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子供の頃よく遊んだカードゲームはストップ系のゲームだった

①トリック系…プレーヤーが1枚ずつカードを出してその強さで勝敗を決めるゲーム。コントラクトブリッジ、うんすんかるた等。全カードゲーム中50%程度。
②ラミー系…例えば3枚(以上)ずつ手札をセットにしていって、組み合わせを作るゲーム。カナスタ、麻雀、ラミィキューブ等。全カードゲーム中15%程度。
③ストップ系…ルールに従って手札を出していって、早く手札をなくすゲーム。七並べ、ウノ、ドミノ等。全カードゲーム中15%程度。
④カシノ系…場にあるカードを手札と合わせて取るゲーム。スコポーネ、花札等。全カードゲーム中5%程度。
⑤ギャンブル系…上記4つ以外全て。ポーカー、カブ等。全カードゲーム中15%程度。

カードゲームの話を書くきっかけになったとある掲示板の書き込み。実際には一人遊び用の⑥ソリティア系も含まれますが、対戦ゲームに絞れば上記の5つに分類されます。

 現代の日本人には馴染みの薄いゲームの名前も見受けますが、その中でも③ストップ系については、他にもババ抜きや大富豪といったゲームの名前を挙げることができます。世界三大カードゲームと言えば、⑤ポーカー①コントラクトブリッジ②ジンラミーですが、子供の頃よく遊んだトランプ遊びと言えば、揃いも揃って③ストップ系のゲームなのです。

 日本においてトランプが子供の遊びと親しまれ、その遊びの多くがストップ系である理由については、賭博と税制の話が関わるものと思われます。以前はトランプや麻雀牌や花札。賭博に使用される道具に対する課税がありましたが、「骨牌税法」が「トランプ類税法」に改定された時期に、子供用の遊戯用品については非課税とされました(現在では消費税(1989)に取って変わる形で廃止)。

 ストップ系のゲームはルールが簡明(少なくともラミー系の麻雀よりは覚えやすい)で、なおかつゲームによっては戦略性も高い(トリック系はブリッジのように戦略性の高いものは、「協力プレイ」「オークション」のように初めてプレイするにはハードルが高い要素が少なくない)。これだけでも子供にも遊びやすいゲーム性と言えますが、「誰がどの程度勝ったか」を評価する必要性が比較的薄いことから、賭博性の低いゲームであるとも言えます。

 実際にはUNO(トランプで言えばページワン)では、誰かが全てのカードを出し終えた時に、他の人の残った手札に得点をつけて、その得点の大小を評価します。その評価を賭博の対象にすることも可能ではありますが、そのような遊び方をされた人はおそらく少数派。その時の勝敗に一喜一憂するのみで、勝敗の結果は記録しない。子供の遊戯用品としてなら非課税だから、遊び方も賭博性の薄いストップ系のゲームが推奨されたのかもしれません。

 さて、麻雀は同種札を増やす「デュプリケーション」によって、枚数の少ない馬吊(葉子戯)では遊びづらかったラミー系ゲームの走りとなりましたが、ストップ系の代表格であるUNOもまたデュプリケーションが行われたカード。UNOの遊び方はトランプのページワンが元になっていますが、多人数でページワンをすると山札がすぐに無くなってしまうことも、このカードが開発された理由の一つにありそうです。

 大富豪も多人数になるとトランプを2組以上用いて遊ばれることがありますが、「ピラミッド・カードゲーム」なる、特殊なデュプリケーションが施された大富豪のようなカードゲームもあります。弱い札ほど枚数が多いので手札の格差が是正されやすい。大富豪は幼少期に最も遊んだカードゲームですが、「大富豪」の名前通りに手札の格差に少し嫌気がさすこともあった私としては一度遊んでみたいですね。

 ストップ系はルールが分かりやすいうえに戦略性の高いゲームを生みやすい。賭博と税制の観点からも、子供向けの遊戯として広まった経緯がうかがえます。しかしながらその一方でラミー系の麻雀のように、成人してからも遊ばれることが少ないのは寂しいものがあります。麻雀も最近では子供向けの普及が広まりつつあるという話も聞きますが、日本におけるトランプゲームの現状を見るに、麻雀はやはり、オトナ向けのゲームとしての立ち位置を維持して欲しいという思いもあります。

 ストップ系とラミー系の共通項は「デュプリケーション」。UNOは2枚か4枚を1組とした108枚のカードから構成されているので、ちょうど二萬から八萬を抜いた三人麻雀として遊ぶこともできるのですから、四人麻雀としても、ストップ系を始め各種カードゲームとしても遊べるカードを「大人も子供も遊べる」遊戯用品として開発したいと思った次第。

 その一環が、「令和麻雀(馬将)」。こちらの解説記事もそのうち再開する予定です。

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