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CIPP/Eを受験してみた (育休中)

こんにちは。今日は医ケアから離れて仕事関連のお勉強の話です。
現在育休中ですが、お仕事関連の資格試験、CIPP/Eを初受験して無事に合格できたので、私なりにこういう勉強したよ、ということを書いてみたいと思います。

CIPP/Eとは

IAPPという団体が実施している、プライバシーの専門性にかかわる資格試験のひとつです。なかでもCIPP/Eは、ヨーロッパのプライバシー法令であるGDPRを中心に、ヨーロッパにおけるプライバシー分野の専門性を問うものです。言語は英・仏・独。私は英語で受験しました。

前提条件と受験動機

私はお仕事でプライバシー関連法令を扱っています。メインは日本法令ですがGDPRもたまに使う程度です。ちなみに英語は直近のTOEICで895点。語彙力は低め。
プライバシーやる人は比較的受験することが多いこと、ずっと受けたいと思いつつ受けられていなかったこと、育休から復職するにあたりリハビリやどれくらい育児しながら仕事ができそうかを図りたかったということもあり、受験してみました。

使った資料

  • 公式問題集 CIPP/E Practice Exam Digital

  • IAPP非公式テキスト(Kindle) GDPR関連資格CIPP/E準拠 詳説GDPR - GDPRとCookie規制(浅井 敏雄著)

  • GDPR前文・条文 個人情報保護委員会の仮訳版

  • ガイドライン 個人情報保護委員会の仮訳版

テキストは日本語で書かれています。IAPPの公式テキストをほぼ網羅していて、日本語で勉強できるので便利。重要ワードは、英単語を表示してくれている(例:明確な同意(explicit consent)など)ので試験にも対応しやすいです。Kindle Unlimitedで読めるので、サブスクしている人は特におすすめ。
公式問題集は最新のものをIAPP Storeでデジタル購入しました。
その他、Amazon Unlimitedで見つけられる、非公式問題集もDLしてみたのですが、英語の文章や問題自体の雰囲気が公式問題集と若干異なりました。時間の制約があり取捨選択の結果、1〜2問でギブアップしましたが、時間に余裕があればこれを使って知識を深めてもいいのかもしれません。

勉強スケジュール

  • ステップ1:公式問題集を1周→1問解いては解説を読み、そこで引用されている条文や分野のテキストを読む。ややこしい情報は表を書いてまとめたり、丁寧めに進めました。

  • ステップ2:公式問題集を2周目。解説を読むのにかける時間は減らしました。引用されている条文は見るように心がけました。

  • ステップ3:条文を精読1周。ステップ1で見た条文も多いけれど、時間はそこそこかかりました。定義文言、条文の中でキーとなっていそうな箇所やワードは、英語での表記も確認。なお前文は読む余裕ありませんでした。公式問題集を解く際に関連部分を見る程度。

  • ステップ4:テキストを1周精読。この辺りまで来ると、何度も出てくる単語やトピックへの土地勘みたいなものがついてきました。条文を一通り精読しているので、完全に知らない分野はないのでだいぶ楽になります。テキストではガイドラインやGDPR以外の法令なども出てくるので、その穴を埋めるイメージ。引用されている判例は、試験の設問でも応用がきくのでちゃんと読んでおきました。

  • ステップ5:公式問題集を3周目。最初は全部解こうとしたのですが時間が足りないことに気づき、1〜2周目で誤答したり、自信がなく答えて正解だったもの(△マークを入れていた)を中心に解きました。

  • ステップ6:覚えておいたほうがいいもの、似たような要件でこんがらがりそうなものを軽くNotionにまとめました。EUの条約や機関を表にしたり、DPOやDPIAの要件とか、時間制限がある条文はどれかなど。試験本番3日前くらいに本格的に一元化し始めたのですが、もうちょっと早かったほうがよかった。

ステップ1の一部とステップ2は、急遽受験することになったTOEICの勉強と並行したので、どれくらい時間をかけたのか正確に言えないですが、ステップ1は1日1~2時間を1ヶ月くらい、ステップ2はおなじく1日1〜2時間を半月くらいかけたと思います。ステップ3は1日3〜4時間を5日、ステップ4は1日3〜4時間を4日。私は文章を読むのが遅いのと2〜30分ずつの細切れ勉強だったので時間が結構かかってしまいました、慣れてる人はもっと短時間で済むかもしれません。。

やればよかったこと

  • 日本語の非公式テキストが比較的古いので(Shrems IIの先決決定前に書かれてる)、それ以降のトピックをあまり深掘りしていなかった。公式テキストの最新版を、英語忌避により読まなかったのは良くなかったと思います。最新版を買って、日本語テキストでカバーできていないところだけでも読めば、もう少し試験本番で頭を悩ませずに済んだかもしれません。

  • 上記と重なりますがが、英語テキストも買って読めばよかったです。問題文中の単語でわからないものが多くて、推測に時間がかかってしまいました。

  • ガイドラインをもっと読むべきでした。ガイドラインも読もうと思いつつ、部分的につまみぐいするしかせず。。テキストで引用されているガイドラインだけでも、さらっと眺めておきたかったです。

試験当日

  • 公開されているハンドブックをみると”Translation dictionaries are not permitted due to exam security. An IAPP translation glossary is provided to test takers taking the translated CIPM and CIPP/E exams.”と書いてあったのですが、特に何も渡されず。言えばよかったのだろうけど気づいたのが着席後で、面倒で求めませんでした。どうすれば使えたのでしょうか。。

  • 試験は思っていたよりもやや難しく感じました。結果としては各分野85%超えるくらいの正答率です。

  • これも公開情報にありますが、前半46問を解いた時点で、それまでの見直しができ、Reviewを終了させて提出したら休憩を15分とることができます(試験タイマーはストップする)。ただし、休憩後は前半46問に戻ることはできなくなるので注意。

  • 終了すると、すぐに結果が表示されます。受付に行くと、プリントアウトした正答割合が書かれたものをもらうことができました。

育児中の勉強

  • 主に搾乳の時間と、夜当番の時間を活用。

  • 搾乳は、現在1日6回、1回あたり20〜40分くらい行っています。ダブルポンプの電動(メデラを愛用)を使っていて、一度始めてしまえば手はあくので、iPadとApple Pencilで勉強していました。

  • 夫と交代で、23時のミルクをあげてから寝る夜当番と、20時くらいに寝て6時のミルクをあげる朝当番にわけて担当しています。夜当番をしばらく私に寄せてもらい、娘が寝静まって比較的作業が少ない時間を確保していました。

  • 夜のスケジュールは、20時にミルク注入を開始、適宜注入のスピード調整をしつつ20時半くらいから搾乳、21時すぎに注入道具と搾乳道具の洗浄・消毒、23時にミルク注入開始、23時半から搾乳、0時すぎに注入道具と搾乳道具の洗浄・消毒、という流れだったので、作業時間を除けば細切れでも合計で3時間弱くらいは確保できました。特に21時すぎ〜23時手前くらいまで、うまくいけば約1時間半まとめてとれるのはとても有用でした。

  • 日中は訪問看護さんやリハビリさんの対応や、家事などがありなかなか搾乳以外の時間は勉強時間としてほぼ確保できずでした。

受けてよかった

復職に向けて頭や体を慣らすという意味でも、受験してよかったです。
お仕事的な観点では、これまである程度必要な箇所は理解していたGDPRを、きちんと網羅的に勉強しなおせたことが一番よかったかなと思います。久しくちゃんと勉強したこともなかったので、プライバシー関連の新しいトピックを勉強するモチベーションや、これから勉強できそう、という自信にも繋がりました。




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