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性転換って何するの?性別適合手術の種類と選び方について【MtF 男性→女性の場合】

こんにちは、ねみです。先日、性別適合手術を受けてきました。
今日はその性別適合手術(性転換手術)の種類について簡単に説明したいと思います。これから手術を受けようかなと思っている方は参考にしてください。また、そうじゃない方も「性転換ってこういうことするんだー」って知ってもらえればうれしいです。

性別適合手術とは?

性別適合手術、性転換手術なんて言ったりもしますが英語では
Sex Reassignment Surgery 略してSRSって言います。
ざっくり言えば望む性別の性器に作り替える手術のことです。

手術の内容ですが、男性から女性の場合には大きく分けて2種類あります。
造膣ありの女性器形成
・膣無しの女性器形成
簡単に内容と、メリットデメリットを説明していきますね。

◆造膣ありの女性器形成

女性器形成で膣まで作っちゃいます。(すごいですよね!!)
膣の作り方で3種類くらいバリエーションがありますが、それはあとでご紹介しようと思います。

○メリット
挿入を伴う性交渉ができる

△デメリット
膣を維持するのが大変
費用が高い(150~300万円くらい)
合併症の可能性が上がる
入院期間が長い
術後の回復に時間がかかる(術式にもよる)

◆膣無しの女性器形成

外性器の見た目のみの手術です。

○メリット
メンテナンスが楽
手術費用が比較的安価(100~150万円くらい)
入院期間が短く回復も早い
国内の美容クリニックなどでも可能

△デメリット
挿入を伴う性交渉ができない
後から膣あり手術を受けることもできるが、術式が限られる。

え?膣ありのメリット1個だけ??って感じですよね。ぶっちゃけホントにこの1個だけだと思います。
そしてこの1個のメリットのために膣を維持するダイレーションという作業を半永久的に行わなければなりません!

人工的に作った膣って体にとっては傷みたいなものなので、塞ごうとしてしまうんです。それを、シリコンや樹脂でできた棒で拡張することで維持します。ちょうどピアスの穴のようなものだと思ってもらえれば分かりやすいと思います。

このダイレって作業ちょーめんどいなって思うんですけど、それでも穴欲しいじゃないですか?そう思う方は造膣ありで行きましょう。特に若い方は、気になる彼といざ!ってことあると思うんですよね。そんな時にあったほうが後悔しないんじゃないかって思います。

ダイレーションに使う棒はこんな感じ。
数字はインチ表記で、6だと15.2cmくらい

性別適合手術(膣あり)の術式について

さっき書いたように膣ありの場合、大きく分けて3種類の術式があります。
・反転法(陰茎陰嚢皮膚移植法)
・S字結腸法
・腹膜膣形成術(PPV法)

◆反転法(陰茎陰嚢皮膚移植法)

文字通りちんちんとたまたまの皮膚を使って膣形成します。
一番昔からある術式で、経験者も多いはず(?)

○メリット
手術費用が比較的安い
お腹を切ったりしないので傷跡が少ない
手術の負担が少なく、術後の回復が早い

△デメリット
陰茎陰嚢のサイズによっては深さの確保が難しい場合がある
S字結腸やPPVほどの深さは作れない(~13cmほど)
縮みやすいのでダイレーションをしっかりと行う必要がある
ダイレーション時の痛みが強い場合がある

◆S字結腸法

S字結腸の一部を切り取って膣として使用します。
これも性別適合手術では結構歴史のある術式です。
開腹で行う場合と、腹腔鏡で行う場合で若干値段が変わります。

○メリット
陰茎陰嚢のサイズに左右されずに深さを確保できる(17~18cm)
反転法よりも分泌液が多いため潤滑性がある(個人差あり?)

△デメリット
お腹に傷跡が残る(開腹と腹腔鏡で差がある)
手術費用が反転法より高い
術後1年くらいは腸独特のニオイがする場合がある
オリモノが多いためナプキンを使用する必要がある

◆腹膜膣形成術(PPV法)

私が受けた術式です!
腹膜というおなかの内臓を包んでいる膜を引っ張り出して膣にします。元々は生まれつき膣の無い女性(ロキタンスキー症候群)のための手術として生まれた方法を性別適合手術に応用したものらしく、ここ数年出てきた新しい方法です。(S字結腸法も元々はそうらしい)
詳しく見たい方はリンクを参照してください。

○メリット
反転法よりも深さのある膣を形成できる(15cmくらい)
お腹の膜なので、自己潤滑性がある
腸を切らないので、術後の回復が比較的早い

△デメリット
お腹に腹腔鏡の傷跡が残る
手術費用が高い
オリモノが多いためナプキンを使用する必要がある
腸閉塞や血腫といった合併症の可能性がある
新しい術式なので、経過のレビューをなかなか聞けない


それぞれメリット、デメリットが色々あって、どの術式が一番いいのかは正直よくわかりません。他の方の体験談を聞いても普通は1回しかこの手術を受けないので、自分の術式の話しか出来ません。なので単純比較できないんです。

簡単に書けば、一番安くて歴史があってオーソドックスなのは反転法、最も深さが作れて日本人の体験談も多いのがS字結腸、新しい術式だけどメリット多めの良いとこどりがPPV法といった感じでしょうか?

ちなみに私は最初PPV法を知らなくて、S字結腸法を受けようと思ってました。前の記事で書いたように睾丸摘出をしていて陰嚢が縮んでいますし、もともとのちんちんのサイズが…小さくて…

最終的に腹膜膣形成術(PPV法)を選んだのですが、選んだポイントは
・ちんちんが小さくても長さがそこそこ作れる
・自己潤滑性があるらしい(自然に濡れてくれるかも??)
・腸を切って使うのはちょっと怖い
・においがするのは嫌
・新しい術式ってなんかちょっと面白そう
って感じです。

手術をどこで受ける?海外(タイ)or国内

性別適合手術を受けるためにもう一つ考えなきゃいけないことがあります。それは手術をどこで受けるのか?ということ。え??国内じゃないのって普通思いますよね。実は圧倒的にタイで受ける人が多いんです!

◆タイ王国

タイってめっちゃニューハーフの方多いですよね。性転換大国!
病院は日本人だとガモンホスピタルで受ける方が多いと思います。ここだと膣無し、反転法、S字結腸法、PPV法すべて選べます。ほかにもスペシャルな反転法として有名なスポーンクリニック。よく聞くのはこの2つです。ちなみに私はガモンホスピタルで受けました!

○メリット
圧倒的に症例数が多いので安心!!
海外からも手術を受けに来ている方が沢山いる
PPV法が選択できる(国内だと反転、S字のみ)
手厚い入院体制、退院後も病院併設のホテルで安心
国内に比べて予約待ちが少ない
退院後は観光ができる(体調による)
同じ病院で顔の整形も受けられ、安価

△デメリット
言葉があまり通じない(英語は微妙で基本的にタイ語)
ほとんどの場合、アテンド会社にサポートしてもらう必要あり
帰国後にトラブルがあった場合すぐに対応できない

◆国内(大学病院など)

有名なところだと山梨大学医学部付属病院などでしょうか。正直に言うとタイで受けることしか考えていなくてあまり調べていません。

○メリット
国内で受けられる
日本語が通じるので安心できる
術後のトラブルも国内なのですぐに相談できる

△デメリット
症例がタイに比べ少ない
受けた人も少ないので体験談を聞きにくい
予約待ちですぐに手術できない場合がある
PPV法は受けられない。

◆国内(美容外科など)

正直、これはあまりお勧めしません。なぜかというと、国内のとある美容クリニックで性別適合手術を受けた方が、タイに修正手術を受けに来ていたからです。手術したクリニックでは修正できないと言われたそうですが、タイではめっちゃ綺麗に修正されていました!(見せてもらった)
膣無しであれば体験談をたまに聞くので大丈夫かもしれません。

○メリット
比較的すぐに受けられる

△デメリット
あまり安心できない
入院体制が無く、術後すぐにホテルに移動しなければいけない
クリニックごとの技術力の差が大きい

まとめ

性別適合手術の術式と受ける場所、それぞれのメリットデメリットについて比較してみました。記事を読んでいて「手術費用が結構高いな」って思いませんでしたか?それもそのはず、基本的には保険適用ができないのですべて自費になります。超つらいですよね。私もタイでPPV法とその他ちょっとした手術を受けて合計300万円以上かかりました。車買えちゃいます!街中を走っていて目に入る中古車、全部「私より安いわ」って思うようになりました。

望む性別になるために避けては通れないこの手術。一回やってしまえば後戻りはできない難しい選択ですので、自分の資金やライフスタイルをよく考えて選びましょう。この記事がその選択の参考になれば嬉しいです。また、PPV法は比較的新しい手術なので、体験談が書いてあるブログとかが全く見当たりません。なので今後、術後経過などのレビューを記事に出来ればいいなと思っています。

次回は、実際に私がタイで性別適合手術を受けた時の体験談を書いていきます。ツラかったけど楽しかった思い出です。忘れないうちに書かなきゃ…。

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