僕の睡眠が1日に何度も何度も邪魔されることについて
まめ子は僕が寝ていようが構わず、僕のことを触ってくる。僕が睡眠を邪魔された回数ははっきり言って半端ないと思う。
僕が寝てようやく深い眠りに入った後、まめ子は僕の目を触ってきたり、僕のお腹を撫でたりする。僕は当然目が覚める。それはそうだよ。だって激しく触ってくるんだから。
僕はすごく忍耐力がある。一日に15回ぐらい睡眠を邪魔されるだけど、僕は怒ったことなど一度もな
い。
じゃあ16回やったら怒るのか?と言ったら僕は怒らない。100回やったって怒らない。なぜか。それは僕の中に睡眠を邪魔されることは良くないという公式がないからだ。
まめ子の頭にはたくさんの公式がある。例えば睡眠は大切なものだとか。睡眠は邪魔されたらダメだとか。夜中に目を覚ましてしまうと、1日が疲れやすいとか。なんだか本当にただの睡眠ひとつに、訳の分からないぐらい公式を持っているんだ。
僕はどこで寝ても構わない。ソファーで寝ることもあるし、ベッドで寝ることもあるし、床で寝ることもあるし、僕は寝る場所にいちいちこだわらない。
でもまめ子は違う。ペット以外のところで寝ると首が痛むとか。ちゃんと十分な休息がとれないとか。睡眠はちゃんと電気を消して、暗いところでベッドで寝なくてはならないとか。とにかく公式が多すぎる。
僕の仲間で外で寝ている猫は山のようにいる。まめ子の公式を持っていたら、彼ら達は一体どうなるんだろうかと思う。
僕はたまたま保護施設からまめ子とまめ子の夫に拾われて、そして今僕はとても快適な家に住んでる。僕はそのことに感謝しているだけど、僕は外でだって寝れる。強がっているんじゃないよ。本当に寝れるんだ。なんで寝れるかって。それは僕の頭の中に公式がないから、つまり、睡眠は家の中でふかふかの毛布の上でしなくてはならない。そんな公式は一つもないんだ。
猫はいつも幸せそうに生きてると人間の目にはうつるらしい。はっきり言う。猫はとても幸せに生きている。
その理由はなぜかと言うと、公式を持っていないから。ああしなくてはならない。こうしなくてはならない。そんな自分をがんじがらめにする公式を持っていないんだ。
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