見出し画像

旅行記 / 阿蘇・大分 九州の中央を西から東へ横断 (2023/08)

雄大な自然と個性的な街を巡ってみました。


前回のよさこい祭りと阿波おどりから帰ってきて、翌日に合唱の練習に出てその夜にまた出発となりました。もう体力任せです。

まだ乗ったことのない豊肥本線や南阿蘇鉄道は熊本地震から無事に復旧した路線で、これらに乗りに行けるのが楽しみな回。そして阿蘇では雲海を見るチャレンジも…?では早速夜行バスでスタート!


何に乗って、どこへ行ったか

● 主なJR路線:鹿児島本線、豊肥本線、日豊本線、山陽本線、山陽新幹線、東海道本線
● 主な私鉄路線:福岡市地下鉄、熊本市交通局、南阿蘇鉄道、スカイレールサービス
● 主に行った場所: 熊本城、阿蘇山大観峰、宇佐神宮、中津神社、門司港レトロ
● バランス:[観光] ・・★・・[鉄道]
 

◆Day 1◆ 熊本城と豊肥本線

夜行バスだとSAでどうしても目が覚めてしまいますね。というかSAに入っていく前から目が覚めるので、何やらその気配を察知しているのかも…?

午前4時40分に小倉に到着。この夜行バスには乗ったことありますが、朝一から動かざるを得ずなかなか大変です。重宝しているんですけどね。


小倉から博多まで出て、地下鉄の七隈線を乗りつぶしておきます。博多までつい先日(2023年3月)延伸したばかりで駅自体がめちゃ綺麗な上に、天神南までわざわざ歩かなくてよくなったのが嬉しいですね。

七隈線では駅ごとにシンボルカラーやマークが設定されている様子。地下鉄だと車窓は何もありませんが、こういうところで楽しめます。

終点の橋本駅で折り返し。一日乗車券で簡単に元が取れるのがありがたい。復路の桜坂駅で非常通報があり、車内のLCDやホームでも自動表示や放送で対応していたのが印象的でした。あまり長時間停車されると後の旅程に影響するのでちょっとヒヤヒヤでしたが…。


さて博多からJRに戻って南へ進みます。しょうもない話ですが、ここからの鹿児島本線で出てくる二つの駅「荒木」と「荒尾」の違いが未だに分かっていません。「荒」が付くし距離的にも近いし、さらに両方が列車の終着駅になっているというのもややこしいポイントです。

鳥栖から先の鹿児島本線に乗るのは実に4年ぶり。初めて九州に上陸した時以来ですね。途中の大牟田で乗り換えて熊本へ。ここで一旦、熊本城を観に行こうと路面電車で市街地まで出ました。熊本駅前から乗ると激混みなので始発の田崎橋まで歩くのが得策です。

熊本地震で崩れた石垣やひび割れた壁などを見学しました。まだまだ復旧中であるためルートも特別仕様。巨大な歩道橋を歩きながら見て回ります。

新水前寺まで市電で移動してから豊肥本線の未乗区間に乗りに行きました。住宅街の横を走って肥後大津に到着。ここから先は非電化なのでディーゼル車両となります。そして急に山岳に入った感じ!標高を上げていきました。途中で赤牛のミニ放牧もありました。

立野はスイッチバックで有名な駅。ホームからはスイッチバックの全体像は分かりにくいですが、両方面行きの列車が同じ方向に出発する面白さがあります。信号機に「熊本」「大分」と書いてあるのがポイントですね。

ちなみにこれは「大分」方面の列車ですね!

全線復旧した南阿蘇鉄道に乗る

さて、立野からは全線復旧して当時わずか一ヶ月の南阿蘇鉄道に乗ります!熊本地震の被害を受けて大変だったようですが、この度めでたく運転再開となりました。どんな景色が待っているのでしょうか?車両も何やら新しい。

立野を出て早速の白川第一橋梁!めちゃ高い!

こんな感じの壮大な景色とはすぐにお別れ、その後はのどかな田園を走っていきます。今回は時間的に乗れなかったのが残念ですがトロッコ列車もありますよ!見晴台では謎のカカシたちがお出迎えしてくれました。

終点の高森に到着して南阿蘇鉄道を完乗しました!晴れてて良かったです!第3セクター鉄道の乗りつぶしで残っているのは、同じく熊本のくま川鉄道のみとなりました。くま川鉄道の早期復旧も願っております。

高森の旧駅舎は工事中。綺麗な新駅舎には運転再開を祝う色紙やメッセージボードがたくさん!多くの著名な漫画家の色紙が貼られており駅全体が祝賀ムードです。私はお土産にクリアファイルと絵はがきを購入しました。

帰りはONE PIECEコラボ車両併結で、子ども連れもたくさんで大混雑です。行きはそうでもなかったのにどこからこんなたくさんの人が!?

自分はそれよりも後ろのレールバスに乗りたかったので迷わず乗りました。こちらも激混みでしたが…。

復路はうってかわってどんどん標高を下げる。明知鉄道も沿線はこんな感じでしたね。山に向かう鉄道あるあるでしょうか。

そして行きも帰りも両替機の小銭が枯渇する車両が発生!ものすごい盛況っぷりです。十円玉も当然出て来ないので、正規の運賃は490円ですが帰りは500円入れておきました。両替を待っていると乗り継ぎに間に合いません。

レンタサイクルで阿蘇めぐり

立野から再び豊肥本線に戻っていよいよスイッチバックを通ります!各地のスイッチバックを実際に乗って体感していますが、何度乗っても面白いものです。まあ、たまに乗るから良いのでしょうね…。

そしてさらに標高アップ。横の道路も新しい雰囲気で、こちらも併せて復旧されたようです。

立野と隣の赤水の標高差は何と190メートルあるとのこと!赤水まで乗ってから交換列車で折り返す人も何名かいました。乗り通しはせずともスイッチバックは乗っておく、ということですね。


この日は阿蘇で泊まるので列車に乗るのもここまで。駅からバスで内牧温泉方面へ向かいました。土地の使い方が何やら北海道を思い起こさせます。

宿に荷物を置いてから近くにある「CLAMP」へ自転車を借りに行きました。ここではマウンテンバイクを一泊二日で借りることができます!運が良いと早朝に雲海を見られることがあるので、そのための貸出でもあります。私もそれを目的に借りました!

翌朝に向けて、慣れにちょっと漕いで周辺を巡ってみました。色鮮やかな緑!良い景色です。こんもりした米塚にも行ってみようとしたものの、坂がキツすぎて断念…。

宿に戻る途中、踏切でちょうど列車がやって来そうだったので撮影!…も、あと1分というところで太陽が山の陰に隠れてしまって全体が暗めに。もうこれは地球を恨むしかありません。

晩御飯は「なぽれおん」でもつ煮込み定食にしました。旨い!ご飯がめちゃ進みます。本州は台風がどうのこうのとニュースで流れていて、タイミング良く九州に逃げて来られたな(?)と思いました。

翌朝には宿から阿蘇駅までの送迎があるようなので申し込んでおきました。これはありがたいですね。

◆Day 2◆ 雲海チャレンジ!

カルデラを囲む山上にある大観峰で雲海が見えるのを期待して3:30に起床、4:15に出発。日の出は5:38。私の旅行史上、一番の早起きです。天気予報を見ても空を見ても何も分からないのでとりあえず出発しました。

宿を出たときは真っ暗で道路を一人で走るのにビビっていましたが、次第に明るくなってきて車やバイクの人も道中増えてきました。天気はというと、霧雨が降ってきたり、大観峰も霧ががっているように見えたりと不安ですが果たして…?


5:18に大観峰に到着!それにしても1時間に及ぶ結構な登坂は普通にキツく、汗かきまくりの息切れしまくりでした。車とバイクで訪れている人々は大勢いましたが自転車は自分だけかも。「チャリで来た」証拠に、一緒に写真を撮っておきました。

そして肝心の雲海は…うーん、厳しい!雲はあるけどこれは曇ってるだけ?下界はそれほど見えないし、そもそも日が昇っても周囲が明るくならず…。

というわけで残念ながら雲海チャレンジは失敗に終わりました。ドン曇りの下界を見下ろしながら食べるコンビニのおにぎりは格別…だったかどうかは分かりませんが、お腹も空いてたためかいつもより美味しかったです。

しばらく晴れそうにもないし風も強まってきました。仕方ないのでそろそろ撤退しましょう。帰り道では放牧中の牛を発見!こちらも朝御飯タイムですね。


少し下りてきたら大観峰周辺を覆っていた雲の下に出て、下界もよく見えるようになりました。帰りはオール下り坂なので時間も疲労も段違いに少なく戻ることができました。逆じゃなくて良かった。

「CLAMP」に自転車を返し、宿の天然温泉に浸かって漕ぎ疲れた身体を癒します!最高です。

阿蘇の駅まで送迎してもらってから、列車までの待ち時間で近くにある道の駅の売店へ。地元の高校生がプロデュースした赤牛サンドやら阿蘇牛乳やら美味しそうなものをいくつか買いました。あとで列車でいただきましょう。

あそぼーい!から雄大な景色を眺める

天気は変わらずドン曇りでしたが、ここからは大分まで特急あそぼーい!号パノラマシートを楽しみます!

車両自体は年季が入っているものの、車内は水戸岡氏デザイン車両あるあるの感じでした。全国どこへ行っても同じデザインなのが寂しいですが…。

パノラマシートはみどりの窓口で予約が必要です。今回は阿蘇の山々を背にして走るので最後尾のパノラマシートを予約しておきました。運良く最前列が空いていて良かったです!

座席はリクライニングしない小さな椅子、といったところですがパノラマが素晴らしい!広いし、窓の角度的に車内の反射が少ないのも嬉しいポイントですね。雄大な自然を眺めながらさっき買った昼御飯をいただきます。

雑木林やトンネルを走り抜けていきます。ずっと惰性走行っぽいので、もうおそらく下りですね。そしてスマホは圏外…。

豊後竹田を出て久しぶりにエンジンをふかし始めた音がしました。この辺りでは道路も近くで並走していますね。また、観光名所「東洋のナイアガラ」は緒方が最寄り駅らしいですが今回は見送り。またそのうち訪れたいです。


列車の交換待ちの間に車内を探検。親子で二人一席のような珍しいタイプの座席もあり、子ども連れには嬉しい造りとなっています。

そして岡山などに登場するキャラ「KURO」の本名が「あそ くろえもん」ということを初めて知りました!2歳らしい。

三重町からは列車は北に向かって走行。路線図でよく見る、東西方向の路線というイメージとは全く違います!何なら若干西向きでもあり、位置関係がよく分からなくなってきました。

この列車の終着駅は別府なのですが、大分〜別府は特にパノラマで見るほどでもないかなと大分で降りることにしました。しかもその方がちょっと安いので…。まあ早く着いたところで次は結局同じ列車ですからね。

初めてUSAに足を踏み入れる

別府でも温泉に行けるほどの余裕はないので、ダラダラとホームで乗り換え待ち。次に乗るのは特急ソニックです!

遠くまで行かずに少しだけ乗車して降り立ったのは…そう、USA!マイナーですがちょっと行ってみたかったUSA。初めて足を踏み入れることができて嬉しい。

…もちろんUSAはアメリカではなく、大分県宇佐市。歴史ある街で宇佐神宮なる神社もあります。駅は京阪伏見稲荷のような朱塗り柱でした。駅名標のマークからしてアメリカを意識しまくっていますね。

宇佐の市街地は四日市というバス停が最寄りとのことで、駅自体は街外れにあることになります。そして豊後高田も実は近いそうです。この辺りの地理にはさすがに疎いので新鮮ですね。

早速バスで宇佐神宮へ向かいました。思っていたよりも規模が大きい!…というのも当たり前で、ここが八幡さんの総本宮らしいです。へぇ。

当時は改修中の部分も多く、復元予想図の描かれたスクリーンが足場の前に垂れ下がっているだけという建物も。想像で補完しておきましょう。

参拝は出雲大社と同じく二礼四拍手二礼。そして春日大社のように周りには遥拝所もいくつか見られますね。

歴史はあれど最新技術も導入されており(?)、LEDの入った常夜灯がありました。昔ながらの石造りの常夜灯とは思えないバチバチの明るさで周囲を照らしているという、何やら滑稽な感じ。ちょっと笑いそうになりました。

再びバスに乗って駅まで戻りました。

諭吉の故郷とレトロな門司港

宇佐を後にして次は中津へ。ここは唐揚げ以外では福沢諭吉が有名で、駅の中は諭吉だらけ!みどりの窓口にも貼ってあります。でもつい最近、一万円札の肖像の座は渋沢栄一に取って代わられましたね…。

ぶらぶらと街歩きをするも、中津城や福沢諭吉記念館は17時で閉館するため中を見る時間はありませんでした。これは仕方ない。

そして地図を見て知ったのは、中津が思いのほか福岡県に近いということ。この辺りはかつては豊前国として一体だったんですね。

中津から直通の門司港行きに乗って終点まで。夜に門司港に来るのは初めてです。ホームの雰囲気からして早速「レトロ感」を醸し出しています。

駅舎も美しい。暖色系の明かりがよく似合います。

門司港といえば門司港地ビール工房、ということで再訪してみようかと思い立って行ってみたところ…お店自体がなくなっていました!これは悲しい。代わりに「伽哩本舗」で焼きカレーと地ビールをいただきました。

食べたら満足したので小倉の宿へ直行。展望台へ上って夜景を見る、というプランもあったのですがもう疲労がピークで体力が残っていませんでした。前回の四国からほぼ続けざまなので無理せずにいきましょう。

◆Day 3◆ 久しぶりの山陽本線ほぼ乗り通し

最終日は山陽本線ほぼ乗り通しが旅程の大半を占めています。もう帰るだけです。たまにはひたすら列車に乗るのも原点回帰感があって良いでしょう。

徳山~岩国は他区間に比べて乗った回数が極端に少なく、かなり久しぶりで楽しみです。そして岡山で気力が尽きる予定なので、岡山~相生は新幹線に課金します。

新山口を出たぐらいから青空が見えてきました。徳山で30分ほど停車。岩国までの途中駅の雰囲気が、過去の記憶と何となく違う気もするのですが…。まあ記憶違いでしょう。とにかく晴れてて瀬戸内海が綺麗!

そして今更ですが、静岡の大雨でどうやら東京~博多が止まっているらしいという情報を得ました。これは大変!岡山~相生で課金するかどうかも考え直したほうが良さそう。

広島の辺りでは、踏切事故防止キャンペーンの車内放送で広島カープ森下&堂林の録音放送がありました!野球ファンにはたまらない仕掛けです。少し東へ進んで瀬野で途中下車しました。

惜別・スカイレール!

この日一番のイベントはスカイレール乗り納め2年前に乗りに行って以来なのですが、記事執筆時点では既に廃止され、バスによる輸送に変更されてしまいました。設備が特殊なので老朽化した際の維持も大変なのでしょう。

廃止ともなれば券売機ですら記録しておきたくなります。1乗車170円で、QR形式のきっぷでした。今でこそ私鉄などで導入の動きが見られますが実はここが最先端だったのかも…?

鉄道でありながらもアトラクション感もあるのが面白いですね。前面展望も欠かさずにしておきます。

もうおそらく来る機会はないので、心ゆくまで乗っていろいろ撮りまくっておきました。良かった!記念スタンプも押させてもらって満足。

瀬野から糸崎で乗り換えて岡山へ。窓側でゆったり移動しました。さて岡山から相生は新幹線に課金予定だが…どうせダイヤはめちゃくちゃ、おそらく激混みなので在来線で突っ切った方が案外楽かも?と思いつつ新幹線の走行位置を見てみると、こだま&ひかりが良い感じの位置に。これはタイミング良いのでは??

この思い込みが失敗でした。ひかりに乗れたのは良いものの乗務員手配すらまだだそうで…。これはしばらく動かないですね。


待つこと1時間、のぞみは2本だけ何とか発車しているものの、新大阪の折り返しが間に合わずホームが空かなくて詰まっているそう。そりゃ動かんわ。確かに東京から来る分も相当数捌かないといけないので大変です。恥ずかしながらそういう視点はここまで持てていませんでした。

そして優等じゃない列車は発車順序が遅らされがちなのでしょうか…。乗り込んだひかりも何本か後になりそうなので諦めて、のぞみで新神戸まで乗ることにしました。新大阪にするとホームも改札も混みそう、そもそも入線に時間がかかるだろうという予想です。

乗ったのぞみもスイスイ進むわけにはいかず、相生の手前にあるトンネルのカーブで抑止!カントの傾きを感じている横を下り新幹線が爆速で通過していくという、なかなかスリリングなイベントでした。


うーん、結局は在来線だけで帰ってきても大して変わらなかった様子。状況から先の動きを読めていませんでした。反省。長時間の運休後は新幹線には乗るべきではない、これは教訓にしておきます。


今回は、熊本から大分まで九州を横断してみました。阿蘇の雄大な自然や、大分の個性ある街など楽しめた部分がたくさんありました。ここだけでなく他にもまだまだ訪れることができていない土地や街があるので、タイミングを見計らっていろいろと行ってみたいですね。

次は、おわら風の盆を観に行った話を書きます。

気に入っていただいた方へ:サポートしていただけると大変喜びます。 皆さまのサポートで、私の行動範囲がさらに広がるかもしれません!