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震災と侵攻と

3月11日の新聞の一面。

「アタマ」と呼ばれるトップ記事には、ロシアによるウクライナ侵略の被害をまとめた表が、「カタ」と呼ばれる二番目の記事には、震災の被害をまとめた表が載っていた。

かたや戦争。
かたや自然災害。

全然違うようにみえて、多大な犠牲を払うという点ではなにも変わらない。

そして震災は、進行中の戦争よりもずっと大きな犠牲を生んでいた。


あれから11年。最近もなお、避難生活のストレスや体調悪化が原因とされる「関連死」は報告されていて、震災の死者の総数はいまも増え続けている。

また、東日本大震災は、自衛隊が創設されてもっとも多くの隊員が動員された。その数、当時の隊員総数の半分にあたる約10万人。延べ人数では1000万人になるという。


そして、アメリカ軍は日本への復興支援を日米同盟史上最大の作戦と位置づけ、2万4000人を動員した。


訓練や演習でもなく、災害が過去最大の作戦となったとは、やはり日本は災害の国だということだろう。

また気象庁は昨年から、あの日の地震と同じ震源域で発生した地震について「余震」との表現を取りやめると発表した。
宮城県沖などで再び大地震のリスクが高まっているなか、余震の表現によって今後は安全だとの誤解を与えかねないからだという。


震災はいつかまた必ず訪れる。その点は確実に一国の独裁者が倒れたら終わりの戦争とは違う。

他方で、かのロシアは極めて地震が少ないらしい。国土の広さと地震発生数の割合では、世界トップクラスの少なさだとか。

となると、普段から天災の脅威にさらされてないからこそ、争いをしようとする「気」が起きてしまうのかもしれない。

もしロシアが災害大国ならば、こういうことにはなってないかも。

平穏に暮らせれば生きていられたかもしれないのに、それを自らぶち壊しにいくとは…。

人って愚かなものね。

主語が大きくなることを承知でいえば、この戦争に日本国民が妙に冷めてるのは、この「愚かさ」に対する感情の発露なのかもしれない。

そんなことをふと。

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