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手紙を書こうと意気込むと筆が止まる現象

ひさしぶりに手紙を書いた。

最後に手紙を書いたのは大学卒業のときにお世話になった人たちへ向けてだったから、おそらく8ヶ月ぶりくらい。

大切な人へ向けた誕生日のメッセージ。
LINEを長文で送ることもできるけど、なんだか味気ない気がして止めた。次に会う時に面と向かって伝えることも考えたが、きっと恥ずかしくなるし、あとから「あれも言えばよかったな」と少し気落ちする気がしたので止めた。

普段、言葉にしてなにか伝えることがあまり上手ではないので、大切な気持ちは手紙にすることが多い。いつもは言わないような照れくさくなることも手紙なら言えるから、想いを存分に詰めようと意気込んでペンを握っていた。

「𓏸𓏸へ お誕生日おめでとう」
ここで私の手は止まった。なぜか書き終わりの言葉だけがポンっと思い浮かんで、止まった。

伝えたい想いはぼんやり浮かんでいる気がするのに、うまく言葉が出てこない現象に直面した。というより、誕生日おめでとうの後の繋ぎに困った。思ったままをかけばいいと信じているものの、どの言葉を繋げても話が飛びすぎているような気がして違和感を抱いていた。

結局、思い浮かんだ言葉は年齢に対する印象。
歳を重ねたことに触れた文章を書くとまた手は止まった。

伝えたいことがないわけではないのにこんなにも手が止まることがもどかしかった。今思うとあまりに言葉にするということをさぼりすぎたことと、自分から出ていく言葉が持たれるであろう印象を心配しすぎたことが原因なのだと思う。

もどかしさを感じながらも、何度も大切な人との思い出を思い出しながら、写真も見返しながら、なんとか言葉にしきったときの達成感は心地よかった。

まだこの手紙を渡すまで時間があるので、渡す直前に書き直すかもしれないけど、大切な人に大切だよっていう気持ちが少しでも伝わるといいなと願う月曜日。

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