詩人、フリーランス主婦を歩む

いきなりですが、詩人として活動し始めて(書き始めて)10年になりました。

以前の記事でも書きましたが、現在私は、ストックイラストレーター兼主婦として暮らしています。

「自分の好きなことして家で仕事して暮らすなんて最高じゃん!」

と言われて、内心思うところも多々あるのですが、

「あはは~そうだね……」でだいたい濁しています。

学生の頃は、本当に、なーんにも考えてませんでした。心身ともに不安定だったし、詩を書いて本を読んで、本に毎日触って暮らせたらいいな、程度でした(甘い、甘すぎる……)

高校2年生くらいから詩を本格的に書き始め、大学生になって、様々なご縁があり、様々な文学の世界を見せていただきました。

色々な同人誌・詩壇の世界・詩雑誌投稿の世界、賞について、合評について、イベントを運営していくには……

自分の力だけでは到底なかったようにも思うのですが、いくつか雑誌に掲載させていただいたり、賞も取ってきました。同人を組ませていただいたり、イベントをご一緒させていただいたり、とてもいろんなことがありました。

心身ともに不安定だったので、1年半資格のために勉強して、フリーターとして暮らしていました。そのころも、自分の力で稼ぐ、とか、責任、とか考えていなかったし、まだまだ「働く」ということについてわからなかった時期です。あのころ、バイト先ではとってもご迷惑をおかけしてしまいました。

資格はなんとか取れたので、専門職につきました。それでも、夢がかなった一方、まだまだ私はわからずやでした。現場のこと、自分の責任、そういったことについて、なーんにも理解していなくて、ただただ守られてばかりでした。その時も、たくさんの方々に迷惑をかけてしまったし、思い返せば今でも夢に出てくるくらい「ごめんじゃ済まない」ことをいくつもやってしまいました。

そんな私に、結婚という転機があり、主婦として暮らしながら詩を書きつつ、家でできる仕事を探していたら、フリーランスのデザイナー・イラストレーターの仕事を発見してしまったのです。

目からうろこでした。みんな自由な時間に働いていて、みんな支えあっていて。

まあ、飛び込んでしまったわけです。

いざ、ふたを開けてみたらびっくり。いくら頑張ったところで、上には上がたっくさん、いました。

コンペでまぐれで美味しい思いをしたこともありましたが、自分の責任も収入も努力も時間も健康も、すべて自分で管理しなければならない世界、だったんです。

そんな中で、私はデザイナー向け・フリーランス向けのイベントに行けたときはイベントに参加して、その方たちと交流を持つようになりました。メールで愚痴を言ったら相談に快く乗ってくれたクリエイターの先輩方には、本当に頭が上がりません……。結果、1年が過ぎようとしていて、今の「朝だけイラストで働く、その他は家事や詩の創作に充てる」というスタイルを確立していったわけです。

好きな仕事をしているから……と自分を律して、いくら稼げなくても、いくら収入が不安定でも、家族の笑顔は、守りたかった。未来の私や私の家族の笑顔を、守りたかった。

そこに、詩があった。

私の「書く」や「描く」の原動力はそこにあるような気がしてなりません。

そこに、詩がある。それだけでいいのではないか、なんて思います。

書く理由。描く理由。そこに書きたい・描きたい思いがあるから。

私には、それだけ、いえ、それがあるから、今も続けていけるのかな、と思います。

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