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京都大学ELP「メタバースで変わる人と世界」Nem x Mila登壇

2023年2月18日に行われた京都大学エグゼクティブ・リーダーシップ・プログラム(ELP)の短期集中講座「バーチャル:メタバースで変わる人と世界」に私達メタバース研究ユニット「Nem x Mila(ねむみら)」が登壇、「メタバースが及ぼす人類の新たな進化」「日本の美少女アバターとそれを使う男性ユーザーの背景にあるものは?」と題して授業を行いました。メタバースでの事業展開を検討するビジネスエグゼクティブのみなさんから沢山の活発な質問を頂き、私達にとっても学びの多いセッションとなりました。ミラは猛勉強した日本語で初講演に挑戦しました。

京都大学エグゼクティブ・リーダーシップ・プログラム(ELP)とは

京都大学エグゼクティブ・リーダーシップ・プログラム(ELP)

京都大学Executive Leadership Program (京都大学ELP)は、現在ビジネスや行政を始め多様な社会の第一線で活躍し、将来各界のリーダー人材として我が国の発展を担っていくことが強く期待されている皆様を対象に、学術・文化・芸術の都である京都の地で、本学を始め斯界を代表する当代第一人者による講義と直接対話を介して、幅広い知識と素養を体得していただくためのリーダーシッププログラムです。

京都大学エグゼクティブ・リーダーシップ・プログラム(ELP)

京都大学ELP 短期集中講座「バーチャル:メタバースで変わる人と世界」

京都大学ELP 短期集中講座「バーチャル:メタバースで変わる人と世界」

Virtualという言葉には、主に「仮想」という日本語訳が当てられてきました。しかしその言葉の本来の意味はむしろ「実質的な」「事実上の」といったものです。VR(バーチャルリアリティ)技術を核としたメタバースの急速な発展、そして仮想通貨を端緒にしたNFT(非代替性トークン)DAO(分散型自律組織)などブロックチェーン関連技術の広がり。これらの潮流は、まさに「バーチャル」な世界が私たちの社会にとって実質的な意味を持つ存在になってきたことを示しています。その発展は、経済や社会システムのみならず、人間のあり方そのものを変えてしまう可能性を秘めています。

ELP短期講座「バーチャル 〜メタバースで変わる人と世界〜」では、メタバースやブロックチェーン関連分野を牽引する第一人者を産官学からから招いて、その現状を整理します。その上で、テクノロジー、文化、身体、ジェンダーなどの多様な観点からこの分野の可能性と課題を深く掘り下げます。第二の宇宙「メタバース」は私たちが夢見たユートピアなのか?巨大市場となったデジタル経済はどこに向かうのだろうか?バーチャル世界の発展は人間と社会のあり方をどう変えるのか?これらの問いを、受講者と方々と共に考えたいと思います。

【日程】
1日目 2023年2月4日(土)9:00〜21:00
2日目 2023年2月5日(日)9:30〜19:00
3日目 2023年2月18日(土)9:00〜19:10
4日目 2023年2月19日(日)9:30〜21:00

【定員】
先着30名(定員に達し次第締め切り)

【受講料】
500,000円(税抜)テキスト代、ランチ代、交流会費含む。VR体験あり。

京都大学ELP 短期集中講座「バーチャル:メタバースで変わる人と世界」
DAY1 - 京都大学ELP 短期集中講座「バーチャル:メタバースで変わる人と世界」
DAY2 - 京都大学ELP 短期集中講座「バーチャル:メタバースで変わる人と世界」
DAY3 - 京都大学ELP 短期集中講座「バーチャル:メタバースで変わる人と世界」
DAY4 - 京都大学ELP 短期集中講座「バーチャル:メタバースで変わる人と世界」

ねむ「メタバースが及ぼす人類の新たな進化」

メタバースが及ぼす人類の新たな進化 ~原住民が贈るメタバースの真の革命性~ 京都大学ELP

メタバースが及ぼす人類の新たな進化
原住民が贈るメタバースの真の革命性


【講義の概要と目的】
仮想世界「メタバース」は人類にとってどんな意味を持つのか? 本講義では、書籍『メタバース進化論(技術評論社)』で話題のメタバース文化エバンジェリスト「バーチャル美少女ねむ」が、実際にメタバースで人生を送る「原住民」である自身の体験と数多くのユーザーへのインタビュー、そしてユーザー1200名を対象に実施した大規模調査データを元に、その真の革命性を解説する。実際にどんな機材を用いてどんな生活をしているのか、デモンストレーションも実施する。事前に書籍を読んだ上で、ぜひ浮かんだ疑問の全てを著者本人にぶつけ、新しい発想が生まれるインタラクティブなセッションとなることを期待する。

【この研究が世の中をどのように変えるのか、どんなインパクトがあるのか】
注目される「メタバース」だが投機的な思惑からの喧伝が多く、理解が非常に難しいのが実情だ。メタバースは世間で言われているような、単なる新たなデジタルトレンドなどでは決してない。「自己認識(アイデンティティ)」「社会(コミュニケーション)」「感覚(ファントムセンス)」の3つの観点から、人類400万年史を根底から覆し、人類を新たなフェイズへと「進化」させる革命である。その先の世界では、現在の私達の倫理観や価値観は意味を消失し、生き方・繋がり方・感じ方、全てが別次元のものとなる。あなたは「新人類」に進化する覚悟はあるか?

【講師プロフィール】
バーチャル美少女ねむ
メタバース原住民にしてメタバース文化エバンジェリスト。「バーチャルでなりたい自分になる」をテーマに2017年から美少女アイドルとして活動している自称・世界最古の個人系VTuber(バーチャルYouTuber)。VTuberを始める方法をいち早く公開し、その後のブームに貢献。2020年にはNHKのテレビ番組に出演し、お茶の間に「バ美肉(バーチャル美少女受肉)」の衝撃を届けた。ボイスチェンジャーの利用を公言しているにも関わらずオリジナル曲『ココロコスプレ』で歌手デビュー。作家としても活動し、著書に小説『仮想美少女シンギュラリティ』、メタバース解説本『メタバース進化論(技術評論社)』がある。フランス日刊紙「リベラシオン」・朝日新聞・日本経済新聞などインタビュー掲載歴多数。VRの未来を届けるHTC公式の初代「VIVEアンバサダー」にも任命されている。
文化庁や総務省にもメタバースに関する情報提供やアドバイスを行っており、東京大学で講義したり、各種学術イベントでも講演活動を行っている。各種テレビ番組にもゲスト出演多数。各種雑誌の特集やTBWA Worldwideなど国際ドキュメンタリーにも出演している。

メタバースが及ぼす人類の新たな進化 ~原住民が贈るメタバースの真の革命性~ 京都大学ELP

ミラ「日本の美少女アバターとそれを使う男性ユーザーの背景にあるものは?」

日本の美少女アバターとそれを使う男性ユーザーの背景にあるものは? ~バーチャル世界における創造的実践をジェンダー論によって考えよう~ - 京都大学ELP

日本の美少女アバターとそれを使う男性ユーザーの背景にあるものは?
バーチャル世界における創造的実践をジェンダー論によって考えよう


【講義の概要と目的】
バーチャル世界でのユーザーの行動を調査することで、「物理世界」にいる私たちや社会が経験している変化について、より詳しく知ることができると思います。本講演では、メタバースにおけるユーザーの行動が、同時に「物理的」世界のジェンダー規範を「ハック」しながら反映しているのを理解するための理論的なツールを紹介します。まず、ジェンダー理論を見て、それをメタバースにどのように適用するかについて説明します。特にジュディス・バトラーの著書と、その理論をアバターに適用した論文に注目します。次に、ジェンダー理論を日本人男性のバーチャル美少女に対する行動のケーススタディに当てはめます。このケーススタディは、私が書いた学術論文と、ジュネーブ大学から「ジェンダー・プリ」を受賞した修士論文に基づいています。そして、講演の最後に、将来の展望を述べます。

【この研究が世の中をどのように変えるのか、どんなインパクトがあるのか】
この講義の目的は、参加者が理論的な枠組みを使って、ユーザーが創造的なジェンダーの行動を展開するために、文化とテクノロジー(特にバーチャルリアリティ)を利用する方法について考えるように促すことです。なぜなら、テクノロジーと文化は絡み合っているので、メタバースを「物理的」世界から切り離して考えることができないからです。そして、バーチャルなジェンダーの理論化を考えることで、今日の日本社会における変化に光を当てることができるのです。また、メタバースのジェンダー的な側面を考えることで、ユーザーの行動をより深く理解することができ、今後メタバースに関連したビジネスを始める際に貴重な情報となります。

【講師プロフィール】
Liudmila (Mila) Bredikhina
リュドミラ(ミラ)・ブレディキナ(Liudmila Bredikhina)は、ジュネーブ大学アジア研究科で修士号を取得(2021年)。日本における男性のバーチャル可愛いジェンダー行動について、フェミニストおよびマスキュリニティー研究の観点から研究を行っている。近著に 「バ美肉 バーチャルパフォーマンスの背後にあるもの──テクノロジーと日本演劇を通じたジェンダー規範への対抗」 現代思想2022年9月号 特集=メタバース、「Babiniku: what lies behind the virtual performance. Contesting gender norms through technology and Japanese theatre」Electronic Journal of Contemporary Japanese Studies 22 (2) (2022)、「Becoming a Virtual Cutie: Digital Cross-Dressing in Japan」Convergence (2021)など。

日本の美少女アバターとそれを使う男性ユーザーの背景にあるものは? ~バーチャル世界における創造的実践をジェンダー論によって考えよう~ - 京都大学ELP


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メタバース研究ユニット「Nem x Mila」

「Nem x Mila(ねむみら)」はメタバースやVTuberが人類に及ぼす影響を調査・考察する研究ユニットです。

メタバース研究ユニット「Nem x Mila」

Nem x Mila : 最近の活動

メタバースでのハラスメント(2022)

全世界のユーザーを対象にしたソーシャルVRにおけるハラスメントのレポートを公開した。

VRDAYS EUROPE 2022

オランダ・ロッテルダムで開催された国際VR技術会議「VRDAYS EUROPE 2022」で登壇発表を行った。

TBWA Worldwide “VTUBERS” (2022)

国際VTuberドキュメンタリーに出演し、VTuberやメタバースにおいてアバターが与える個人のアイデンティティへの影響を解説した。

ソーシャルVR国勢調査2021

全世界のユーザーを対象にした、ソーシャルVRにおける生活実態調査レポートを公開した。


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