ネマタの「裏」麻雀本レビュー第27回『令和版神速の麻雀』その5

第二章 リーチのシステム

5200点のダマテン

 悪形ダマ5200のリーチ判断については、『統計学のマージャン戦術』では局収支的にはリーチ有利とはいえ、本書に比べると微差という結果が出ています。天鳳鳳凰卓のようなリーチへの守備が固い面子で打つ場合はダマ寄りになるということが分かります。局収支上微差ということは、局面や持ち点といった状況にも判断が左右されやすいということ。そうしたケースはシステムに頼り切らず、臨機応変に判断することも必要になりましょう。


応用1

 筆者が、「みんなダマと答えていて驚いた」と言われているのは上記の牌図のこと。応用問題としての出題だったので、ダマ5200程度ならダマ有力になりそうな局面を意図的にピックアップしてみました。良形テンパイなので通常ならリーチ寄りとみますが、リーチすれば14p待ちが読まれやすいうえに、ダマなら東家の仕掛けに対応した他家から14pがこぼれやすい。ダマにするだけの条件が十分に整っていると考えましたがいかがでしょうか。

リーチしてハネマン

 これもダマ5200のケースと同様、リーチへの守備が固い(なおかつダマなら出アガリが期待しやすい)面子を想定すればダマが有力になる場合が増えます。上記リンク先ではダマ寄りになる理由として面子スライド等で結果的に放銃を回避できるケースについて言及されていますが、逆にリーチすることで面子スライド等で結果的に放銃を回避されてしまうことも理由として挙げられそうです。

 他にも、高打点の時は自然と手牌が読まれやすくなり他家に警戒されやすいことが多いことにも原因があるかもしれません。ドラを多く持っていて高打点の場合は他家の手にドラが少ないので降りられやすいですし、手役が完成して高打点の場合は河が特徴的で待ちを絞られやすいと言えます。

先制字牌タンキリーチ

 「一般的にはリャンメンと同程度にアガリやすい」「一般的にはダマよりリーチした方がアガリやすい」「数牌待ちは枚数が多いほどアガリやすい傾向があるが、字牌待ちは生牌より1枚切れの方がアガリやすい」「巡目が深ければ生牌より2枚切れの方がアガリやすい」。数牌待ちテンパイの時と大きく判断が変わる箇所なので覚えておきましょう。

 ただし、字牌が待ちになるケースは河に中張牌を多く切っていることが多いもの。手役狙いの場合はなおさらです。本書では国士無双西待ちを8巡目まではリーチした方がよいとしていますが、配牌から不要な中張牌を切り続けて8巡目リーチとなれば、国士とは読まれずとも字牌待ちは相応に警戒されやすいのではないでしょうか。個人的には序盤かつ、国士が警戒されにくい河ができたケースのみリーチするようにしています。



画像2

 第一打ヤオチュウ牌からの国士リーチは記憶する限りでは3回打ったことがありますが、1回はリーチ者からの出アガリ、1回はツモアガリ、1回は押し返されて振り込み。一回くらい、「ダマならアガれなかった」経験をしてみたいものです(笑)

チートイ確定ドラドラ

 ダマよりリーチの方がアガリやすいのはチートイツの特徴…ではなく字牌単騎の特徴。実は本書の元となったデータから、「チートイツは待ちに関わらずリーチした方がアガリやすい」という誤解が起こったという例がありました。「ど真ん中の待ちでも何でもリーチをかければいいわけではない」と言及されてはいますが、「字牌単騎だから」とはっきり言及されていないのは、当時の誤解を未だに引きずっている表現にもとれるので少し気になりました。

 字牌タンキ以外の待ちでリーチするかどうかの判断はこちらを御参照下さい。ど真ん中の両無スジは流石にダマ有利ですが、19牌はリーチ有利。他の中張牌は微妙というところ、とはいえこれはあくまでテンパイ時点の判断なので、テンパイ以前の段階でテンパイ時にアガリやすい待ちを残す。ただしあまりにも中張牌ばかりが河に並ぶと字牌待ちの効果が下がるので、山に残ってそうな牌を判別できないうちは無闇に中張牌をバラ切りしないといった工夫も必要と言えそうです。

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