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裏麻雀本レビュー

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2020年10月の記事一覧

ネマタの「裏」麻雀本レビュー第28回『令和版神速の麻雀』その6

第二章 リーチのシステム

チートイドラタンキ待ち

 「ドラ待ちはダマにしてもどうせ出ないからリーチ」はデータ研究が盛んになる前からよく言われていたセオリー。感覚的にはど真ん中ほどリーチ寄りで、ダマならそこそこ出アガリできそうな字牌ドラならダマ寄りのイメージですが、局収支的には概ねリーチ有利。ツモってハネ満、裏が乗って倍満。ダマなら出やすい待ちほど他家に使われない分ツモりやすさもやや高くなること

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ネマタの「裏」麻雀本レビュー第27回『令和版神速の麻雀』その5

第二章 リーチのシステム

5200点のダマテン

 悪形ダマ5200のリーチ判断については、『統計学のマージャン戦術』では局収支的にはリーチ有利とはいえ、本書に比べると微差という結果が出ています。天鳳鳳凰卓のようなリーチへの守備が固い面子で打つ場合はダマ寄りになるということが分かります。局収支上微差ということは、局面や持ち点といった状況にも判断が左右されやすいということ。そうしたケースはシステム

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ネマタの「裏」麻雀本レビュー第26回『令和版神速の麻雀』その4

第二章 リーチのシステム

牌5 3456789m567p567s ドラ北

 良形かつ打点を上げる手変わりが258m4578p4578s。流石にダマで手変わりを待ちたいところです。

牌7 12345m123p123789s ドラ北

 打5mリーチとしますが、河でヤオチュウ牌がかぶっているとしたら悲しいですね。手順上やむを得ない場合もありますが、「かなり手変わりを待ちたいけれども待つには手変わ

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ネマタの「裏」麻雀本レビュー第25回『令和版神速の麻雀』その3

第一章 手順のシステム

手なりで進める

 前回取り上げた牌姿は、むしろ字牌を残した方がよいものも多かったのですが、ここで取り上げられている牌姿は牌6を除き、いずれもはっきり字牌を切るべきものばかりです。

 麻雀はアガリに近い手ほど、手を狭めることでアガリ逃しになることが増えます。つまり、「前回の牌姿でも今回の牌姿でも字牌を切る」打ち手と、「前回の牌姿でも今回の牌姿でも字牌を残す」打ち手であれ

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ネマタの「裏」麻雀本レビュー第24回『令和版神速の麻雀』その2

第一章 手順のシステム

字牌の使い方

 字牌は自分が使う手なら残す。使わない手なら真っ先に切るのが原則ではありますが、個人的には、「中途半端な残し方」が有力なケースも少なくないと考えています。

牌1 223m5689p12779s白中 ドラ北

 配牌で1メンツも無く悪形残りとなると先制テンパイを取るのは厳しく、アガれたとしても安手になりやすい。この手牌なら役牌を切ってポンされるのはむしろ歓

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ネマタの「裏」麻雀本レビュー第23回『令和版神速の麻雀』その1

ネマタの「裏」麻雀本レビュー第23回『令和版神速の麻雀』その1

第1章 手順のシステム

「麻雀ウォッチ」でレビュー掲載を予定していましたが、連載終了ということでこちらで書くことにしました。

麻雀のスタイル

 本書は2015年に発売された、『神速の麻雀 堀内システム51』のリメイク版、それから5年が立ち、その間に様々な戦術書が出版されました。

 その中で優良とされる戦術書には、本書で推奨されているような、「先制攻撃とベタオリの2極化」「システムで打つ麻雀

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ネマタの「裏」麻雀本レビュー第22回『夜桜たま×朝倉康心に学ぶ現代麻雀』その10

ネマタの「裏」麻雀本レビュー第22回『夜桜たま×朝倉康心に学ぶ現代麻雀』その10

 これまではっきり物を申してこなかった私が一方的に悪いのですが、今回の記事への反応で、事実と異なる箇所が多々見受けられたので釈明させて下さい。

>スキャンダルにまったく興味なさそう

 昨年話題になった炎上案件と言えば、「けものフレンズ2」ですが、私は1も2も全く視聴していないのに事件の顛末を探っていた程度の野次馬。今回は麻雀関連であるうえに、単なるスキャンダルで済まされない事態であったので言及

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ネマタの「裏」麻雀本レビュー第21回『夜桜たま×朝倉康心に学ぶ現代麻雀』その9

第五章 押し引き

①押し引きとは

 押し引き基準についてはこちらを御参照下さい(第5回が上級卓向け、第16回が特上卓向け)。本書で度々登場する「打姫オバカミーコ」の押し引き判断では、「先手良形高打点2つ揃ったら押す」とありますが、2つだと十分過ぎるので降り過ぎになってしまいます。1つでも概ね押し有利で、たまにある例外に注意するくらいのスタンスで打つことをお勧めします。

 142ページの牌図は

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