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【エッセイ】曲がり角にて。がんばりどころのちからの入れ方

こんにちは。長尾早苗です。

Enjoy your work. Have fun!

と書かれた紙コップ。コーヒーマシーンからひきたてのコーヒーを淹れる朝です。働くことってみんな思うところは違うと思うのだけど、みんないろいろあって大変なんだなと思います。自分のこともそうだけど。

30代に入ってがくん、と来ました。
例えば背筋。もう徹夜も睡眠不足もがんばりすぎもできなくなった。丸めた背筋のわたしは、思い描いていたような素敵な女性じゃなかった。

例えばお肌。この揺らぎやすいお天気の中で守ったりいたわったりすることなんて考えられずに日々だけ過ぎて、エイジングケアも今は受け入れられる。

もひとつ、毛先。
みんな先っぽを見てる。ぱさぱさに乾いた癖毛の先は、うるおいをちゃんと求めてた。結婚指輪も婚約指輪の重ね付けも、日常の場所ではどうしてしちゃいけなかったのかなんてわからなかった。

忌憚なくいろいろ言えるシェアオフィスの中でいろいろわかっていく途上で、わたしは時々回り道したり寄り道したり、ふらふら行って帰ってばかりだったけれど。個装ののど飴を咳をしている人のデスクのPCのそばに退勤するときにそっと置くことも、大切な仕事だったことに気づかなかった。

繁忙期を過ぎたから言える。それはわたしが「仕事」の本当の意味やがんばりどころのツボを間違っていたからだと。

誰かが本当のことをインターネットに主観だけで書いてしまうと、ひとっていつも身勝手ということがわからなくなってくる。
だから「本当のこと」はみんな扉の向こう側にある。

詩を書く時も散文を書く時も、最後に動詞を持って来られるかが「書く人」のちからや魅力だと思っています。
待つことも仕事だし、誰かへの気配りも、したたかにかわす余裕も。受け流してあげられることも、いちいち気にかかって怒らないことも。

まとまりがないねって、コテで丸められない毛先を休憩に立った時にすこし触れてみる。
来月予約した美容院の予定を手帳に書いてじっと見つめ、今日の買い物が終わったらすることをじんわり思う。

今週末は桜をおばあちゃんとランチ時に見に行こうね。
父と文字でしかかわしていない約束。車いすを押す背中もきっと、父の姿なのです。
晴れたらいいな。

三寒四温ですね。どうぞお気をつけて。

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