見出し画像

旅行記 / 東北日本海側 内陸山間部を上がり日本海沿岸を下る (2019/07)

ついに時刻表を買ってしまった。「コンパス時刻表」である。

そもそも時刻表を見るのが高校の卒業旅行以来です。当時は友人らがわりと「テツ」で、時刻表でいろいろ調べてくれて、そのプランについて行ってたものでした。そのときは友人がコンパス時刻表を持っていました。

で、自分で列車旅に行くようになって、時刻表あったら便利よな!?という当たり前の事実にやっと気が付きました。これまでYahoo!の乗り換え案内に頼りっぱなしでしたが、いちいち検索するのも面倒だったんですよね。まあ私鉄が絡む場合はもちろん使わないと無理ですし、JRも検索しますけども。

これ以来、時刻表を買うようになってしまいました。もちろんコンパス時刻表です。買い始めてから、この上なく脳内旅行が捗りますね。行ってみたい場所がどんどん出てきます。今回は東北の日本海側に照準を合わせて…。

何に乗って、どこへ行ったか

● 主なJR路線:中央本線、高崎線、上越線、信越本線、白新線、米坂線、
       奥羽本線、五能線、羽越本線
● 主な私鉄路線:えちごトキめき鉄道、あいの風とやま鉄道、
        IRいしかわ鉄道
● 主に行った場所:蔵王温泉、千畳敷、久保田城跡、万代橋、彌彦神社
● バランス:[観光] ・・・★・[鉄道]

◆Day 1◆ あずさに乗って関東方面へ

2019年春はアニメ「ケムリクサ」に感動しっぱなしでした。7月に東京中野にてイベントがあったので、全力で応募して無事参加できることに。じゃあどうやって行こうかということで、しばらく前と同じく中央本線経由で行くことにしました。

しかも、このイベントの日から休日がちょっと続くので、せっかく東京まで行くなら!とわずか4ヶ月ぶりの東北旅行を計画。前回は行けなかった県、山形県と秋田県へ行ってみたいと思いました。東北、ハマるんです。

名古屋まではおなじみの東海道本線なので割愛します。中津川での乗り換えでは初動が遅れた&18きっぷシーズンだったものの、ダッシュせずに窓側に着席できました。日頃の行いですね。

以前は塩尻からも普通列車で乗り通したのですが、今回はもうええやろ、と特急を使うことにしました。塩尻からあずさ…でも良かったですが、塩尻を通過するあずさに乗ってみたかったので、一度松本まで上がりました。今はこんな車両になってるんですね。

画像1

車内の座席案内灯が新鮮でした。予約済み区間、もうすぐ乗客が来る区間、空席区間とライトで知らせてくれるんですね。ハイテク。

いわゆる速達型のあずさで、塩尻も通過しますがそのほかの駅もたいていは通過します。せっかくの特急なので速い方が好きです(子どもですね…)。ちなみに今回は「えきねっと」にて早めに予約したので、そこそこの割引を受けて乗ることができました。皆さんもぜひご活用を。

一つだけ、ブレーキがかかった時の音が京阪電車8000系の警笛の音の高さに似ていて、毎回警笛を鳴らされているような気分になってあんまり落ち着けなかったのが心残りです。

立川で特急を降り、中野まで乗りました。イベントを満喫してQOLを爆上げした後、翌日の行程のため当日中に高崎へ。初めての群馬県となりました。高崎は新幹線と高崎線の存在がデカそうですね。

◆Day 2◆ 上越線で内陸山間部を北上する

この日はまず上越線に乗ることにしていました。水上から先の本数が少ないので、早くから移動するならば7時過ぎ発の列車しか選択肢がありません。本数の少ない区間を行くときは一択になりがちです。上越線なので、行先を表示する幕もスカイブルー。そういう表し方なのか。

画像2

水上までは、やはり田園風景が広がっていましたが、徐々に標高が上がっていくのを感じました。水上からはさらに、山の方に入っていきます。

土合駅の下りホームは山中のトンネル内にあります。7月だったので外気温よりもトンネル内の温度の方が低く、扉が開くとひんやりした空気が入ってきました。写真は急いで撮ってブレブレです。

画像3

涼しいトンネル内を10分以上走っていたので、トンネルを抜けると窓が結露して面白かったです。夏には普段見ることのない光景ですからね。

さすが米どころという感じで、越後湯沢からは一面の田んぼです。こういう景色は、自分の住んでいるあたりではなかなか見られないのでテンションが上がります。家の屋根の勾配が大きいというのも土地柄を感じさせます。

画像4

越後湯沢駅でほくほく線の超快速が停まっていました。一度乗りに行きたい列車です。「超快速」はもちろん日本でここだけの列車種別です。かつて、東京方面からの特急がたくさん通っていたほくほく線は設備も線形も良く、高速で走れるというわけです。と、Wikipediaさんが教えてくれました。

長岡からは快速に乗り換えます。まさかの国鉄型115系じゃありませんか。ドアは手で開けていくスタイルです。

画像5

新潟までの車窓ももちろん田園風景です。見附市、三条市、加茂市と意外とたくさんの市があるんですね。

狭めのボックスシートで揺られつつ、新潟駅に到着です。ホームの高架化の真っ只中ということで、新しい高架ホームに降り立ちました。2020年1月に行った時は逆に旧地上ホームに入線しましたが、その記録はまた書きます。

さらに北へ向かうべく、白新線経由の村上行きに乗りました。白新線沿線は想像していたよりも住宅地が続いていたと思います。途中の坂町駅で列車を降りました。

米坂線と奥羽本線で山形蔵王温泉へ

坂町駅はいかにも分岐駅という雰囲気で、大きなターミナル駅ではなかったですが、ひとまず駅前の定食屋さんで山菜うどんをいただきました。さて、ここからは米坂線(よねさかせん)に入ります。本数が少ない。

画像6

「米」と「坂」なので、後者はもちろん坂町ですが、前者はというと、米沢なんですよね。新潟県と山形県、そこでつながってたのか。今までの生活で聞いたこともなかった名前の路線に乗る瞬間、わくわくします。

単線非電化1両と、まさにローカル線という感じです。坂町からはしばらく田園風景が続いたのち、少し山あいに入って行きました。途中の今泉では、山形鉄道の列車と連絡します。こっちもいつか乗りに行ってみたいなーと。
※山形鉄道は2020年1月の旅行で全線乗ることができました。

画像7

もう少し列車に揺られ、米沢に到着しました。そこで初めて生で見た衝撃の光景が…!ただの普通の在来線ホームに大きな新幹線車両が入ってくるではありませんか。知識としては聞いていましたが、初めて実際に見るととても違和感があります。

画像8

奥羽本線では福島~新庄と、大曲~秋田で新幹線が走っています。ふつう、在来線と新幹線では線路の幅が違うので、福島~新庄では在来線も新幹線の線路の幅に変えられています。在来線の車両も新幹線の車両も、同じ線路の上を走ります。踏切も通ります。かなり新鮮でした。

米沢駅のホームには米沢牛の像がどっしり構えていました。次に来るなら、グルメ旅でも良いかもしれませんね。駅周辺も歩いてみましたが、人通りも少なく閑散としていました。

米沢から山形まで在来線に乗り、山形からは山交バスに乗り換えです。この日のお宿は蔵王温泉です!蔵王バスターミナルまでの道ではどんどん標高が上がっていってわくわくしました。そしてついに…

画像9

到着しました!標高が高いので、真夏ながら涼しくて気持ち良かったです。
※写真は翌朝に撮影したものです。

しばらく周辺を散策しましたがすぐに暗くなってしまいました。お宿までは真っ暗で急な山道を10分ほど歩く必要があって、ちゃんと辿り着けるのか?本当にお宿があるのか?とヒヤヒヤしましたね。結局無事に到着し、温泉を満喫できました。

◆Day 3◆ 夏の蔵王を歩く

蔵王と言えばスキーとか樹氷とか、冬のイメージが強いと思いますが、夏に行っても充分楽しめました。上にも書きましたが、私の住んでいる地域からすると涼しくてとても過ごしやすかったです。

まずはロープウェイでさらに上のほうへ。雲の中を抜けるという体験ができました。雲を見下ろした山の上は気持ち良い!

画像10

時折、雲が流れていきます。既にたくさんのトンボが飛んでいました。

冬はスキー場になる坂道を下ってしばらく歩くと、大きな池が目の前に現れました。壮大な自然、という感があります。たまに大自然にふれると気分がリフレッシュしますね。

画像11

ロープウェイで山を降り、最後にまた温泉に浸かりました。バスに乗り込み山形駅まで戻ります。山形駅からは新庄駅まで在来線に乗りました。新庄駅では検測用気動車East i-Dが留置されており、初見だったので、新車か!?などと一瞬思ったり。

新庄駅周辺も少し歩いてみましたが、閑散としていました。駅前にからくり時計がありましたね。ここからは秋田行きに乗り、さらに北上します。

奥羽本線で内陸山間部を北上する

横手あたりではちょうど下校の時間帯と重なったようで、地元の学生さんが多く乗ってきました。混んでいる車内から風景を撮るのはなかなか気を使うので、この辺の写真はほとんど撮っていません。田園風景の中に突然イオンモールが出現してびっくりしました。

大曲から秋田新幹線の線路と並走し、秋田に到着です。初めて秋田県に降り立ちました!1時間ほど時間があったので、稲庭うどん比内地鶏親子丼をいただいて秋田を食しました。きりたんぽ鍋も食べたかったけど。

秋田からは青森まで乗り換えなしで行ける最終快速に乗りました。時間帯も遅いので、街の明かりもない暗闇の中を爆走していく列車となっています。大館までに乗客がどんどん減っていったこともあって、乗っていてちょっと心細かったです。弘前からは逆に、乗客が増えてきました。

画像13

青森県で初めて降り立った青森駅前は、まだ22時半でしたがもうお店がほぼ閉まっていました。夜の青森の気温は20度を切っていて、ペラペラの服ではちょっと肌寒く感じるほどでした。ほんまに7月か?緯度が違うとここまで変わるものなんですね。

画像12

そういえば青森駅は2021年3月から新駅舎になったんですね。そのうちまた行く機会があるはずなので、見に行ってみたいと思います。

◆Day 4◆ リゾートしらかみで五能線を堪能

朝からは観光列車「リゾートしらかみ」に乗車しました!この観光列車は、時刻表の臨時列車のページをめくっていて発見したものです。

五能線に乗ってみたいとは思っていたものの、本数少なくて厳しいかな…と落胆気味に。そこで目にした「臨時列車は黄色のページをご覧ください」の文字!え、五能線に臨時列車あるんや?

見ると、青森から五能線経由で秋田まで乗り通せる、リゾートしらかみ号の存在を初めて知りました。これは乗らざるを得ないなと。もし時刻表を見ていなかったら、知らないままでしたね。乗ったのは「くまげら編成」です。

画像14

さて、青森から出発です。窓も足元も広いのでリラックスして車窓の景色を楽しめます。この日は雨予報でしたが、しばらく晴れていました。五所川原あたりまでは、沿線に広大なリンゴ畑が。車内では、三味線の生演奏も聴くことができました。

日本海沿岸に出た頃から雨が降ってきてしまい残念でしたが、千畳敷の散策時間には雨が止んでいて、楽しむことができました。…そう、三味線や散策など、この列車でしか体験できない様々なイベントがあるのです!

画像15

千畳敷駅では15分ほど停車し、その間に周辺をうろうろできます。発車する直前になると、警笛を鳴らして知らせてくれるという配慮も。

深浦駅では逆方向のリゾートしらかみ号「青池編成」との待ち合わせがありました。五能線はさらに日本海沿岸を南下します。海岸のゴツゴツした岩と荒波が、ここでも自然の雄大さを見せてくれました。

東能代駅からは進行方向が変わり、奥羽本線に入るので、田園の中を高速で通過するようになります。しばらくして秋田駅まで戻ってきました。

少し時間があったので街を歩くことにしました。「困った時は城へ行く」をここでも実践し、久保田城跡を発見。早速行ってみました。

画像16

え、これだけ……?

羽越本線で日本海沿岸を南下する

秋田からは羽越本線でさらに下っていきます。羽越本線も基本的に海沿いを走るので、日本海がよく見えます。雨も上がって晴れてきたので、陽光輝く日本海を右手に見ながら進んで行きました。沿岸を離れると田園地帯です。

画像17

酒田からは新津行きの長距離列車でした。本数が少ない新発田~新津も走る列車です。せっかくなので新津まで乗っても良かったかなと思いましたが、今回は新発田で乗り換えて新潟に戻るルートにしました。Day 2 の逆です。

画像18

鶴岡付近でちょうど夕方になり、下校時刻とも重なって学生さんがたくさん乗ってきました。徐々に日が沈んでいきます。

この辺りでは日本海が西側にあるため、海に沈んでいく夕陽を眺めることができるのです。このようなことも考えつつ予定を組んでいくと、さらに旅の楽しみが増えるかと思います。…日が沈む頃になるまでは、ただただ眩しいだけなのですが。

この旅行の一ヶ月前に、この地方で大きめの地震がありました。鼠ヶ関などニュースで聞いただけの地名も、少し身近に感じられました。

画像19

日本海と夕陽の美しいコラボが幕を下ろすと、徐々に暗くなっていきます。新発田駅に到着した頃にはもう真っ暗です。白新線で新潟駅を目指します。

わりと遅くなったので半分寝ぼけながらも、新潟駅に到着しました。駅舎はいかにも昭和のターミナル駅という雰囲気で好きですね。ですがこちらも、そのうち撤去されるとのこと…。撮っておいて良かったです。

画像20

万代橋まで歩いて、夜の阿賀野川を眺めました。晩御飯には近くの居酒屋で美味しい海鮮と日本酒を楽しみました。お魚がうまい。お酒もうまい。

◆Day 5◆ 弥彦線と彌彦神社

最終日は朝から、新潟駅構内にある「ぽんしゅ館」でお土産を漁りました。買って帰った値段もお手ごろの「真野鶴」純米吟醸がとても美味しいお酒で感動です。新潟に行ったときに必ず買いたいお酒になりました。

日本酒の話になりますが、4合で1,500円強の辛口純米吟醸にハズレはないと勝手に踏んでいます。実際、普段は試飲せずこれを基準に買っていますが、今のところほぼ間違いなく美味しいお酒に当たっています。皆さんのご意見いかがでしょうか。

新潟からは越後線に乗り、南下していきます。相変わらずの田園風景です。内野から吉田まではほとんど乗客がなく、閑散としていました。吉田で乗り換えて弥彦方面へ。弥彦駅は彌彦神社の最寄り駅となっています。

画像21

弥彦駅の駅舎が神社風でした。この朱塗り感、京阪の伏見稲荷駅やJRの稲荷駅を思い出しますね。

画像26

彌彦神社の夏祭りが近日中にあったらしく、幟や提灯が出されていました。弥彦駅からは上り坂もあり、少々遠かったように思います。参拝を終えたら駅に戻り、再び弥彦線へ乗り込みました。今度は逆方向、東三条方面の列車です。

吉田では発車まで30分以上の待ち時間がありました。これほど長く待つのは初めてで、いかに暇をつぶすか、という時間でもありました。で、その間にいろいろと調べていると、隣り合う燕市と三条市のいざこざについて知識が増えました…。気になる方はWikipediaをご覧ください。

途中駅である燕三条駅は、上越新幹線の駅であるにもかかわらず、弥彦線のホームが1面1線の簡単なもので驚きました。これで新幹線に乗り換えできる駅なのか…。

画像23

お昼には、燕市の名物グルメであるらしい背脂ラーメンをいただきました。

旧北陸本線ルートで日本海沿岸を南下する

弥彦線を東三条まで乗り、信越本線で長岡から直江津へ向かいました。ここからは、高校の卒業旅行ぶりに通過する旧北陸本線ルートで進みます。北陸新幹線の開業で金沢まで第3セクター会社線となってしまいましたが、沿線風景の美しさは変わりませんね。

画像24

えちごトキめき鉄道の列車で泊駅まで乗車します。JR時代には電車が走っており、今でも電気機関車の貨物列車が通過しますが、トキ鉄の列車は諸般の事情でほとんどが気動車、すなわち電気を使わない列車となりました。車窓からずっと見える日本海は相変わらず綺麗です。

画像25

泊駅からはあいの風とやま鉄道の列車に乗って、富山駅まで乗車しました。ここではJRの車両を流用しており、車両の新鮮さはありません。

以前来た時は地上ホームで高架工事中だった富山駅は、新幹線と同じ高さの高架駅となっていました。今風のホームという感じがします。ここには上げませんが、高校の卒業旅行の時に撮っていた旧ホームの写真がありました。何でも記録に残しておくべきですね。ますのすしは売り切れていました。

富山から金沢までさらに乗り、金沢からはサンダーバードで一直線。無事に京都まで戻ってきました。特急は速い。北陸新幹線が開業したらもっと速く便利になるんでしょうね!


今回は、内陸も沿岸も通って東北日本海側をぐるっと移動していきました。蔵王や日本海といった雄大な自然にもふれ、さらに東北の魅力を発見できた旅だったかなと思います。

次は、台風で一日つぶれてしまった山陰・中国地方の記録を書きます。

気に入っていただいた方へ:サポートしていただけると大変喜びます。 皆さまのサポートで、私の行動範囲がさらに広がるかもしれません!