我が家の絵本の長さくらべ
去年あたりから、文具コーナーで、横長のノートを見かけるようになった。文具が好きな方の間で流行っているらしい。
残念、もっと早く見つけていれば……。用事があって、同じようにB4のノートを真ん中で切って、横長のノート2冊にしたのを思い出した。残り半分の使いみちが見つからないまま引き出しにしまっている。
横長に綴じている本は、
本を開いたまま、はじっこを持つと、破れてしまいがち。
中身を持つと、糸がほつれがち。
ページが折れがち。
同じ理由で学校の教科書やノートは縦長が多いのだろう。
それでも、算数のノートも、五線譜のノートは
丁寧に、ゆっくり、大きく線をひいて練習をする最初のうちは、横長。
しばらくすると縦長のノートを使うようになる。
縦長のほうがたくさん字を書けるし、子どもが扱うので、縦長の方が丈夫で安心だ。
自分の時代は、小学校低学年の音楽の教科書は横長だった。
いつの間にか、今は最初からA4縦だ。
横長で、教材として広く使われているのは、一部の高校の社会の資料集ぐらい。
テーマ別に同時に眺める必要のある年表は、横長の方が合う。
縦長の絵本の方が丈夫なのに、あえて絵本の著者が横長にチャレンジする理由とは?
うちにある絵本をひっぱりだして、何故横長にしたのかを考察した。
【福音館書店の絵本シリーズ】 縦長のものと、横長のものがあり、サイズが統一されている。そのうちの横長を抜粋。
『はしれ、きかんしゃちからあし』
うちの子どもが大好きだった1冊。最初のページで、新車の蒸気機関車が走りだし、戦前、戦中、戦後と働き続け、最後のページで役目を終えて、停車する。ページをめくるごとに時間の経過を感じられる。
『ぐるんぱの ようちえん』
主人公がぞう。主人公の鼻が長いから横長画面の方が収まりやすい。このほか、ヘビ、あおむしなどの主人公の場合も横長サイズと相性がよいのか、横長絵本でよく登場する。ぐるんぱが全身で画面に入ることによって、彼の身体が大きく、他が小さいという対比がわかる。
もしも、ぐるんぱの絵本が縦だったら、余白が広くなりすぎて、孤独を埋めきれないだろう。
『おばけかぞくのいちにち』
主人公がおばけで、空高く飛ぶことができる。今ならドローンの映像を見たりすることができるが、高いところからの夜の町の俯瞰は、横長ならでは。大人でもわくわくする。
『レナレナ』ハリエット・ヴァン・レーク作 野坂悦子訳 朔北社刊
手書きのテキストが並ぶ絵本。テキストをむやみに細かく改行したくない。かといって、文字を小さくしたくない。という気持ちがあふれている。
『ピンポンバス』竹下文子作 鈴木まもる絵 偕成社刊
駅を出発するバス。お客が乗り降りし、変化する景色。終点まで運転手さんとともに車窓の移り変わりを楽しめる。
『クレリア~えだのうえでおきたできごと』マイケル・グレイニエツ作 ほそのあやこ訳 セーラー出版刊
主人公が横長の小さな虫のため。舞台となる背景は変わらず、主人公が伸び縮みする。
ちなみに、うちで一番長い絵本は、クリスマスの本だ。
『ほしのひかったそのばんに』 わだよしおみ作 つかさおさむ絵 こぐま社。
サイズは14×31ミリ 1966年に初版が出ている。
とにかく細長い。
学校などに昔あった、31枚ある、日めくりカレンダーを(今もあるのでしょうかねえ)、横長にしたサイズ感。
表紙には、赤地に金色の印刷がしてある。
日焼けさせないように、うちでは、クリスマスの時期以外は、大事にしまっている絵本。
クリスマスってなあに ディック・ブルーナ 講談社
サイズは27.5×13.5ミリ うちにある絵本のほかに、どんな横長の絵本あるかと調べていたら、この本が出てきた。横長サイズ。
もしかしたら、クリスマスと横長の画面は、何かが関係するのだろうか? 絵巻物のよう。
海外では、横長のクリスマスカードもたまに見かける。日本では定形外になってしまう。
まとめ
横長の絵本は乗り物との相性がよく、旅が合う。→(やじるし)が合う。
時間の経過。
場所の移動。
主人公の都合。
長い文を改行したり、区切りたくない。
などの理由がある。
横長のマンガだって作れるはずだ。
コロコロコミックのように分厚くはできないけど。
ドラえもんが横長だったら、
スネ夫さんも、スネ夫さんが操作するラジコンカーも、
横長の画面の中で、違和感なく前進しつづけるだろう。
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