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旅行記 / 越後・佐渡 日本海側最大の離島の歴史にふれる旅 (2023/07)

普段縁のない土地こそ、実際に訪れて体感してみたいものです。


一ヶ月前に沖縄に人生初上陸してから離島訪問の機運が高まっており(?)今回は新潟県にある、かの有名な佐渡島へ行ってみることにしました。

佐渡島を訪ねる土日は数日前から大雨の予報。JR東日本によると新潟支社は大雨で運休の可能性もあるとのことでしたが、直前の各種予報を見ていると案外行けそうな内容だったので予定通り出発しました。果たして無事に佐渡島に渡れたのでしょうか…?


何に乗って、どこへ行ったか

● 主なJR路線:信越本線、上越新幹線、上越線
● 主な私鉄路線:北越急行、大阪モノレール
● 主に行った場所:土合駅、大地の芸術祭、佐渡博物館、尾畑酒造、佐渡金山
● バランス:[観光] ・★・・・[鉄道]

◆Day 1◆ 海ではなく内陸方面へ

朝から動けるように夜行バスで柏崎まで直行。時期的にも天候的にもなのか分かりませんが、車内はガラガラでした。

午前6時前に柏崎に降り立ったところ…雨が降っていません!このまま何事も起こらなければ良いのですが。「えちごツーデーパス」を買って出発です。


列車を待っている間にホームから見えたものを一枚パシャリ。

皆さん覚えておられるでしょうか、窓が開いていたため何の文章が貼られているか分からなかったあの窓です。2年越しに解決しました。

では新潟行きの快速に乗ります!この区間は特急も走っていますが早朝には設定がなく快速だけです。ここを通過運転する列車に乗るのは初めてでワクワク。停車駅も絞られていてちょっと得した気分。新潟までは行かず途中の長岡で下車しました。

長岡から越後湯沢までは上越新幹線で一気に南下しました。初めて乗る区間ですがトンネルばっかりであまり楽しくないですね…。

…「佐渡島」と言いながら山の方へ行ってるやんけ?と思われた方、鋭い。実は今回は、利用するフェリーの時間の都合で午前中は全く関係ない場所へ行くことになっています。それはJR上越線の土合駅です!

土合駅は「もぐら駅」として有名な駅で、下りの新潟方面だけですが何と500段弱の階段を降りたところにプラットホームがあります!トキ鉄の筒石駅と同じくトンネル内に造られています。一度は行ってみようと、近くまで来たこのタイミングで訪れることにしました。

日本一のトンネル駅・土合

越後湯沢で上越線の水上行きに乗り換え。これは乗換案内には出てこないのですが、4分あるならいけるやろ!と思って旅程に組み込みました。結局、余裕で乗り換えることができて一安心です。

ここもずっと曇りで、もしかして梅雨前線の動きが変わったのでしょうか?晴れ間すら出てきてびっくり。まあ日頃の行いが良かったということで。

土合駅に到着!上り線は地上にあるので普通の田舎の駅ホームといった感じです。下車するのは初めて、こんな駅舎なんですね。三角のとんがり屋根が特徴的です。

そして駅前の道路から見えたのは…駅舎から山に突っ込んでいく謎の通路。いかにも怪しい。これは後からのお楽しみです。

せっかくここまで来たし谷川岳ロープウェイに乗ってみようか?と思いつつ悩んで決めかねたままだったので、とりあえず麓まで行ってみようとバスに乗りました。ロープウェイは元気に動いていましたが…。

結局、時間的に微妙だと判断してそのまま下山。下りはバスに乗らず歩いて駅まで戻って来ました。ちょっとしたウォーキングです。道の途中にあったスノーシェルターらしき場所がペンキ塗りたてで臭かった記憶。

土合駅舎には今は使われていない駅務室があり、そこがカフェとして生まれ変わっています。かつての備品も残っているということで、鉄道ファンには要チェックの場所かもしれません。

それでは先ほど見えていた、山に突っ込んでいく通路を歩いてみましょう。薄暗くて長い通路を進んで…。

目の前に現れたのは長い階段

これぞ「もぐら駅」ですね!この長い階段の下に上越線の下りホームがあります。階段脇の細長いエスカレーター用地に湧水が流れていました。

トキ鉄の筒石駅と比べると階段の長さ、すなわち深さは圧倒的。でも空間は広く感じますね。筒石駅で感じたような圧迫感や怖さはあまりありません。


400段以上もある階段を一つずつ下りていきます。最後の10段ぐらいで急に空気がひんやり寒くなって驚きました。ホームは湿度が高く霧っぽい。

やって来た列車に乗り込んで土合駅を後にします。これは行ってみた甲斐がありました。面白かったです!

「大地の芸術祭」を鑑賞する

さて越後湯沢からは、鈍行になってしまって速度も遅くなったほくほく線に乗車。トンネル駅つながりで美佐島で下車してみるのもアリ…ですが今回はお預け。通過列車もなくなり恐ろしい風圧も体験できないので(?)またの機会にしましょう。

最高速度が85km/hに引き下げられたためかトンネルが長くなったように感じますね。しばらく乗って、まつだいで下車。…駅横に見える謎のオブジェは一体!?

この駅の周辺には「大地の芸術祭」と呼ばれるアート作品がずらりと屋外に展示されており、ホームからも一部を眺めることができます。この水玉は…草間彌生さんですね!

農作業する人々、と見せかけてこれも作品の一つです。

ということで大地の芸術祭に入場してアートを鑑賞。いろいろな趣向の作品たちが展示されていましたが…アートは難しい。まあ考えるより感じろ、といったところでしょうか。

一通り思索にふけってから、ほくほく線に戻り海の方へ進みました。終点の直江津からバスで直江津港へ。いよいよフェリーで佐渡島へ渡ります。

直江津から佐渡島へ

直江津港に到着!ここには「山と海が見える展望台」があると案内に書いてあり階段を上ってみると…。

海側はまさかの工事中!何も見えへんやんけ!

仕方なく階段を下り、せめて用事は済ませておこうとフェリーの待ち時間に佐渡島内のバスのフリーパスを買いました。呈示で優待を受けられる施設もあるとのこと!これはありがたい。

昨日までの荒天予報で心配でしたがフェリーは無事に出航。小木港へ向かいます!佐渡島へ渡る航路は二つあり、直江津と小木の航路はそのうちの一つです。もう一つは翌日の帰りのお楽しみ。

天候が不安な時に離島に渡るという状況ですが、船からしばらく本州が見え続けていたので何となく安心感がありました。デッキで快適に過ごせる。


それにしてもカモメがすごい!天橋立でもそうでしたが、乗客からおやつをもらうのが楽しみのようです。一時間近くもフェリーと同じスピードで飛び続けて様子をうかがっている個体もいました。なかなか執念深いですね。

そして小木港に上陸。トキの巨大ぬいぐるみが出迎えてくれました。

そのままバスに乗り換えて市内中心部へ向かいます。高い建物はなく水田が辺りに広がっていました。信号も少ない。

海沿いの高台から窓の外を眺めるとドン曇り。日本海側でこの雰囲気、冬のようにも見えてきます。次第に民家の多い市街地へと進んでいきました。

宿泊した「八幡館」は何かと格式の高い様子。ちょっとビビッていました。トロトロの温泉が気持ち良い!もうこのまま寝てしまいそうです。

何となく外に出るのも億劫になり、晩御飯は館内地下にある「おけさ横丁」にていただきました。落ち着いた居酒屋でゆったり飲めました。

佐渡のお酒、真野鶴「桜純米」を一つ。注文した料理もどれも美味しかったです!

◆Day 2◆ 佐渡博物館と尾畑酒造を訪問

前日に降らなかった分、この日は思い出したかのように朝から大雨でした。歩くとすぐボトボトに濡れて観光の気力を削がれるレベル…。当初は両津港周辺をサイクリングしようと考えていたのですが、さすがに無理なので変更しました。

まずは宿のすぐ横にある佐渡博物館へ。博物館にしては(?)朝の早い時間から開館していてありがたかったです。ここで佐渡の歴史を概観しました。

ちょうど館内企画が開催されており、参加賞としてマグとトートをいただきました!…大雨ということもあり参加者が少なかったのでしょうか、受付の方がわざわざこの企画の宣伝に来られ、ノベルティを貰えるヒントも出されました。

ちなみにこのキャラクター、「推しの子」の原作者で佐渡島出身の赤坂アカさん描き下ろしだそうです!

続いてバスで尾畑酒造を訪問しました。前夜も飲んだ「真野鶴」の醸造元であり、特に純米吟醸がオススメです。この銘柄にハマってから一度は訪れてみたいと思っていましたがついに念願叶ったり、です!

試飲も可能で、美味しかった生原酒と辛口大吟醸をお土産に購入。しばらく楽しめそうです。

佐渡金山の坑道を体験する

最後は佐渡金山へ。直接行けるバスは本数が少なく、麓にある「きらりうむ佐渡」から歩くことになりました。きらりうむ佐渡はこんな外観の施設で、佐渡金銀山の情報発信を兼ねた資料館です。

ここから階段を上って高台へ向かいました。佐渡奉行所の復元施設や立派な時鐘楼などを見ながらだと面白いです。

続いて山道を上りまくりました。途中で雨も降ってきて普通に厳しい道のりでした…。でも道中では金山の旧坑道と思われるトンネルの入口がちらほら見られてワクワクしましたよ!

疲労困憊で佐渡金山に到着。時間の都合で宗太夫坑を見学しました。坑内は気温が10度ぐらいで涼しい!

動くマネキンたちが、スピーカーから声を上げながら作業の様子を再現していました。往時の大変な仕事に思いを馳せつつ観て回りました。

坑道を出た場所には純金持ち上げ体験コーナーがありました!12.5kgの塊を制限時間内に片手で取り出すと良いことがあるそうですが、当然ながら無理でした。今の金価格を見ていると塊ごと欲しくてたまりません。写真を撮り損ねていたので、雰囲気を知りたい方は佐渡金山のHPをご覧ください。

帰りには麓まで下りられるバスがあり、きらりうむ佐渡で下車して乗り換えます。きらりうむ佐渡の展示は合計30分ぐらいの映像らしく、微妙に時間が足らず今回は断念しました。

本州への帰りは超高速船で

ここからバスで一気に両津港まで佐渡島を横断します。歩き疲れて車内ではほとんど寝ていました。両津港の方が小木港よりも、規模と周辺の市街地が大きい様子です。

本州へは高速航行するジェットフォイルで渡ります!「洋上を翼走」というパワーワードが興味をそそります。船底を1.5メートルほど浮かせながら文字通り「走る」ということでシートベルトは必須。

「テイクオフ」するのもまさに飛行機のようです。実際に船体が浮いているのかどうかは、乗っている感覚ではよく分かりませんでした。しかし表示はこの速度!めちゃ速い!

ジェットフォイルは無事に新潟港に到着。帰りは新潟空港から飛行機ということでバスで空港へ向かったのですが…実は乗り間違えていたことが判明!ヒヤッとしましたが途中で乗り換えて事なきを得ました。危ない危ない。

この日だけで、バス、船、飛行機、モノレール、電車と5種類もの乗り物に乗ったことになりました!なかなか稀有な体験かと思います。ちなみに新潟空港はわずか2週間後にまたお目にかかることになります。そんなこんなで今回はこれでおしまい。


今回は佐渡島に初めて行ってみました。天気が良くなかったのが少し悔しいですが、島の風土や歴史を体感することができました。次は天気の良い時に両津の方も観光してみたいですね!

また、もぐら駅の土合や大地の芸術祭を訪ねられたことも良かったポイントです。このように気になる場所の穴埋めも進めていこうと思います。


次は、東北から道南へぐるりと巡った話を書きます。

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