『SUNABACO BootCamp in 八代』参戦記 〜人生が変わる空間〜 【前編】
1年ぶりに訪れたSUNABACO八代は、まるで昨日までいたような錯覚を覚えさせた。
時間と空間の認識がぐちゃぐちゃになる感覚を携えながら、1年前からまるで変わってしまった自分を、再び1年前と同じ場所に置く。
4月に開催されたSUNABACO江別でのイベントが終了し、僕はホッとしていた。
書き続けているnoteはもちろんのこと、今年出版される書籍の執筆と、日刊SPA!での新基軸連載のテスト原稿は派手に遅れていたからだ。
SUNABACO江別でのセミナーが終わり、やっと溜まっていたモノに集中できる。いよいよ追い込まないとヤバい。駆け出しのド新人作家が「締め切り間に合いませんっしたw テヘ💓」なんて言ったら一瞬でジ・エンドである。死ぬ気でやるしかない。
ここからは執筆に集中だ。なんせ本業の金融機関の仕事だって結構重い案件が迫っている。仕事をきっちりと完遂させなければならない。オッサンは老獪に仕事をこなしてなんぼ。でなければ生ゴミ以下である。
そんな時、いつも通り呼吸をするが如くTwitterをしていると、SUNABACOの代表であるなかまこさんが
みたいなtweetをしていたので
と、反射的に手を上げてしまった。
「あ、しまったかも」と、思っても遅い。すでに決まっている。いつもながら話がマッハ3くらい速い。
その後、めちゃくちゃ後悔した。
でも、手を上げてしまった。
僕は、SUNABACOに貢献できることはやれるだけやると決めていた。だから反射的に手を上げたのだ。
この1年を振り返れば、それは当然のアクションだ。
上げた手を下ろすほど、僕はシャバ僧じゃない。やるからには、与えられた時間内で最高の学びを提供してやろうじゃないか。
腹は決まった。
僕は、再びSUNABACO八代へ行く。
+++++++
2023年6月2日
《1日目 博多》
今回の旅では、密かな目標が二つあった。
その一つは、ちゃんと観光をすることだった。
前回のSUNABACO江別でも、その前のSUNABACO高松でも、全然観光をしていなかった。
日程的に余裕がないというのも大きいが、一番の理由は旅行の隙間時間にnoteばかり書いていたからだ。
せっかく遠くまで来たのに、やっていることはスタバでnote制作。
いつもと似た感じの席に座り、いつもと同じスターバックスラテトールワンショット追加を頼み、いつもと同じMacにHHKBをオンして黙々と書く。完全に旅を冒涜している。
これはアカン。そう思った。だから今回はしっかりと観光をしようと誓ったのだ。
なので、6月2日の10時には博多に着いて、そこから太宰府天満宮に行くことにした。その日は18時からなかまこさん達と会食なので、それまでに戻って来ればいい。時間があればららぽーと福岡で実物大のνガンダムも見たい。
そもそも旅は下手な自分であるが、予定を立て始めたらワクワクしてきた。
そんなことを考えながら、早朝の空いた高速道路を一路名古屋空港へひた走る。
天気はあいにくの雨。台風が近づいている。しかし、フライトに変更はない。大変にありがたい。欠航を覚悟していたが、どうやらなんとかなりそうだ。
空港に到着する。フライトまでは時間があるので、タリーズに入って軽い朝食にする。
いつもならここで鬼気迫る表情でnoteを書いているはずだが、今回は甘えてお休みをいただいていた。なので、呑気にアニメを見たりなどする。
出足好調。体調も良い。今回は最高の旅になる予感がしていた。
この時までは。
+++++++
飛行機が欠航になった。
台風の影響などではない、整備不良で欠航である。んなアホな。飛んだらどうなっていたのか。
僕は、しばらく呆然としていた。状況が理解できない。周りの人たちは文句ひとつ言わずに、受付カウンターへ向かっている。長い列ができている。
オーケー、状況を整理しよう。
僕はいま愛知県小牧にいて、飛行機は飛ばない。
今日のマストの予定は、18時からの会食だ。それまでには博多に行かなければならない。
現在時刻は午前9時。調べると次の博多行きは満席だ。その次の便では間に合いそうもない。
何もかもがどうでも良くなりかけたその時、頭の中である人が囁いた。
昨年、トークイベントでご一緒させていただいた小宮山理恵子さん、その人である。
は!!!っと我に返る。
と自分を叱責する。
とにかく、飛行機はもうだめなんだからここにいる意味はない。陸路しかないが車は論外なのだから、後は新幹線しかない。
新幹線に乗れるかはわからない。なんせ台風で飛行機は厳しいからみんな新幹線に切り替えるだろう。ならば、急がなければならない。
最速で、名古屋駅へ行く。それがまず最初のアクションだ。
欠航の手続きを終えて、すぐに名古屋駅行きのバス停に並ぶ。どんどん並ぶ人が増えていく。みんな新幹線に切り替えたのだろう。雨脚はどんどん強くなっている。
名古屋駅に着く。乗るべき新幹線はバスの中で調査済みだ。急げばギリギリ間に合う。途中で止まったら完全にアウトなので、一本でも早い便に乗りたい。
駅の構内は混んでいるように見えた。みどりの窓口は行列ができているが、新幹線の販売機は誰も並んでいない。不思議に思ったが、なんの問題もなくチケットが買えた。
そして、新幹線に乗り込む。あとは台風で止まらないことを祈るばかりだ。
到着時間は15時。予定通りなら10時には博多に着いていたはずだから5時間遅れになる。観光はできない。
まったく。と言いかけて、少し笑えてくる。
なんて旅だとがっかりしながら、なんだか旅らしい旅だなとも思う。
新幹線が小倉を通過すると、これまでの雨が嘘のように晴れ間が見えてきた。
その頃にはもう、悪くない旅だと思い始めていた。
+++++++
博多駅でなかまこさんやカリンさん、本日会食をご一緒させていただく皆さんと合流し、なかまこさんの運転で会場まで送っていただく。
なかまこさんの車は、排気量6リッターのベンツである。6リッターである。どうかしている。全力で走れる公道はこの国にはない。この人は基本どうかしている車しか買わない。
なかまこさんが途中で軽く踏み込むと、ツインターボがおかしな音を立ててクソ重いはずの車体をチョロQの如く加速させる。どこにニーズがあるかわからない性能である。でも僕は車が嫌いじゃないので感動である。男の子なのである。オーバースペック万歳。穴の開きまくったボンネット万歳である。
本日の会場の「ザ・ルイガンズ」に到着する。見渡す限り、リゾートの景色しかない場所で語彙を失う。
場所に圧倒されながら会食が始まった。参加されたみなさんの公開は控えるが、ここでも多くの出会いをいただいた。Twitterで目にしていた方々とご縁をいただき、ただただ感謝である。なかまこさんには感謝してもしきれない。御恩を完済できる日は来るのだろうかと不安になる。
もちろん食事も最高。幸せなひとときであった。そしてルイガンズといえばティラミス。なかまこさん激推しの一品をついに食せる時が来た。
このティラミスがまあ美味い。大好き。しかし、横に鎮座するチーズケーキもちょっと食べたことのない美味しさであった。投票の結果、なんとチーズケーキが勝ってしまう。ジャイアントキリング。なかまこさんは悔しそうであったw(僕はティラミス派)
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楽しく、刺激的な会食も終わり、博多市内に帰ってくる。駅周辺まで送っていただいて、解散となった。
ホテルまで少し歩く。天神と思わしきここは、しっかりと繁華街の雰囲気がある。
人が多い。田舎から来るといつも思う。でも、なんとなくフレンドリーな雰囲気がある。ちょっと酔っているからそう感じるのかもしれない。
できれば、ここで数日滞在して色々飲み歩きたい。そう感じた。博多はなんだか深掘りしたくなる街なのかもしれない。どこか惹かれる何かが、確かにある。
とんでもないトラブルに巻き込まれた1日。ここからひとり飲みに行くのもいいだろう。
でも、やめておく。遊びに来たんじゃないんだ。明日は大事な仕事が待っている。
観光できなかったのも、そいうことなのかもしれない。
お前は何をしに行くんだ?
誰かのために全力を尽くしに行くのに、そのうわついた予定はなんなんだ。
お前はそんな状態でいい仕事を納められる人間じゃない。
集中しろ。それこそが誠意なんだ。
神のお告げなんかじゃない。自分の内側から聞こえてくる。
わざわざ遠くから自分の話を聞きにくる人がいる。それがイベントの一コマだとしても、聞いてくれるのは事実だ。
ならば、誠心誠意取り組まなければならない。そこに妥協は許されない。
SUNABACOは、いつだって来てくれた人、惹き寄せられた人に惜しみなく全力で向かい合う。一期一会なんて概念を超えた執念がそこにある。
その姿を、この1年ずっと見てきた。そして、感化されていた。
僕はSUNABACOに恩がある。その恩は、SUNABACOに来てくれた人に返す。それが、SUNABACOへの報恩になる。
SUNABACOが求めるクオリティは高い。そのクオリティに耐えらると感じていただいたから、セミナー講師をやらせてもらえるのだ。
生半可な姿勢ではダメだ。万全の準備、そして魂を燃え上がらせる必要がある。
前日にひとり観光するようなメンタルでは、ダメだったのかもしれない。
観光しようとしたのは、SUNABACOに対して慣れが出てしまったからなのではないか? 軽んじていたのではないか? そんな気がしてくる。
であれば、今回の計画倒れを神に感謝すべきだろう。
必要なタイミングで、必要な罰をくれてありがとう。おかげで、目が覚めたよ。
明日はいよいよ本番。万全の体調で向かわなければならない。
期待されているなら、期待以上の仕事を納める。それが報恩になる。前日はいつだって不安だが、覚悟は決まっていた。
でも、もうトラブルはごめんだよな。
そう思いながら、眠りにつく。
しかし、トラブルは終わらなかった。
《中編に続く》
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