地方に来てみた女の意見

田舎は偏狭な馬鹿ばっかり、という話をするので田舎住みの方は読まないほうがいいと思う。

これは自慢だが私は、なんと東京都世田谷区に生まれ、3歳くらいまで少しだけ埼玉にいたこともあるが、35で結婚するまでずっと23区内いた。できればその後もずっと23区内にいたかったけど、親と弟が二世帯住宅に住むことと、藤沢市出身の弟の妻さんの意見で横浜市に引っ越すことが決まったので、老後のあれこれを考え、少し近めの川崎市に住むことにした。
引っ越した後、35〜40歳まで何も資格持ってなかったから、横浜市青葉区の書店(て書くと数少ないからどこかすぐわかっちゃうな…)でバイトすることにした。家から近いからいいかなぐらいの気持だったんだけど、これが!!まあ!!!めちゃくちゃいじめられたのよ。
パートやバイトのみならず、社員までもが
「地元に住み地元から一歩も出たことがない」って人ばかりだからね。たまに転勤族の奥様もいるけどそういう人は即座にママ友作ったり、輪に馴染むコツを心得てるもんね。
地元に住み地元から一歩も出たことない人、特に女性は、私には「田舎のお嫁さん達」に見える。私自身にはもう親族も数えるほどしかいないし、法事とかの家族行事も全くないので、そういう田舎のお嫁さん達が集まる空間なんて、なかなか体験しないのだけど。
田舎のお嫁さん達にとって、東京から来て東京育ちを鼻にかけてて(そういうつもりはないんだけどきっとそう見えてると思う)、30過ぎて子供も産まないでバイトしてる女なんて…もう「異分子」でしかないよね、よくわかるわ。異分子を排除したい気持もよくわかるわよ。
その書店には計3年くらいいた。最初はただハブにされるだけだからいっか…と思っていたけど、真面目にコツコツといじめられて最終的には鬱病になってしまった。プレ更年期障害も重なったとはいえ、今思えば訴えていいレベルなのではないかと思う。
それ以来、私は田舎の人、特に横浜市青葉区の人は怖いし信じられなくなってしまった。今後バイトやパートしなきゃならない時は、絶対に都内に出ることにもした。
東京は、都会は冷たいとよく言われるけど、異質なものを排除しない優しさもある、と私はよく思う。密な人間関係の中で過度に干渉し合う、なんていう田舎の監視システムは憎しみを生み出す元でしかないのではないか、と思う。

NHKクロ現で「なぜ女性たちは地方を去るのか」という番組をやっているけども、都会から逆に地方に来てみた身としては、そりゃそうでしょうとしか言い様がない。
私は子供産めないって決まってるから、「ママ友を作って頑張ってこの地に馴染まなきゃ」みたいのもなくて、どこへでも行けるから良いようなものの、ここからどこへも行けないって言われたら地獄だよ。地獄。
私はたまたま東京に生まれて、東京の人の過度に他人に干渉しない感じを心地よく思って育ってきたけど、そんなの冷たいし寂しいし、もう年がら年中誰かに構って欲しいって人(特にお年寄りとかね)には良いのかなあ?とも思います。しかしそのシステムの悪い所のしわ寄せは全部女性にくる、そのことは少しは考えたほうがいいんではないかと思いますよ。例えば寂しいお年寄り同士が対等の立場で寂しさを紛らわすために寄り合いをするのはいいと思うけど、その中で自然と女性は座布団配ったりお茶を淹れたり、何かと男性のケアをして「無料の介護要員」にされるのではないか、みたいなことです。(こう言うとすぐ一部の女性からも「動くのが好きだから好きでやっている、私は働くのが好きだ」という意見が出るけれども、好きでやってるなら問題ないよ。問題は、知らない男性のために働きたくない人もいるのに、口をふさがれ、「私は知らない男性のケアは得意でもなく好きでもないから、したくない」という意見が、なかったことにされる、そういうシステムすら内包してるシステムだってことです)

まあ過度に干渉し合う監視システムって、別に田舎に限った話ではなく密な人間関係において発生しやすいものではあると思うんだけど、「なぜ地方から女性がいなくなるか?」という疑問のひとつの答えではあると思う。
あと自身で身をもって田舎の怖さを体験し、その怖さを訴えたかったので書きました。地方からは逃げないとダメだよ。


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