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妊娠、そして流産

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新しいいのちがあったことを忘れないように
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#稽留流産

あれから2年

流産手術の経験をし、そしておこめちゃん(胎児ネーム)の出産予定日からおおよそ2年の月日が経った。

わたしはもしもの話がすきなので、存在しない世界の想像を時々する。今だったらどのくらい成長していて、このくらいの身長で、このくらい話していて、とか。

実際に生まれていたらわたしは2歳児の母だった。いまは到底信じられない。その現実はここにないから勿論信じるもクソもない。

実際は存在し得ないから、選ば

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子どもを今は産まないという選択

1年前までは結婚したらすぐに子どもが欲しいと思っていた。結婚式やハネムーンをしたらすぐ子作りをするのが自然な流れだと思っていた。

けれど今は、夫との時間や自分のやりたいことを考える時間が欲しい気持ちが強くなった。

流産をきっかけに、自分のことを振り返り見直す余裕が出来たからということと同時に、子どもが実際にからだにできてみて自分の時間が無くなるかもしれない恐怖・不安が現実となったからだと思う。

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退院と仕事復帰

退院翌日。水曜日。
事務作業なら大丈夫と、仕事に復帰。もちろん医師にも聞いてOKだったので普通に通勤した。

と、からだを動かしてると出血がどんどん増えてくる。事務作業といえど社内で歩くことはあるので、そのたび腰に石が乗ってるように重たい。

これって出血量多いの?少ないの?元助産師だけに大混乱。よくよく考えたら退院後の出血量がどれくらいが正常かなんて知らない。これで少なかったら恥ずかしいという気

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手術が終わってから

手術が終わってから麻酔が溶けるまで、時間のほどは分からないがとにかく頭を少しずつ上げていくも頭痛と吐き気に襲われてなかなか座る姿勢になれなかった。

夜勤の看護師にチェンジする頃、夕食配膳のタイミングでも頭を上げるととにかくぐわんぐわんしてしまい、気持ち悪くなり、頑張って夕食食べるも嘔吐。あんなにご飯を楽しみにしていたのに。夫にこんなに吐いてるの初めて見たと言われるくらいオエオエしていたそう。自分

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手術当日

2018年5月7日。
この日がこの子の命日となる。

すでに命はないのだけれど明確な日にちが分かるわけもないので手術日を命日にするしかない。そもそも生まれていないから命日ですらない、のか?

細かい事は置いておいて、GWは近場で水族館や美術館、海に行ったりしてなんとなく思い出づくりというか、行きたいところに行きまくった。そして仕事を休み5月7日を迎えた。

わたしの行った病院では流産手術は1泊2日

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結婚記念日と診断

前回の妊娠の診断から2週間が経ち、4月21日。この日は夫との結婚1周年記念日だった。偶然にも、心拍を確認する日がこの日となった。

つわりと言える症状もなんとなく出てきたのか、食べ過ぎると気持ち悪くなり、食べなかったら食べないで気持ち悪い。胃がずうっとムカムカしている。吐くまではいかないが、なんとなくオエッと出そうな時もある。基本的には夜がめちゃくちゃ体調が悪くなりやすかった。夜はコンビニで食べれ

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紹介先の病院へ

4月21日に稽留流産かもしれない、と言われてから4月23日に紹介先の病院を予約しようと電話をした。そしたらなんと、5月2日まで予約がとれないという。そうだ、世の中はGW直前なのであった。

GW中に瀬戸内海へ行こうと計画をしていたが、全部キャンセル。GW明けの5月12日には友人の結婚式もあったが、飛行機は妊娠が継続していても怪しい時期なため、理由を話してキャンセルにした。この時期で稽留流産というこ

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