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【島日記:3】運び屋は島にいる。

1月16日。早朝の船内は人が多い。

島に向かう船は、島外から小中学校に通う子供たち、
役場などに通勤する人たちで賑わっており。
夏場は海水浴場に向かう家族連れや学生も多く、
レジャー感たっぷりなんだけれど
冬はすこーし、雰囲気がかわる。

ヤッケと長靴。防寒対策バッチリの男性の姿。
長ズボンにネックウォーマーの、アウトドア風の女性。

冷たい海風に頬を打たれつつ島に降り立つと、
軽トラやバンがずらっと並んでおり
数人ずつ乗り込んでは、どこかに消えていく。

わたしも、
船到着に合わせてやってきた軽トラに乗り込む。
なかなか寒そうだ。

今日の仕事は、

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伊予柑収穫。

そう、さきほどの人々は
市内からみかんの収穫アルバイトに来ている人たち。
女性は収穫や箱詰め、出荷などを。
男性はみかんの入った重いキャリーを運ぶ力仕事が
主な任務。
いわゆる運び屋である。(カッコイイ)

興居島に通うようになって、縁あって
みかん農家さんで収穫を手伝えることになった。
打ち合わせや撮影のない日は、みかんに会いにいく。



みかんの国に生まれ育ったので、
慣れ親しんでいるとはいえ、
恥ずかしながらみかん山にいった経験といえば、
観光農園くらいで。

仕事柄、農家さんの取材もしたことはあるけれど
あれらはよそゆきのコメントだったのではないか、
と、今では思うほどに
想像していたより、だいぶ、大変だ。

冬の収穫までに酷暑の夏の作業があること。
いわゆる規格外となる果実の多さ。
ハサミでついた小さな傷や、枝の痕でさえ
細心の注意で選り分けていく目。

素人目には、このくらいいいじゃないですか!
と何度も言ってしまうほど。
そのくらい厳しい目で見ておかないと、
出荷までに傷んでしまう。なるほど。

山の斜面もなかなかのもので
うっかりすると、ずべりっと転ぶ。
はじめて行った時は身体中筋肉痛になった。
体幹大事...

わたしはみかんのことをなにも知らなかった。
お店に並んでいるみかんのなんとエリートなことよ。

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早生の温州蜜柑からはじめて、いまは伊予柑。

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みかんの木の間をわっさわっさとかき分け入る。
温州蜜柑に比べ伊予柑は木も葉もたくましい。
(ヤッケを着てるとどんなとこでも入れる不思議。)

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みかん収穫のあいま、おやつをいただくのも
楽しみのひとつ。
収穫したけど、出荷できないみかんを
わっしゃわっしゃと剥いておやつでいただく。

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剥き方ひとつにもワクワクする。
ムッキーちゃんいらず。

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もぎたてはとてもおいしいのだけど、収穫してから
少し貯蔵したほうが酸がぬけて美味しいらしい。
(確かに、年末前に収穫したみかんは
今とても甘くて美味しい)

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これも伊予柑(規格外)。

中、どうなってんだろ。



いただいたサポートで、ちょっと変な経験しにいってきます。