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ドーパミンって脳の中で何してるの?

こんにちわ、ねこまねきです。
前回の記事では ギャンブル依存症に関わる「脳の報酬系」 について調べました。
生存、生殖に関わる大切な働きをしている報酬系。
その報酬系で快楽を与える伝達物質として「ドーパミン」があります。
この記事では、この「ドーパミン」についてさらに学んでいきたいと思います。

(なお、この記事はインターネット検索で「ドーパミン」、「脳の報酬系」などのワードで調べた内容や、書籍等で学んだ内容などを踏まえて私個人が理解、まとめたものとなっております。
そのため私個人の理解不足で間違った内容になっている部分もあるかと思いますが、予めご了承ください。)



ドーパミンについて知っておきたいこと

1. 結論:ドーパミンは脳の神経伝達物質

ドーパミンは、脳内で重要な役割を果たす化学物質で、神経伝達物質の一種です。
脳の中では情報がいくつもの神経細胞(ニューロン)で電気信号としてやり取りされます。
このニューロンはそれぞれ直結しているわけではなくて、隙間が空いています。この隙間のことを シナプス と呼びます。

ニューロン

つながっていないのにどうやって情報を渡すのか?
その中継ぎをするのが情報伝達物質です。情報伝達物質はシナプスの間を移動し、次のニューロンのレセプター(受容体)というところにくっつきます。情報伝達物質はそれぞれ専用のレセプターにしかくっつきません。
これで情報が渡されるんですね。

ちょっとわかりにくいので、郵便屋さんをイメージしてみましょう。

手紙を届けるためにバイクで道を走ってくる郵便屋さん。
目の前には橋のかかっていない崖がある。(崖=シナプス)
自分では渡れない。どうする?
鳩に手紙を持たせて向こう側に飛ばそう。(鳩=情報伝達物質)
鳩は向こう岸で専用の巣箱に入る。(巣箱=レセプター)
手紙は次の郵便屋さんが持っていく

こんなイメージです。
この鳩のような働きをするのが 情報伝達物質です。

ドーパミンはこの情報伝達物質の一種です。
最近よく聞くGABA(チョコレートでありますね)とか、昆布のうまみ成分グルタミン酸なんてのも情報伝達物質です。

ドーパミンは、私たちが感じる「快感」や「やる気」などに深く関わっており、さまざまな行動や感情をコントロールしています。
これにより、私たちの行動や感情が調整され、日々の生活において重要な役割を果たしています。


2. ドーパミンの働き

私たちの行動や感情に関わるドーパミン。脳の報酬系で働くドーパミンはどのような働きをしているのでしょうか

①報酬システム

例えば「美味しいステーキを食べるとき」にドーパミンが分泌される様子を考えてみます。


まず、ステーキを目の前にすると脳が「これから美味しいものが食べられる!」と期待し、ドーパミンが分泌されます。

次に、実際にステーキを食べたときに「美味しい!」という快感がさらに強く感じられ、この経験が報酬システムを刺激します。

これが、「また食べたい!」という気持ちを生み出します。


②動機づけ

例えば「勉強でいい点を取ろうとする」場合にも、ドーパミンが分泌されます。
勉強しているときに「頑張れば成果が出る」という期待感がドーパミンを分泌させ、結果として「もう少し頑張ろう!」という意欲が高まります。
これが、勉強を続けるためのモチベーションになります。


③学習と記憶

「新しいスキルを学ぶ」際にも、ドーパミンが分泌されることで脳がそのスキルを強化します。

例えば自転車の乗り方を学ぶとき、最初はうまくいかなくても、少しずつ上手になりますよね。

この成功体験を得ることでドーパミンが分泌されます。
こうすると学びが楽しくなり、記憶に残りやすくなります。

①~③のパターンで、何か気が付くことはないでしょうか。
そうなんです。
ドーパミンって「期待している」時も分泌されるんです。
実際にステーキを食べてなくても「美味しそう。これは良い栄養になりそうだ」という期待だけで、どんどん分泌されるんですね。

  • 期待している時(事前)

  • 実際にやってみて結果が良かった時(事後)

  • 良かった結果を記憶し、また繰り返すようになる(反復)

という段階ごとにドーパミンが分泌される、というのが特徴です。
ドーパミンは1か所だけでなく、脳内のいくつかの場所で分泌されていて
それぞれ働きがちがいます。
では次にどこで分泌されるのかを見ていきます。


3. ドーパミンはどこで分泌されるのか?


ドーパミンが分泌する場所としてまず挙げられるのが
「中脳(ちゅうのう)」です。
中脳には、ドーパミンを作る細胞が集中しています。

具体的には、
腹側被蓋野(ふくそくひがいや、VTA:Ventral Tegmental Area)と
黒質(こくしつ、SN:Substantia Nigra)が主な供給源です。

これらの領域からドーパミンが脳全体に送られ、さまざまな部分に影響を与えます。

ドーパミンには、中脳の腹側被蓋野のものと、黒質のものがあって、それぞれ働き方に違いがあります。

簡単な図で描いてみました。緑は腹側被蓋野から、紫は黒質からのドーパミン経路です。(大体位置はこの辺だな、という程度に見てくださいね。)

腹側被蓋野(ふくそくひがいや、VTA)起点ルート

腹側被蓋野から送られるのは
①側坐核 (そくざかく)
②前頭前野 (ぜんとうぜんや)
があります。

①腹側被蓋野→側坐核

外部から刺激があると
「この刺激は生存・繁殖にとって良いか悪いか」と、偏桃体(へんとうたい)という部分が判断します。
この情報は海馬(かいば)という記憶装置にデータとして蓄積されていき、常に照合と書き換えが行われます。
→良い刺激だ、と判断されると腹側被蓋野から側坐核にドーパミンが分泌されます。
側坐核では 「その行為を記憶して繰り返しなさい」という学習・記憶をします。
この行動で良い餌が取れた、いい繁殖相手に出会えた。などが良い情報となりますね。

このルートは 本能的な行動として学習・記憶されやすいので、無意識に行動が実施されることが多いです。



②腹側被蓋野→前頭前野

前頭前野は、脳の「おでこ」の部分にあります。おでこの後ろにあたる場所で、脳の一番前の部分です。ヒトの脳の進化で一番後にできた部分で、理性や感情をコントロールしています。
例えば「難しいパズルを解いた」時、前頭前野が活性化します。前頭前野は、思考や計画、意思決定に関与しており、ドーパミンがこの領域に送られることで、達成感や満足感を感じます。

快楽、満足感などをもたらすドーパミンですが、一方で分泌されすぎると不安をもたらしたりもします。

前頭前野ルートは自己抑制機能(オートレセプター)がないので、過剰な分泌が起きると不安が長く続くことになります。

この前頭前野での分泌異常が 依存症などの病気につながるとされています。


黒質(こくしつ、SN)起点ルート


黒質経路は運動コントロールや意欲に関わっています。
脳中央にある線条体という司令塔にドーパミンを分泌すると、運動をしたり何かをしようという意欲をわかせたりします。

このルートがうまく機能しなくなるとパーキンソン病になる可能性が高いと言われています。
うまく歩けなくなったり、何もやる気がなくなるなどの症状は線条体が機能していないことが原因です。


まとめ:ドーパミンは生命活動に必要な働きをしている物質


ドーパミンは脳の中で情報を伝達してくれる大切な伝達物質でした。
生存や生殖にとって身体を動かしていくために必要なものであり、
なくてはならないものです。

では、このドーパミンがどうして依存症という病気につながっていくのか?
次はそのことを勉強して書いていきたいと思います。





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