みさ

感情の記憶をつぶさに見つめ、愛しい日々を抱きしめるために、文章を書きます。

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    感じたことの軌跡

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    下北沢にまつわる文章

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波を乗りこなしたり、飲まれたり

今まで、12月が1年を振り返るべきタイミングになることってぶっちゃけあんまりなかった。 生まれてこの方日本で暮らしているので、学校の学期も会社の期も、順当に3月に終わる。 よって、私の人生の区切りもだいたい3月にやってきていた。 でも、今年だけはちがった。 2020年12月 私はSHIMOKITA COLLEGEという場所に引っ越した。 この時点からの1年間は、私の今までの人生の中でいちばん、変化の波にもみくちゃにされるものとなった。 コロナ禍で何も動かなかった1年

    • 夢の中

      思い返すと、ぜんぶ夢だったんじゃないかって思う。 「おはよう、今日もかわいいね。」 しなやかに、凛と立とうとするあなた。ワイン片手に話し込んだり、チャミスル片手に酔っぱらったり。何度も見透かされ、救われた。 「またパスタ?芸がないなあ。」 自分の好きに夢中で、いつも淡々と青い炎燃やしてて、きっと、私の話をいちばん聞いてくれたあなた。海を越えた遠いところでは、パスタ以外も食べてるのかな。 「あ!春だ。春の、風。」 料理できるの、隠してたよね。あなたの感性から繰り出さ

      • ごきげんのつくり方

        最近、気づくと息が止まっている。 いや、こうして元気に文章を打っているので、もちろん呼吸はできている。 けど、日々災害や疫病、人間関係や仕事のストレスに晒され続け、背中や腰が丸まり、筋肉は収縮し、どんどん呼吸が浅くなっていく。 そんな中さらに追い打ちをかけるように、巷では人生100年時代が叫ばれ、 自己へのフォーカスが強まり、「市場価値を上げろ!」という声があちらこちらから聞こえてくる。 いつのまにか資本主義レースに強制参加させられているのもなかなか苦しい。 解せない。

        • 下北沢在住者のローカルテイクアウト日記

          春はあけぼの。 朝の散歩が気持ちいい。 木々は青々と生い茂り、緑道沿いのツツジの花は色鮮やかに咲き誇っている。 その風景とは不釣り合いな、マスクをつけて歩く人々を見て、現実を思い出す。 私は下北沢に住んで3年目になる。 卒論が書けなくてウンウン唸っていたときも、会社員になって自分らしくいられなくなったときも、支えてくれたのはこのまちのおいしいご飯と楽しい空間だった。 そして今、1K6畳の部屋から出られないストレスフルな日々でも比較的ごきげんでいられるのは、紛れもなく、ハイ

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          バカみたいにまっすぐなあの子と私

          「みさが振られるとかまじ意味分かんないんだけど!!あんなにずっと大好きだったのに!!」 バレンタインの次の日のお昼休み、その子は叫びながら泣き散らしていた。 正直引いた。 だって、真昼間の教室だよ? 高校2年の冬。 「来年から受験生か〜、やりたいこととかないし、まじ無理だわ〜」 しんしんと降り積もる雪を横目に、お弁当を口に運ぶ。 間近に迫ってくる「進路」とかいう何かに少しの恐怖を覚えながらも、 代わり映えのない昼下がりの時間を過ごしていた。 そんな折、何気なく

          バカみたいにまっすぐなあの子と私