仕事部屋の思い出~アトリエを描いた絵本・3
畳の部屋は、持ち主がいなくなった後も、そのままだった。
壁2面に本棚があり、突っ張り棒でとめてある。亡くなったあと、だいぶ処分したと言っていたが、本がたくさん並んでいた。アトリエではなく、仕事部屋といった方がよい。分厚い歴史の本が多かった。資料をまとめたスクラップファイルも並んでいた。義理の祖父とはあまり話をしたことがなかったのに、自分がここにいるのは不思議だった。
窓に向かって長机が置いてあった。机の持ち主は『海のアトリエ』の登場人物とは違い、画家でなはかった。絵の具の代わ