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子供が欲しい夫と、子供が欲しくない妻からの学び。相談時に欲しいのは答えじゃなくて「状況の整理や問いの納得感」

サンマルクカフェにいた20代と思われる男性が読んでいた本は
「生き方」でした(深いなぁ)
どんな想いで、この本をチョイスしたのか気になります。
 
今日のタイトル「オタクの息子に悩んでます」
お悩み相談室的な本ですが、質問に対する回答がびびったので紹介。
(引用部分はタイトルと関係ない)
人生相談は知的格闘技と言い切る著者です。
 
 
以下引用---------------------------------------------
子供が欲しくありません(相談者 主婦/34歳)
34歳の主婦です。結婚して7年になります。
先日、夫から「そろそろ子供が欲しい」と言われました。
私は、結婚前から「子供は欲しくない」と言っており、それを承知で結婚したはずなのですが、どうやら彼は、時がたてば私の考えも変わるだろうと考えていたようです。

「父親になりたい」と言われ、悩んでいます。
私にはどうしても、子供が可愛いとか、欲しいとか思えません。
親になる責任に対する不安や、子供に振り回されたくない(自分の生活を犠牲にしたくない)という気持ちはありますが、それ以上に(乱暴な言い方ですが)、子供を持つ必要性を感じないのです。
世の中には、子供を望んでいても出来ない方が大勢いらっしゃるので申し訳ないとは思います。
ですが、私の場合、わざわざ大変な思いをしてまで産む必要があるのかと、思ってしまうのです。

「子供がいることの素晴らしさ」が実感できません。
子供が欲しいと言っている友人は「理由は分からないけれど、自然に欲しいと思える」と言います。
理屈で考える私は、何かが欠落しているのでしょうか。
仲のいい夫の希望を、できればかなえてあげたいと思うのですが、どうしても抵抗があります。どのように考えを変えればいいのか、教えていただければ助かります。
 
回答--------------------------
リクエスト通り、理屈で答えます。あなたの願望は2つ。

「A 子供がほしくない」
「B 夫の望みをかなえてあげたい」です。

この2つが矛盾してるんですから、どっちかをあきらめないとしかたない。
Aを諦める場合「欲しくもない子供の出産・育児にどれぐらい耐えられるか?」を慎重に見積もってください。
Bを諦める場合「夫との関係の悪化・希薄化」は避けられないと思いますので、これも心の準備が必要ですね。

まず「A 子供が欲しくない」をあきらめる場合。
「あなたの手間・老略・精神ストレスの合計を最低レベルに維持しながら出産・育児をこなす」が目指すべき目標です。
「出産はするけど、育児は夫がする」という結論で夫に納得してもらいましょう。
口約束だけではダメです。
子供が捨て犬を拾ってきて「絶対に面倒見る」と約束させても、結局は母親が面倒見てしまう、というのはよくあること。
そうならないためには、出産しちゃったらあなたは家を出て一人暮らしをして、彼の育児にはいっさいノータッチ、という姿勢がベスト。
でないと巻き込まれてしまいますよ。
2人で暮らし続ける場合でも、子供は彼と寝て、あなたは個室を確保しましょう。

Bをあきらめる場合、夫を説得するか自分が納得するか、です。
つまり「子供を作らないという約束で結婚した」の一点張りで逃げ切るか、または「私は生まない・育てないから、私と関係ないところで勝手に誰かに産ませて育ててくれ」と突き放すか、です。
前者はこれまでと同じ、絶えず口論や懇願や悩みを生むでしょう。
後者はそれ以上にあなたが苦しみそうですね。理屈で考えたら、こうなるしかありません。でも大丈夫ですか?

Aの「あなたが生んだ子供を彼一人が育てている」でも、Bの「子供を作らない/外で作ってもらう」にしても、あなたの幸せは果たしてそこにあるでしょうか?
幸せとは「不幸の回避」ではなく、「乗り越えるのが楽しい不幸」だと思います。
「育児ストレス」「夫との論争や口論」「自分はこのままでいいんだろうか、という不安」。
これらの不幸の中で「夫と二人で乗り越えるのが最も楽しそうなもの」を考えてください。
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この回答どうでしょう??すごくないですか?
すごい回答になる理由を言語化してみます。


1、問いの答えに対する「前提」を決めている

前提はこちら。

相談者は「A 子供がほしくない」
夫は「B 夫の望みをかなえてあげたい」
ですね。ここをスタート地点にしています。
これがズレると、もしくは定義できないと話が収束しませんからね。。

2、矛盾と決断の必要性を指摘している
「AとBは矛盾してるから、どっちかを諦めないと仕方ない」
つまりは、決断が必要と言うこと。
「決」は決める。「断」は断る。
この漢字からみても、決めることは何かを断ることと理解できます。

3、比較検討する問いを立てている
A「欲しくもない子供の出産・育児にどれぐらい耐えられるか?」
B「夫との関係の悪化・希薄化」は避けられない」
このあたりにくると、うんうんって、自分がうなずいていることに気付きます。黒板の前で、生徒に教えている先生みたいです。

4、あなたの幸せを優先している
A「あなたが生んだ子供を彼一人が育てている」
B「子供を作らない」
どちらの場合も、あなたの幸せは果たしてそこにあるでしょうか?

というコメント。
まさに!

5、幸せの定義と夫婦への応援
幸せとは「不幸の回避」ではなく「乗り越えるのが楽しい不幸」とし、
ABどちらを選ぶべきかではななく「夫と二人で乗り越えるのが最も楽しそうなもの」を選んでくださいと言っています。

ここまで整理して説明してくれたら、自分で決められそうです。
もし、自分が質問されたらどう答えるか考えると、Aの方がいいよ!とかBの方がいいよ!だって、これこれこうだもん。と、それっぽい理由つけて答えを出している気がします。

でも、誰かに何かを相談するときって、答えがでなくて悩んでいるわけでもなくて背中を押してもらいたかったり、同じ考えでよかった!
って安心したいからだったりする。
自分の人生を人に決められたくないと思ってる。
そうすると、答えを出すよりも、状況の整理や問いの納得感の方が大切だと思いました。


5/18追記

最近この記事を読んでくれる方が多くいらっしゃるので、どのような方が読んでくれたのか、こちらの記事で考えました。
みなさんの悩みやモヤモヤが少しでも整理され、良い方向にいきますように。




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