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愉快痛快「常識のない喫茶店」僕のマリ 読書感想文



「ある日、嫌いだった常連の訃報を聞いたとき爆笑した。わたしにはそういうところがある。ヤフーニュースにも載るほどの著名人であったようだが、店員目線で見れば、むしろよくいままで殺されたりしなかったなと思った。そのくらい店では嫌な奴だった。」

この出だしを読んで本を買うことを即決した。

とんでもねえ本

な予感しかしなかった。

最初は僕のマリさんの2冊目の著書、「書きたい生活」を本屋さんで見かけ、タイトルに惹かれパラパラとめくっていた。
が、その前に上梓されている「常識のない喫茶店」がこれまた面白そうだったので読んでみたくなった。

一言で言えば喫茶店で働く女性のお仕事エッセイということになるのだが、その日常は非日常の連続だ。

変なお客さんがたくさん来店する。
そしてそんな変なお客さんに屈せず、喧嘩し出禁を言い渡す店員とそれを許容しているマスター。
むしろマスターの理念が客と喧嘩して構わない、なのだからぶっ飛びだ。
日本にこんなお店があるなんて、と驚きの連続だった。

はじめは驚きさえしたけれど、自分を大切にしながら仕事に真摯に向きあっている著者や仲間たちは何も間違えてはいない。

私も接客業に従事していた時期があるので、お客様にはよく謝罪をした。
失敗や不利益を与えてしまった場合謝るのは当然のことだが、なかにはこちらは1ミリも悪くないがいちゃもんをつけられたこともあった。若い女ということでなめられたのだと思う。いまならそれも適当に流してしまうけれど、若気の至りで反撃し火に油を注いだ。
上司を出せ!とめちゃくちゃ怒鳴られたけれど、上司にも私は悪くない!と言い切った。

出禁にしていいならしてやりたかった。


時代が令和になっても日本のお店や企業のほとんどは理不尽な客の要求を飲み、必要以上に平身低頭でお客さまは神様です、の精神を感じる。

でも常識のない喫茶店のようなお店がもっと増えたら楽しくなるだろうな、と思うし何より働きやすい社会になるんじゃないか。

嫌なら行かなければいい。はまったくその通りでお店のポリシーに共感する人だけが行けばいいし、それで営業が成り立つならば素敵なことだと思う。

誰かの自己犠牲や我慢の上に成り立つサービスなどあってはならないのだ。


喫茶店を巡っていたらいつかこの「常識のない喫茶店」に出会えるのではないか?

人生の楽しみが一つ増えてしまった。

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#僕のマリ
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#仕事とは
#出禁


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