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台湾旅行記|礁渓・宜蘭・羅東・花蓮3泊4日

最近お仕事頑張ってたから、年末年始に連休とるからね!と周りに言いふらして、成人の日まで連休にすることに成功した。
前半は帰省するとして、さて後半をどうするかとしばらく考えていたが、せっかくコロナの規制がゆるくなったことだし、海外にでも行ってみようと思い立った。

日程的にアジア圏で、タイやシンガポールでどうだろうと調べたところ、直行便だと燃油サーチャージが運賃と同じくらいの値段になっていて、想像するだに懐がひんやりとしてしまった。
台湾や香港、ベトナム経由もあるが、これだと安い代わりに1日空港泊となってしまうので避けたい。

それじゃあ今回は近場の台湾にして、これまで行ったことのないところに一人で行ってみようという趣旨で、台湾東海岸の宜蘭の礁渓温泉に向かうことにした。
日程は1月の3日から6日として、日本の出国入国ラッシュから外した。

台湾は2回行ったことがあって、1回目は台北、台中、台南、2回目は高雄だったので、西海岸ではなく東海岸に行ってみたいというのと、日本の寒さから逃れて、あったかい場所であったかい温泉に入りたかったということ、そして空港からの交通の便がよいこと、この三つを満たすのが礁渓温泉だった。
ホテルは奮発して内風呂が付いたきれい目のホテルにした。

行き先を台湾にしたとはいえ、以前と比べると飛行機代が高かった。こういうところでケチくさい自分が出てきてしまうのが嫌なのだが、たまの贅沢ということにして心を慰める。

0日目 博多前泊


帰省先から台湾に飛ぼうと考え、エバー航空の福岡空港発桃園国際空港行きの飛行機をとった。
年末のニュースで福岡空港が人手不足で激混みらしく、かなり待たされるということを知り、昼一の便だったがビビって博多に前泊することにした。
博多駅バスセンターから10分で国際線ターミナルに着く。毎度毎度福岡空港の立地の良さには感謝しきりだ。
(国内線だと博多駅から地下鉄7分なのだが、国内線ターミナルから国際線ターミナルまでのシャトルバスがやたらと時間がかかるので、国際線だと博多駅からバスで直行するのが早い。)

1日目 移動日


ホテルを出て空港に着くと、保安検査待ちの列に圧倒される。列が出発ロビーを一周していて、抜けるのに1時間とか周りから聞こえてくる。
仕方なく列に加わると、搭乗時間ギリギリになってしまった人が航空会社のスタッフに次々と連れていかれ、保安検査の優先レーンに通されていた。
逆に早めに来ない方が得なのではと思わざるを得なかったが、小心者の小市民のわたしにはそんな勇気はない。
結果的に40分くらいで保安検査を抜けられ、出国審査もスムーズに進んだ。
搭乗時間まで時間が2時間程度余ったので、持ってきたタブレットでYouTubeを見て過ごす。
こういうとき椅子に充電用の電源が付いているのが本当に頼もしい。
あとは台湾の入国カードをオンラインで申請しておく。紙に書かなくてもいいので楽だ。

飛行機はそこまで混んでいなかった。
私の隣には誰もいなかったので、気兼ねなくダラダラできた。
福岡からの国際便は大きな空港からよりも混まないのでこういうところもよい。
機内食もいい感じだった。
セロリのサラダにキクラゲとヤングコーンが入っていて美味かった。

2時間半くらいで桃園国際空港に到着。
入国審査も混んでいなかったので、ほとんど立ち止まらずに到着ロビーまですんなりついてしまった。
途中で山積みになっていた抗原検査キットを取っていったが、周りに取っていく人はほとんどいなかった。
台湾のコロナに関する検疫は、まったくのフリーパスというわけではなく、海外からの入国者は、自主管理期間のうちに最大4回抗原検査を自分で行う必要がある。
果たして真面目に行われているのだろうかと疑わしいところもあるが、民衆の良心に任せているのはなかなかの懐の広さだ。

スマホを再起動すると台湾の電波を掴んでくれた。こういうときのためにahamoにしていたのだ。格安プランにも関わらず、月々の通信容量の中で海外ローミングができる。SIMカードを買ったりwifiを借りたりする手間が省けるのだ。

天気が悪く少し肌寒いが、日本と違って湿気があるのがよい。これまで乾燥にやられていた喉や鼻にやさしい。
この湿気の匂いで台湾に来たという感じがする。


桃園国際空港のオブジェ


ささっと両替をして、桃園国際空港から礁渓へのバスを待つことに。
バスの便数は少ないが、乗換なしで空港から直行できるのが礁渓のよいところだ。

台北を通過する際に夕方のラッシュに巻き込まれて若干時間がかかったが、無事2時間くらいで礁渓バスターミナルに到着。
ホテルはバスターミナルから近く、予約サイトの写真と変わらずかなりきれいだった。


夜の礁渓駅前


チェックイン後、抗原検査を行い陰性を確認。
あらかじめ目星をつけていたお店に向かう。
大衆食堂だったのだが、加減が分からず頼みすぎてしまった。こういうところは誰かと行ってシェアすべきだと反省した。
豚レバーの炒め物は火が通っているのにぷりっぷりで今まで食べたことのない美味しさだった。
蛤のスープの蛤の身もぷりっぷりだった。生姜も効いていて若干冷えていた身体も温まった。
ただ、小を頼んだのに明らかに二人分くらいあった。大だと四人前くらいなんだろうか。
客家風の炒め物も具沢山で美味しかった。独特の香りがしていたが、それはセロリのものだと気づいた。

お腹をパンパンにしてホテルに戻り、おまちかねの温泉に入る。
内風呂の浴槽は大きかったが、お湯の出もよくすぐにお湯が溜まった。
匂いは特になく、肌がすべすべになるタイプの温泉だった。
温泉でよく温まったあとにベッドにダイブする。ベッドもふかふかでいい匂いがする。完璧じゃないか。

2日目 花蓮食べ歩きと宜蘭の夜市


相変わらず天気が良くない。
大陸からの寒気で宜蘭地域は肌寒く、雨が降るらしい。
特に旅の目的は決めていなかったので、南に下ったら天気が良くなるのではと思い、花蓮まで足を伸ばしてみることにした。
礁渓には鉄道も通っている。優等列車もそこそこ止まるのだが、風景もゆっくり見たいので区間列車、いわゆる鈍行を乗り継いで花蓮まで行ってみよう。

その前に腹ごしらえ。
ホテルは朝食付きプランで、朝食はバイキング形式だったが、思いの外種類もあって美味しかった。
幅広のビーフンのような麺の炒め物は、山椒の香りが効いていてうまい。
ヤングコーンや絹さやといった蒸し野菜に豆腐ようのソースをかけたものもシンプルで美味しい。
蒸し野菜の中に栗もあったのだが、甘さ控えめで野菜といった感じでよい。
これだけでも台湾料理を堪能できた気になる。

礁渓駅まではホテルから歩いて5分くらい。
悠遊カード*のような気の利いたものは持っていないので駅で切符を買う。
モニターをタッチする形式の自動券売機があるので買いやすい。
日本語も選択できるので観光客にもやさしいのだが、急に大きな声で日本語を喋り出すので当惑した。静かなロビーにいきなり響き渡る日本語。
こういった高機能な設備がある一方、礁渓駅には自動改札はなく、発車10分前までは改札は開かず、ホームに入れない。
改札が開いたら切符の場合は駅員さんに切符を見せればよい。ハサミを入れたり穴を開けたりする必要はないみたいだった。
ちなみに悠遊カードで乗る場合は、日本の田舎にあるSuicaをタッチする機械と同じようなものがあるので、タッチするだけでよい。

*悠遊カードは台湾内で使える日本で言うsuicaのようなカード。
鉄道・バスだけでなくコンビニなどでも使えるらしい。

区間列車はゆっくりと田園風景の中を進んでいくが、宜蘭平野を抜けるとそこからはトンネルと谷間の連続になる。
谷間からは太平洋が見えるのだが、南に進むに従って段々と空が明るくなり、花蓮の手前あたりからは晴れ間も見えるようになった。そこには南国の海だと一目見てわかるような明るい青が広がっていた。

また、谷間の駅にはセメント会社の施設やセメントの原料を運ぶ貨車と機動車があった。東側の地質的に石灰石が取れるのでセメント工場が多いのだろう。なんとなく九州北部に似ている。

そうこうしているうちに花蓮駅に到着。
観光の名所というよりは美味しい昼ごはんを食べに街を回ることにした。

花蓮駅


花蓮の大通り


一食目は小籠包。
サイズと中身は普通の小籠包と同じだが、外側が肉まんのようなふかふかした生地であるところが違う。
普通の小籠包みたいに熱いスープがどばっとでないので食べやすいが、やはり気をつけないとスープはこぼれる。
あっというまに5個食べて退店。

二食目はワンタンスープ。
ワンタンスープ1種類しか出していないお店だが、インカムがあったり、印字された番号札があったりとかなり効率化されている。ちなみに食べた後自分で片付ける形式だ。
おそらくものすごい繁盛店なので早く回すための工夫なのだろう。
(台湾では、基本的に食べた後食器などは自分で片付けず、席に置いたままにすることが多い。)

こちらも美味かった。なんとなく独特の香りがするなと思ったらセロリだった。
訪台3回目にしてやっと気づいたのだが、台湾の料理はセロリ率が高いのではないか?
台湾の料理といえば五香粉の香りがよく引き合いに出されるが、隠れた台湾っぽさはセロリにあるのでは、とか勝手に納得して、つるつるのワンタンをいただいた。
熱々だったので口の中を火傷しながら完食。

次の食べ物を探していろいろ歩き回っていたら、昔公営の酒造工場だったところを公園にした場所に出た。
古い工場の建物に趣きがあってよい。とある家族が祖父母から孫まで含めて建物を背景に家族写真を撮っていた。平和な光景だ。
公園内の側溝の蓋がお酒のラベルをかたどったものになっていたことから、公園整備の本気度を感じる。
さすが公営の酒造工場ということだけあって、お酒のラベルに反共スローガンが入っているのもポイントが高い。

酒造工場跡地の公園


反共スローガンのお酒のラベルがグレーチングに


熱々のワンタンスープと、やたらと歩き回ったのとで身体が熱くなってしまった。
ということで三食目は冷たいデザート。
公園の近くにあったお店で一番人気のハトムギミルクを注文。ハトムギを柔らかく煮たものが入った甘い牛乳で素朴な味わい。
お店のお姉さんは私が日本人とわかるや全て日本語で対応してくれた。ありがたい。
Google翻訳だとあの河原に生えているジュズダマと翻訳されるのであんまり美味しくなさそうだが、実際はハトムギはジュズダマの栽培種らしいので言いようによって印象が変わるものだと思った。

花蓮駅に戻ると夕方ごろだったので、夕飯の算段。
電車で戻るとちょうど夜市が始まる頃なので、礁渓に近い宜蘭の東門夜市に行くことにした。
今度は急行列車(莒光号)で花蓮から宜蘭へ。
宜蘭に戻ると花蓮の天気とは一転、雨が強くなっていた。
夜市は鉄道の高架下に開かれており、雨でも平気だったところがうれしい。

葱油餅はパリパリで名産のネギの風味が高い。
卵ありで正解だった。甜麺醤のソースを塗った場所は味が変わってこれまたうまい。

鶏肉を焼いたものを売っている屋台では、小さめの肉(七里香)を3つ注文。なんとぼんじりだった。外は香ばしくカリッと中は柔らかく甘い油が噛むたびにじゅわっと出てくるなんとも言えない美味しさ。もう3つ頼みたかったが我慢。

牡蠣オムレツのお店でエビオムレツを注文。台湾でなくてもちょっと牡蠣は旅先では怖い。同じようなメニューのエビなら行けそうという判断。
片栗粉ベースの生地のぷるっとぱりっとにエビのぷりっと、卵のマイルドさとチリソースの甘辛さ。これはおいしい。
エビもしっかり味がするのに嫌な味がしない。

最後にデザート。グアバに目がないのだが、ちょうどよく甘草グアバを発見。
半個分を甘草ベースの粉とパッションフルーツの酸っぱいソースで味付け。
甘くてシャキシャキのグアバにパッションフルーツの刺激的な酸味が本当によく合う。ちょっと多いかなと思ったがあっという間に完食。

礁渓に戻って1日ずっと食べ歩きして疲れた足を温泉で癒す。満足満足。

3日目 礁渓街歩きと羅東の伝統芸術センター

またしても天気が悪い。
雨が降るのかもよくわからない。
礁渓の街をまだ歩いていなかったので、ひとまず午前中歩いてみることにした。

腹ごしらえ。朝食バイキングでは昨日と趣向を変えて魯肉飯を食べる。まずいわけがない。
そういえば大根餅(香港式)もおいしかった。何かの味に似ているなと思っていたが、これはおでんの大根を濃縮した味だと思い当たった。

栄養を蓄えたら近くの礁渓温泉公園からスタート。
礁渓温泉公園はバスターミナルとつながっており、バスターミナルから順路に沿ってうさぎの可愛いオブジェが飾られている。中ほどには足湯もある。
全体的な公園のデザインも統一されており、緑豊かで大変おすすめだ。
公園の中に森林風呂という和風の温泉があり、その周りもきれいに整備されている。

旅するうさぎ


うさぎスープの作り方


森林風呂の外にあるベンチに猫


一方、湯圍溝温泉公園も歩いて10分程度のところにあり、ここにも足湯がある。
どちらかといえばこちらは繁華街チックで夜には出店が出たり、ドクターフィッシュのお店が軒を連ねている。
午前中だったので特に何もせずに駅前に戻ってきてしまった。


湯圍溝温泉公園のゆるいオブジェ

さてどうしよう。
ノープランなので駅のベンチで調べ物をする。
宜蘭平野の南の羅東に伝統芸術センター(伝芸センター)というテーマパークがあるらしい。
ちょうど雨も止んでいたし行ってみようと羅東に電車で向かう。

羅東駅へはそこまで遠くない。ただ、伝芸センターまでは羅東駅からバスでそこそこかかる。
加えて現金でのバスの乗り方が難しく、こういうときに悠遊カードがあったらなあと後悔した。
行き先を告げてそこまでの運賃を入れるのはハードルが高い。ちなみにお釣りは出ない。運賃は29元。ピッタリ持っていることのほうがめずらしいのでは。
今回は終点までだし30元を運賃箱に放り込んで何食わぬ顔をして乗り込んだら何も言われなかった。
(悠遊カードをタッチしていたおばあさんはなんか怒鳴られてたから本当によくわからない。)

台湾のバスは運転が荒い。
アクセルワークの考え方が日本とは違うせいなのか、アクセルを踏んでは戻し踏んでは戻しする上に、頻繁にブレーキをかけるのでガクガク揺れる。バイクが多いとか道が狭いとか交通事情も違うので簡単にどっちがよいとはいえないとは思うのだが。

そろそろ伝芸センターに着きそうというところで雨が降ってきて、本降りになってしまった。
雨が憎らしいのだが、伝芸センターには古き良き街並みを再現した区域があり、そこは軒先が張り出ているので雨でも安心だった。
スコールのある台湾だからこそだなと思う。
現在でも街の大通りの歩道は軒先が張り出ているので、その下を歩けば濡れないようになっている。ただし、お店の商品やバイク、飲食店の前には机が置いてあったりするので、歩くときは気をつける必要がある。

伝芸センターでは、各施設でいろいろ工作体験ができるようだったが、こういうものは一人ではやりにくいのでパスして、展示やお店を見て回った。

伝芸センターの再現された昔の街並み

お昼を食べたのだが、特に印象に残っていない。ビーフンと排骨のスープと鶏肉の和え物のセットにしたが目新しさはなかった。

あらかた施設を一周したところで早々と羅東駅に戻る。ここでスマホの充電が切れそうだと気づく。
こういうときのためにモバイルバッテリーも持っていたのだが、こっちも充電切れだった。迂闊だった。
そんなとき頼りになったのが羅東駅ロビーのモスバーガー。
充電できるUSBポートが付いている席があったので、コーヒーとナゲットを頼んで小一時間座って休憩した。
日本と違ってナゲットのソースはスイートチリソースで、有料ではない。それとナゲットは7個くらい入っていてびっくりした。
細かいことだがローカライズされている。

(羅東のバスターミナルの待合所にもしかしたら充電用のスタンドがあったのかもしれないが、ご愛嬌ということで。ちなみに礁渓のバスターミナルの待合所には充電用のスタンドがあった。)


中国風な羅東駅


夕食の時間ということで羅東の夜市に向かう。
駅から歩いて10分程度なのだが、雨だったのと道を間違えたことで結構な時間がかかった。
雨も本降りで気づいたら足元が濡れてきている。
公園を中心に公園の周りの道の3辺が屋台やお店になっており、雑貨や服なども売っている大きな夜市だった。

ぐるぐると回ったのだがなんとなく食べたいものも見つからず、雨もひどくなる一方なので、そのまま帰ることにした。
そして礁渓のレストランで落ち着いて美味しいものでも食べようと考えた。前日にコミュ力を使い果たした感じで、なるべくやりとりせずいけそうなところにしようとしたのだ。

しかし、礁渓でもいろいろ歩き回ったのだがいい場所が見つからず、調べてこれと決めたところが臨時休業日だったりして、ぐったりしてしまった。
結果的にファミマでホットスナックを買い込んで、ホテルの部屋で食べることにした。

幸い残っていたソーセージ2本と挟む用のパン1個、なぜか2個残っていた黄色い肉まんのようなもの、そして焼き芋。

ホテルの朝食スペースに宿泊客用の果物が置いてあるので、みかんをひとつ拝借した。

黄色の饅頭は甘いチーズカスタードまんだった。普通の肉まんじゃないから残っていたのか。そして逆に焼き芋はそこまで甘くなかった。

いやはや、色々あったが最後はコンビニに救われた。
台湾には日本と同じ感覚でコンビニがあるし、品揃えは大体同じだ。
セブンとファミマはまんまだし(ファミマの入店音は音程が違うがメロディは一緒)、別のコンビニもそんなに変わらない。


焼き芋の袋。イラストが可愛い


二日連続でかなりの距離を歩いたので、この日も温泉で疲れを癒す。雨に濡れた靴やズボンも乾かしておく。

4日目 台北101と帰国

早いもので帰国の日だ。
帰りの飛行機は松山空港発の夕方の便にした。これでのんびり余裕を持って帰ることができる。
松山空港は台北市内にあるので、台北を観光してから帰ることも可能だ。
ひとまず礁渓からバスで台北に向かう。

その前に腹ごしらえ。最後の朝食バイキングはお粥メインにした。
豆腐や油揚げの醤油漬けなどの種々のトッピングや塩漬け卵を入れて食べる。お粥自体はあまり好きではないのだが、塩漬け卵を入れると塩加減がちょうどよくなって美味しく食べられた。
よく見ると塩漬け卵の殻は青みがかっている。なぜなのだろう。

台北行きのバスは20分おきくらいに出ていて便数も多い。
首都客運のバスに乗って40分くらいで台北市政府のバスターミナルに到着した。
台北までは長い雪山隧道をはじめとするトンネルばかりの高速道路を通っていく。トンネルとトンネルの間からは、急峻な緑の山々に水墨画のように雲や霧がかかっているのが見えた。

一旦市政府から松山空港まで向かい、そこでコインロッカーに荷物を預けた。
松山空港はがらんとしていた。日本便以外はほとんど発着がないからだろう。

4時間ほど時間があったので、以前台北を訪れた際に寄らなかった台北101の展望台に行くことにした。

松山空港にもMRTが通っており、文湖線というらしい。この路線は高架線でタイヤで走行する路線だった。4両編成の車両も可愛い形をしている。

空港から台北101までは一回乗り換えをするがそこまで遠くなかった。
こういうときに悠遊カードがあると便利だなと思った(2回目)。
台北101は低層階が商業施設になっていて、高級ブランドの店舗が多く入っていた。急に銀座のデパートに入ったような居心地の悪さを感じたので、逃げるように展望台に上がる。

高いところに登るだけでお金を取られるというのがあまり好きではないのだが、台北101はすごいエレベーターに乗ったと思えば、納得できる料金だ。
382メートルの展望台まで40秒足らずで登ってしまう。全く揺れがなく、登っている感じもしない。耳もおかしくならないのは気圧の制御装置がついているかららしい。
これは2、3往復させてほしいくらいだ。
大きな制振ダンパーを見られる場所もあったがこれも貴重な体験だ。
展望台からは近くの景色は見えたが、天気が悪く、遠くまではよく見えなかった。

展望台からの景色
あいにくの曇り空


デーモンコアを大きくしたような制振ダンパー


余談。東京観光で東京タワーとかスカイツリーに登ってやたらと高い入場料を払うなら、都庁の展望台に行くとよい。無料で同じような景色が見られる。そういうことではないというツッコミは甘んじて受ける。

お腹が減ったので昼飯。
台北101の地下にフードコートがあったので、チャーシューと鶏のどんぶりを食べる。
同じ階の鼎泰豊は平日にも関わらずすごい行列だった。

良い時間になってきたので空港に戻り、お土産を買う。
調べたところ松山空港はお土産を買う場所が少ないとあったが、それは本当だった。
いろんなお土産が見たい人はきっと桃園国際空港がいい。
パイナップルケーキが買えればよいので私にとっては松山空港でも問題はなかった。
他には目についたものと待ち時間につまむドライグアバを買う。

牛肉麺のお店があったので台湾最後の食事。
もちもちの平麺と柔らかいお肉。スパイスと醤油の香り高いスープ。お高いだけあっておいしい。

保安検査も出国審査も特に何事もなく通過した。コロナ前と何も変わらない気がする。
飛行機は行きと同じで隣に誰も来ず、ゆったり帰ることができた。

機内食は豚肉のケチャップ炒めとサラダ。サラダにはまたもやセロリが入っていた。
デザートは乾燥いちごのケーキだった。
機内食は行きと同様美味しかった。こっちが本当の台湾最後の食事だろうか?

さて、飛行機は無事に羽田に降り立ち、ちょっと緊張していた日本への入国。
Visit Japan Webに検疫と税関申告を事前に登録していたのでおそらく大丈夫だと思ったが、どんな風に進んでいくのか疑問だった。

飛行機を降りると検疫の職員が5人くらい通路にいて、検疫のファストトラック画面を確認していた。
職員に乗客が群がっていて何事かと思ったが、ファストトラック画面が青の人にピンクの紙を渡していた。
これを持っているとその後の検疫がスルーできる。
そのまま進むと入国審査。これは顔認証自動化ゲートだったのでほとんど時間はかからなかった。

税関申告はVisit Japan Webでの登録に加えて、ゲート直前の端末での認証も必要だった。Visit Japan WebのQRコードとパスポートをスキャンし、顔写真を撮って登録内容を確認する。ゲートでマスクを外して顔認証すると通れる仕組みだ。
なんだか登録内容を直前に確認したり2回も顔認証したり二度手間感が拭えない。Webで完結できないものだろうか。
紙での申告窓口は少し並んでいたが、これならWebではなく機内で紙に記入するのでもいいのかもしれない。

これで入国完了。
税関申告で少し手こずったがほとんど待たずに入国できた。
ワクチン接種証明書と事前のVisit Japan Webの登録があればなんてことはなさそうだ。

余談。ワクチン接種証明アプリに登録しているので、アプリからVisit Japan Webの登録に必要な証明書の画像がダウンロードできた。このアプリにはマイナンバーカードが必要なので、マイナンバーカードの威力を再認識した。
簡単な確定申告ならWebで完結するし、コンビニで住民票も取れるので持っておいて損はないと思うのだが、世間の風当たりは冷たい。

約3年ぶりの海外旅行だったが、出入国ラッシュを外したり、台湾現地も正月や春節から外れた平日だったりしたので快適だった。台北101なんか倍額のファストパスがあるくらいなのに、エレベーターは待たなかったし、一緒に乗った人は一人だけだった。

また、宜蘭県内の街や花蓮は中国語が理解できないと少し大変かもしれない。
これまで行った都市はこちらが理解していないと見るとジェスチャーや英語、さらには日本語で説明を試みてくれる確率が高かったのが、今回はそのまま中国語での説明が継続するのでなかなか苦労した。
こちらがちゃんと勉強したり工夫したりすべき話なので反省しているが、台北や高雄のようにただ歩いているだけで私を日本人と見抜いて話しかけてくる環境とは違うということだ。
思うに礁渓をはじめとして今回訪れた街は台湾現地民向けの観光地で、あまり外国人観光客が多くないのかもしれない。それにしては礁渓の街中の案内図は全て日本語対応していて本気度が伺えた。

しかしまあ、食べ物のことばかり詳細に書いた気がする。これは年末年始に見た孤独のグルメのせいだと思う。
もちろん食べ物だけでなく街をしっかり歩いて見て回れたのでいいリフレッシュになった。これで年明けの溜まった仕事もなければ最高なのになあ。


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