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【詩人の読書記録日記】栞の代わりに 2月20日~2月26日

はじめに

こんにちは。長尾早苗です。今週からバスに乗って近くの図書館に通うことにしました。移動図書館は曜日や時間の制限があったけれど、図書館は自由です。行ってきます。今週もよろしくお願いします。

2月20日

誕生日を祝ってもらいにレストランに行きました。

遅れてきた誕生日ディナー。下仁田ネギが美味しかった。
牛ほほ肉の赤ワイン煮込み。
パスタパエリア。
帆立のサラダ。
スイーツ。相方氏ありがとうね。


・久納美輝『アイスバーン』七月堂

ひらがなで開かれたことばが印象的でした。
どうしてだろう、氷のように静かで繊細なのに、そこの奥深くに慈愛のようなあたたかさがにじみ出ています。
久納君とはインカレ叢書仲間ですが、ずっと気になっていたんですよね。
わたしの前の月に出版したという経緯もあり……笑
「リサイクル」という詩が印象的でした。
人はだれしも老い、それでも生まれてくるいのちがある。
そんなことを思いました。

・松井ひろか『十六歳、未明の接岸』七月堂

たぶん、松井さんにとって「十六」という数字は大きいのだと思います。
詩を書き始めたきっかけが壮絶なものだったこと、そして詩を先生から習っていた期間。
どちらも「十六歳」「十六年」です。
自分の心が生きていくことにおいて、書きたいという呪いに似た欲望は詩人を苛みます。
しかし、孤独であっても書き続けていかなければいけない。
それは、他の文学ジャンルと違う所なのかなと思います。
わたしも小説に詳しい家族と話すのですが、詩人は文壇とはまた違う意味で根性がすべてです。
孤独であっても、書き続けていくこと。自分が今原稿を書いていることを悟られないようにしながら書いていくこと。
書かなければ生きていけないこと。
たぶん、松井さんの場合、外国の異文化を経験したからこそ、彼女なりの世界と詩ができあがっていったようにも思うのです。

・アニー・ディラード著 柳沢由実子訳『本を書く』田畑書店

買ってよかった……!
先週の宮スケ今週本というスペースラジオで宮崎智之さんが紹介しておられて、リプライで「買って損はないです!」と熱いメッセージが来たので買ってみました。
わたしは谷崎潤一郎の「文章読本」も好きなのですが、どうも時代が違うような気がしてしっくりこなくて……
でも、現代において「書くことを生業とする」人々には絶対に読んでほしいし、「書く=生きる」になっている人々だってたくさんいるはずです。
この本ではその解説がある意味詩文的な要素を含めて書いてあり、宮崎さん本当にありがとうございます。
この本を買った日は書店めぐりを仕事と共にしていたため、書店の素晴らしさにもう一度気がつけた日でした。
何回も読み返したいと思います。


2月21日

今日から少しだけ、新学期。
第二詩集に向けて動きます。原稿は出来ていたので、出版社さんと連絡したりなど。〆切も一つ送りました。
しばらく新作が書けない恐怖はあったけれど、勇気を出してノートブックに向かったら9編書けました。詩文がたまっていたように思います。
仕事が終わったので少しだけバカンス。ドライブで海や河津桜を観に行きました。

久しぶりの小田原城。べっぴんさん。
海だー!
足を伸ばして静岡まで。
河津桜の原木綺麗だった……。

2月22日

編集の方とメールでお話しするなど。図書館にふらりと。
これからの日々もどきどきだけれど、一回出版してしまうとあとは「慣れ」なのかもしれません。新作1編。

・井伏鱒二『さざなみ軍記 ジョン万次郎漂流記』新潮文庫

なんだろう、面白いのだけれど、面白いにとどまらないたまらなさがありますね。
切なさとか、切り口の鋭さ、そして戦争に対しての切実な思い。
もちろん井伏鱒二自身が戦争ものを書いていたからというのもありますが、何かこう……読んでいて、人と人が憎み合うことのむごさ、そして旅をする楽しさ(こちらはジョン万次郎の方ですが)がひしひしと伝わってくる。
町田康さんが一番読んだ作家として挙げていましたが、この「たまらなさ」はわかるような感じがします。あえて言語化できない思い。どう言ったらいいのかわからない思い。

・ラルフ・エリスン 松本昇訳『見えない人間 上・下』白水社

こちらは先日も言っていた宮スケ今週本で、スケザネさんが紹介していた海外文学。
珠玉の黒人文学だと思います。
どのようにリアルタイムで白人と黒人、そして北部と南部の分断が起こっていくのか、一人の青年の人間模様から描き出す小説です。
ブラザーということばが印象的でした。
みな、分断があって語りかけているのに聞こえない声。それが肌の色の違い、というのはたまらない気持ちになります。

2月23日

長く使っていたものがどんどん壊れていく最近……それでも、外は晴れていて。
読書BGMにハマりました。以前は深夜か早朝の家でしか読めなかったのだけど、集中して乗り物の中でも読めるようになりました。
今日は朝から聴きだめていたラジオを追っかけ三昧。よい祝日です。
もう一つ〆切が明け、今月の〆切が終わりました。

サバの味噌煮に白菜と出汁。レンチン料理。
豚肉としめじのオイスターソース炒め。
きゅうりとしらすのしょうゆあえ。
じゃがいもとハムの出汁煮っ転がし。レンチン料理。
コーンクリームスープ。
鳥もも肉とキャベツの出汁煮込み。

・井伏鱒二『鞆ノ津茶会記』講談社文芸文庫

架空の茶会記なのですが、そうですよね、戦の前などに精神の安定として武将たちは茶会を開いていたのかもしれません。
井伏鱒二自身の心の余裕、そしてゆったりと流れる時間の中でいずれ起こるであろう戦争のことを匂わせながら、その前の静けさやゆったりとした時間を描いているようにも思います。

・今村夏子『あひる』角川文庫

今村夏子作品はどこか不穏でドキドキします。
どこかしらざわざわさせる要素を持っているというか。
このあひるという短編集の中では、児童文学への深い洞察力とその上で書かれた子どもの歩く速度で書かれた作品です。
交換可能なあひると、子どもという主題。
子どもだけが言っていいとされる真実。
それは大人も持っているものだけど、言ってはいけないとみんなわかっている。
それをちゃんとついてくる魅力的な小説でした。

・鳥居『キリンの子』KADOKAWA

なんというか……胸がつまって何を言えばいいのか分からなくなります。
もう何年も前に読んだはずなのに、鳥居さんの声をラジオで聞いて、凄惨な制作過程を聞いて、戦場カメラマンのように短歌を編むと仰っていたことが忘れられません。
お母さまの自死、孤児院での虐待、スーパーでの寒い中でのアルバイト。
そんな中で、信じられるものが短歌だけだった
という鳥居さん。
それでも彼女が生きてこられたのは短歌があったからだと思うと、なんだかたまらない気持ちになりました。

・サン=テグジュペリ著 堀口大學訳『人間の土地』新潮文庫

宮崎駿さんが後書きと表紙絵を描かれていることでも有名なサン=テグジュペリの名著。
数年前に読んだきりでしたが、ラジオ「空飛び猫たち」で紹介されていて読みたくなりました。空に憧れたパイロットたちの、人間が生きることの本質に触れ続けていった詩文的なエッセイになります。
もしかしたらサン=テグジュペリ自身が星の王子さまを執筆中に「戦闘機」として開発された飛行機に乗っていることについて、色々と苦悩していたのかもしれません。
今も問題になっていますが、テクノロジーはどんどん進化していきます。それが倫理を超えるほどに。
しかし、人は神になってはいけません。
ただ空に憧れ、鳥のように飛んでみたいという夢を追い続けた。そして誰かに思いを伝える郵便を運ぶ飛行士として生きたかった。
そんな思いをひしひしと感じます。
名言ばかりで刺さるのでおススメです。

・谷崎潤一郎『陰翳礼讃・文章読本』新潮文庫


移動中にいつも本を集中して読めないんですけど、割と読書BGMがあると捗ることが判明しました!
わたしの移動中のお供はたいていこの一冊か、前述した『本を書く』なのですが、どちらも確かに「文章読本」ですね。
谷崎が語る美学はもちろん今とは乖離するものもありますが、その中で彼が一生をかけて見出した美しさがこの本に詰まっていると思います。
陰翳礼賛は一時期ハマってしまって、暗い部屋の中で過ごしていたら、家族に心配されたこともありました苦笑
谷崎の文章や生活の美学が詰まっている本です。

2月24日

日曜日あたりから生活スタイルが変わり、深夜に起きて未明まで働き、午後は用事があるまで眠るスタイルをとりました。昨日から近所で内装工事が始まったのだけど、その爆音の中でも眠れる自分にびっくり……。ラジオに日々癒されています。
大変なことが起こりましたが、自分自身の日々を幸せに守り抜いて、軸をぶれないように歩いていきましょう。大丈夫です。新作3編。

春菊とベーコンの煮物。
チーズ入り豚肉トマトスープ。
トンテキのポトフ。

2月25日

予約していた本が届いたので、ラジオを聴いた後に行きました。
実は新しく靴を買ったんです! 料理用スチーマーが100円でよいものが買えたため、お代が浮きました。偏平足かつ外反母趾のわたしの足に合う靴はかなり絞られます。



2年ほど前によいブーツと出会い、それから履きつぶすまで履いていました。今はウォーキングも始めたため、誕生月のクーポンも使って半額以下で買えました。ほくほく。
一昨日から日中は内装工事がマンションの一階であったため、かなりの騒音でしたが、なんとか今日まで耐えました。ストレスが爆発してしまい、共に暮らす在宅ワーカーの家族に心配もされましたが……
心が痛み、少し今日は眠る時間が長かったような気がしています。

長芋の刺身。
ブロッコリーとキノコのコンソメスープ。


2月26日

今日も続く内装工事……昨日は涙なみだのストレス爆発だったので、午後から図書館の自習室にこもって仕事や読書を工事が落ち着く時間までがんばることにしました。
「早苗はストレスがある時がんばれないの! とにかくストレスから逃げて!」と言ってくれた家族に感謝しかないです……。
今日の夜は礫の楽音を聞きました。
和合亮一さんもカニエ・ナハさんも、大学生の時のわたしが前のペンネームの時からのつきあいなのでうれしかったです。

・小川洋子『とにかく散歩いたしましょう』毎日新聞社

小川洋子さんの作家としての日常が綴られたエッセイ集です。
小説の前に戻ると深い闇が待っている
ということばにすごく共感しました。
これを読んでくれる読者は必ずいるはずなのに、自分で創作しているときはものすごい孤独で、それを耐えることが作家としてすごく大事なことなんだと思います。
いつもの日常は作家にとって作品を作る上でとても重要で、生きることが書くことになっているような気がする。

・村田沙耶香『コンビニ人間』文藝春秋

以前、ロバート・キャンベルさんと村田沙耶香さんの対談をPodcastで聞いていました。
初読の時は狂気を感じていたのですが、他の国ではこの主人公が笑える、ファニーでキュート、という意見が多いように思います。
多分、わたしたち日本の文化圏だと、この女の子は村八分されるんじゃないだろうかというざわめきがあるのですが、人と違うこと、そして規則というものに縛られて動くことに快感を持っている。そんな女の子が見つけたのが「光る箱」としての聖なるコンビニだったのですよね。
ある意味それは宗教的なものも孕んでいると思いますが、彼女にとってコンビニはサンクチュアリであったのではないかなと思います。

・ジュンパ・ラヒリ 中嶋浩郎訳『べつの言葉で』新潮社

ロンドン生まれ、両親がベンガル人であるラヒリ。彼女にとって英語は継母であり、彼女自身アイデンティティを求めるために「言語」というものがあったように思います。
だからこそ、イタリアに渡ってイタリア語を勉強していたのでしょう。
わたしたちがわたしたちの国で話す言語にはわたしたちのアイデンティティも多分に含まれていると言っても過言ではありません。
それでも、その言語の中に自分を見出していくことは作家として正しい方向性のように感じます。

・谷崎潤一郎『春琴抄』角川文庫

人の愛情は、時に歪んでしまうこともあります。
しかし、当人同士がそれを愛だと思っていれば、それはそれで愛なのかもしれません。
以前、山崎ナオコーラさんがあとがきを書いていると知って読みたくなりました。
失明してしまうけれど琴の名手になった春琴、そして彼女を不気味なまでに世話する佐助。
その二人に愛はあったのかと問われると、とても考えてしまいます。
とにかく文体・構成ともに力強さと儚さを合わせだき、読点と句点がほぼない中で語られていく美しい物語でした。

・小鷹信光『私のハードボイルド』早川書房

恩師のほしおさなえ先生のお父さまということで、まだ読んだことがなかったので読んでみました。
ほしお先生からはお父さまのことは直接は聞いていないのですが、創作者としても、そして戦中戦後という時代を生きた文学者として、すごく尊敬しているんだろうなと思います。
もちろんそれは父親としてでもあるし、家族としてもそうなのでしょう。
ハードボイルドという切り口から、戦中戦後を語っていき、時にそれは個人的な体験だったりするのですが、それを正しく筆致していくことで生まれるものがある気がします。
ハードボイルドは男性にとってのハーレクインと言われた時代があったようですが、その疑問に対して真っ向から立ち向かっている描写が秀逸でした。

・梶原正昭 山下宏明校註『平家物語一〜四』岩波文庫


以前より源氏物語を朗読で原文のまま読んでいる方の朗読をよく聞いていたため、初読の時よりは原文に慣れていたような気がします。
アニメにもなって、すごく気になっていました。
まずは原文のまま読むか、アニメの原作から読むか迷って、原文のまま校註を読むことに決めました。
わたしは月曜日から音楽を聴きながら読書をしているのですが、なんというんでしょう。
外的な刺激があることで、その本の中の静謐さからイメージがきちんと匂い、色、音と揃って流れてきますね。
平家物語はあらすじと初読がもう十数年前になるのですが、確かに「花」を感じました。あくまでもイメージですが……
暗闇に水面の上咲く睡蓮に、ぽたりぽたりと水滴が落ち、それに琵琶の音が乗っていく。
元から口伝として伝えられ、琵琶法師によって歌い継がれたものだったからかもしれません。
とても悲しい物語なんですが、その悲劇さえも美しく描き出せることにびっくりしました。

・小林秀雄『小林秀雄集 現代日本文學大系60』筑摩書房

一気にのめり込んでしまいました。
小林秀雄に触れるのはあまりない機会だったのですが、先日の読書ラジオを聞いていて、これはわたしが今読まなければいけない作家、もしくは思想家なのではないかと思ったのです。
小林秀雄は生涯若々しい筆致で描かれているなあというのが印象でした。
なぜ文學体系で読もうと思ったのかというと、書かれた年代順に読んでいけるからです。小林秀雄という作家の成長がわかるような気がしたからです。
必ず最後まで、強度を保ちながら自分の内的世界を外部から与えられた印象を元に資料を読み込み、それと対峙しているとどの文章を読んでいても思うのです。
確かに文章としては難解ですが、一読の価値はあると思います。
戦うように読んでみてください。

・宮下奈都『よろこびの歌』実業之日本社

音楽に触れること。
そして、それを1人ではなくみんなで作り上げていくこと。
女子校には色々な女の子達がいます、本当にその学校を目指してきている子もいれば、そうでないこともあり。
それでも、自分達が生きていく世界で、何かなすべきものをやり遂げられる。
わたしは、女子校でそういうことを教わってきました。
この本では音楽のプロである女の子と、クラスメイトたちが少しずつ心を通わせていき、合唱コンクールで歌う物語です。
進め。
そのことばがあれば、どうだって進める。
そんなことを思いました。

・佐野洋子『ふつうがえらい』新潮文庫

当たり前のことを
当たり前じゃん
というのはかなりの勇気がいります。そして、当たり前であることを常々忘れていた自分にも気がつき、少し恥ずかしくなったあと元気が出る。
佐野洋子さんの魅力を元気だとすると、そういうことのように思います。
彼女自身は疲れていたり、育児や日々でがんばっていますが、その中で
元気を出せることば
が書けるのは、彼女が生きていく上で常に視線がまっすぐだったからでしょう。
それはとても大変なことですし、すごいことだと思います。
元気を出せることばをわたしも書いていきたいものです。

・春風亭昇太『楽に生きるのも、楽じゃない』文春文庫

落語家さんというと、たいてい頭が良くて、芸能のことをちゃんと考えています。
それでも、自由業というのは苦しくて。
わたしもその苦しみを解りつつありますし、
大人になってから夢を叶え続けてきた師匠の言いたいこと、そしてこれからの夢もわかる気がします。
笑点で司会を務める師匠のこれまでとこれから。
注目していきたいものです。

・樋口一葉『大つごもり 十三夜他五篇』岩波文庫

女として生きること。
その最初を文芸に、親しみやすく書いたのが樋口一葉だと思っています。
わたしは大学時代から一葉を学び、それから女子大だったのもあり、女性のあらゆる不思議について、卒業してからも交流のある友達をつたって、たくさんの「一葉」たち、たくさんの「女」たちを見てきました。
結婚をする、しない、子どもを産む、産まない、そして仕事をする、しない。
わたしたち女性にはそれぞれの選択肢があって、そこで自由になれるかといえばそういうわけでもありません。
そこで初めてその「不自由さ」を描いたのが一葉だと思うんです。
皆さんに、読んでほしい1冊です。

・宮下奈都『ふたつのしるし』幻冬社文庫

ハルと遥名。
どこで彼女たちが接点をもつのか、わたしたち読者には最後の方で明かされます。
どちらも同じ時を違う場所で生きて、しかししっかりと結ばれていたもの。
それは、2人とも生きていたというしるしでした。
彼女たちがどうしてお互いを知っていたのか、それぞれの時間軸で生きてきたのかは、読んでみてのお楽しみ。
そして最後にほろっと、泣けます。

・横光利一『日輪 春は馬車に乗って他八篇』岩波文庫

横光利一という作家の視点や眼差し、カメラマンとしての視点はなかなか興味深く、面白いところがあります。
蝿の視点で描かれたもの、肺病でもう長くなく、それでいてまだ若さを持て余している妻を看病する夫。
これら「妻」を描写するものは横光自身の私小説と言っても過言ではないのですが、よくこんなにもカメラの位置をどこにおいて、どのタイミングでシャッターを押すかを分かっている作家は少ないとわたし自身思っています。
もしかしたら、それが「新感覚派」なのかもしれませんが。
友人が趣味で朗読しているので、それを活字で読みたいなと思って読んでみました。新鮮な感覚ですね。

・サン=テグジュペリ 堀口大學訳『夜間飛行』新潮文庫

現場と、事務局。
空を飛ぶ、というのは今でこそ一般化していますが、誰しもいつしかは空に憧れる時があるように思います。
そこで、本当に飛んだ人。
その人たちを管理する人。
どちらが勝者なのか、弱者なのか。
それは、サン=テグジュペリの代表作である星の王子様にもよく現れていますが、大人と子どもの境界なのかもしれません。
大人はとにかく数字とお金を愛します。
しかし子どもはそうではありません。
夢を見て、そこに近づくためにどんな想像力をも働かせる力があります。
その力を持ったまま大人になるというのは、生きづらいものでもあるでしょう。
そんな大人が書いた作品です。

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