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【小説】連綿と続け(50話まで無料)

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2024年3月の記事一覧

【小説】連綿と続け No.33

【小説】連綿と続け No.33

西川に送ってもらい車を降りると、
そこには久しぶりに見る航の姿があった。

侑芽)航さん…

航は呆然としている。
離れた場所から見つめ合う2人。
そして航が近づいてくる。

航)久しぶり…

侑芽)航さん…あの…

すると西川が侑芽の隣に立った。

西川)お前、一ノ瀬さんのなんなん?

航)は?なんでお前に言わんにゃならんが。関係ないやろ

西川)今日は言わせてもらう

航)早う言えや

西川)

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【小説】連綿と続け No.34

【小説】連綿と続け No.34

航)次の休み、どっか出かけよ?

一度離れかけた分、
掛け替えのない存在という事が身に染みてわかり、
一緒に居られる時間を
これまで以上に大切にするようになった2人。

侑芽)海、見に行きたいです!

航)海…確かにええな。俺も久しく見とらんちゃ。ほんなら水着、着るんけ?

侑芽)水着!?着ませんよぉ!海見るだけです!

航)ふ〜ん。なんや、期待してしもた

航は口を尖らせ、拗ねて見せる。
侑芽は

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【小説】連綿と続け No.35

【小説】連綿と続け No.35

『また春子が来た 助けてくれ』

平和な休日に春子がやって来て、
困り果てた航は武史にLINEを送った。

武史は実家の旅館で働いている。
しかしこの日は午後から半休だったため、
航からのLINEにすぐ気づき返信する。

『わかった すぐ救助に向かう!』

春子の途方もない恋の予感の話を
永遠と聞かされている航と侑芽。

春子)なんて言うかさぁ、初めて会った時にビビビビ!ってきたんだよね。それって

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【小説】連綿と続け No.36

【小説】連綿と続け No.36

航)そうや……

航は何かを思いつき、
それを実現する為に日々の仕事の後、
毎日工房に残り“ある物”を作っている。

そんな息子の姿をこっそり見ていた両親は
首を傾げながら

歌子)航、何やっとんが?

正也)なんや作りたいもんがあるらしゅうて。何作るか聞いても言わんのちゃ

歌子)へぇ〜。前は注文受けたもんしか作らんかったがに。何か自分からやりたいて思うたいう事やね?

正也)そうちゃのう。それ

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