しているスニーカーブームを挙げる人がいるだろう。単価が高めの革靴から、安めのスニーカーの乗り換えが発生したのではないか?と。

この説も十分にありえると思う。
しかし、そのスニーカーブームに伴って、ファッション全体もカジュアル化したと記憶している。シャツがTシャツに切り替わったように思う。
しかし、シャツ・セーター類への費用は靴ほど落ちていない。

よって、スニーカーブームだけではすべてを説明できず、靴代をケチった層もいるのではないか?と推察した。

おしゃれは足元から

この格言は、ファッションを考えるときについ足元をどうするのかに気が回らなくなりやすいという意味だと思っていたのだが、
どうやら金銭的にも、最初にケチられて、最後に投資される要素なのかもしれない。


お金を稼ぐということが大変だということを最近実感しています。サポートいただけると幸いです。