【映画感想】『アイドルマスター ミリオンライブ! 第2幕』 ★★☆☆☆ 2.9点

 アイドル育成ゲーム『アイドルマスター』シリーズの1ブランド『ミリオンライブ!』のアニメ化作品。8月公開の第1幕に引き続き、本作は10月から放送されるTVアニメの5話から8話までを1本の劇場作品に編集したものとなっている。

 第1幕は春日未来、最上静香、伊吹翼の3人を主軸に置いた物語が展開されたが、この第2幕ではこの流れに第5話で一定の決着を与え、残りの3話でこの3人以外のキャラクターに焦点を当てる展開となっている。なにせ本作は原作ゲームに登場する39人のアイドル全員を取り扱わなければならないため、この流れは自然と言えるだろう。


 この動かさなければならないキャラクター数が多いというのがなかなかに大きな課題で、原作がソーシャルゲームであるがゆえに、それぞれのキャラクターに一定数のファンがおり、そのため特定のキャラクターが蔑ろにされれば、作品全体への評価の低下を引き起こしかねないのである。

 しかし、本作ではこういった状況にも関わらず、あえて各キャラクターの活躍に濃淡が出るのを承知の上で、少数のキャラクターに重点を置いた脚本になっている。

 これが特に顕著なのが第8話だ。本作では前述の39人のアイドルたちが、いくつかのユニットに分かれてアイドル活動を行っていく展開になっており、第8話ではTeam4thとTeam5thという2つのユニットの活躍が描かれる。しかし、実際には作中でしっかりと活躍が描かれるのはTeam4thの方で、同日に別の場所でアイドル活動を行っているTeam5thの所属アイドルたちの姿はほとんど描かれない。そのため、Team4thとTeam5thの間で明らかな活躍の濃淡が出てしまっているのだが、そのおかげでTeam4thのメンバーたちの成長や人となりは堅実にしっかりと描かれている。

 このように本作は、多少ソシャゲアニメとしてのバランスを崩しても、1本の作品としての完成度を高める方向に舵を切っているように思われる。一方で、ではTeam5th所属のアイドルたちが割りを食っているかと言われると、その点は短い時間で印象的な活躍をするように物語が構成されており、しっかりとしたアフターケアもなされているという印象だ。

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