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寝息の瞬に心の声、願い事

Twitterでお題を出されている言葉の添え木様から、お題を拝借して作った詩5編と、オリジナルお題の詩1編をお送りいたします。

言葉の添え木様は現在、オリジナル本を制作中で、タイトルは「お題集」になるそうです!完成が待ち遠しい……!



カーネーションの瞳は

タンパク質のフォトトロピン


青い光をひたすら探して

カーネーションの手をとって

青い光へ、行こう、進もう

青い光を、突っ切って行こう


タンパク質のフォトトロピン

カーネーションの背は伸びる


真っ青な太陽まで、届いちゃうかも



寝息

怒号や呪詛の合間に

途切れ途切れに聞こえるのは

夢の寝息


ノートやスケッチブックの炭

その中から響く

安らかな寝息


諦めても忘れても

寝息が聞こえる

寝ても覚めても

どちらでも

儚い夢



およそ30億秒の一生

たった30億回の一瞬


永遠にも限度があるけど

君と過ごす一瞬が永遠なのは

たぶん真理



次の一瞬はどうしようか

さぁ次の一瞬が、来るよ



心の声

辞書の最初のページから

頭にみっちり詰めた

言葉を次々に衣替え

コーディネートして

声帯へ送り出す

有象無象の嘘の日干し

うろ覚えの歌詞と並べて


心の声に

飾る言葉はいらないそうな


辞書を閉じて

目蓋を閉じて

タンスを閉めたら

失せた心の声、響くそうな


願い事

かざぐるまに折った

願い事の書き置きは

もう通り過ぎた場所で

ダリアと並んで回ってる


願い事は日々尽きなくて

かざぐるまは増えていく

せっせと泣き笑い

第一関節の深さに種を埋める


かざぐるまに祈った

プランターの夏野菜、実りますように



変化(オリジナルお題)

盤石なスタートライン

変更できない車線

高く積み上げてしまったレンガ


もう真夜中が来てしまうから

もう変えられない

でもレンガだけは少しずらそうとして

でもまた諦めて

四角い氷をただ見つめる夜も

スパイラルを想像する


不変の何かが変わろうと、螺旋を描く

進んでは戻るように、スパイラル

ナノ、ピコ、フェムトの極小の変化

ちっとも気付かれずに

スパイラルを試みる


今日も呼吸を続けよう

惜しみなく変わり続けるスパイラルを信じながら



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