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時間について/ちょっとした自己紹介

 はじめまして! 常と申します。
 今回は自己紹介がてら「時間」というものについて書いてみたいと思います。




・こんな世代


 私は所謂ロスジェネとか、就職氷河期とか言われる世代です。
 大学に入れれば就職はなんとかなると信じていたのですが、そのうちに9.11が起きたり、リーマンショックが起きたり山一證券が破綻したり、世の中は混乱の一途を辿ることとなりました。そんな訳でお気楽に文藝部に入り浸り、本を読んでばかりでのらくら過ごしていた私は、大不況の最中、中々ストレートに就職なんかできず、ライフガードとバイク便をしながら正社員の道を探すことになりました。
 因みにバイク便時代、渋谷新宿方面最速記録を出しました(無茶駄目絶対)。
 楽しかったな。やっぱりお気楽ですね。

 なんとか正社員になれたものの、就職した会社はことごとく潰れてしまいます。安定した生活を得る為と、勉強し直したいという思いから、看護師の免許を取得して現在に至ります。
 ふと立ち止まって来し方を振り返って見れば、これまでに行方しれずになった知り合いは何人もいるし、派遣から今も上がれずにいる友達もいます。
 ただただ、私はラッキーだった。
 世間の荒波に揉まれて沈没する事なく済んだ。看護師に挑戦出来たのは私だけの力ではありませんでした。家族や当時の恋人の勧めもあったから成せたことでした。


・時間は有限


 成せばなる成さねばならぬ、何事も。
 でもやってもどうにもならない時もある。やるだけやったら後はケ・セラセラ。未来なんて誰にも分からない。

 時間は有限です。もたもたしてたら仕事はなくなるし友達も文字通りどっかに消えてしまう。
 悩んでいるなら動いた方が悔いはない。
 動いたら成せなくても、動かなかった時より気持ちがマシです。一生懸命に、でもゆる〜く生きるのがモットーです。


・当たり前のこと


 時間は有限だから一生懸命生きなきゃいけない。前からそう言う考えはありましたが、一層強く思うようになった出来事がありました。

 看護師になって1年目。
 3人の人に会いました。

「絶対に悔いの無いように生きなさい」
「本当にままならないね。退職したら親孝行しよう、自分のために時間を使おうと思ってたんだ」
「突然帰る場所も、食べる楽しみも、何もかも無くしちゃった」

 いちかばちかの治療に臨む前の男性の言葉。
 もう出来る治療は無いと診断された男性の言葉。
 病で自分の飲食店を手放す事になった女性の言葉。

 皆、普通の生活を送っていた普通の人達でした。
 でも誰も、本人さえも知らないうちに普通が終了してしまったのです。リミットは知らされないのだと、両肩を掴まれて、手を握られて、背中をさすっていてはっとしました。気付いた……というか、気づかされた。
 実はこの3人の人達が、急にリミットを突きつけられた事さえも、側から見れば決してドラマチックな悲劇じゃない。職場が病院である以上、毎日誰かしらの上に降りかかるものです。それが私であってもおかしくないくらい、普通で当たり前の、皆に平等に訪れる事象です。

 皆、遺言です。
 明確な遺言だったのは最初の人のだけかもしれませんが。
 きっとリミットを自覚した沢山の人の言葉のうちの一つである筈なのに、どの言葉も重たく刺さり、今でもずっと抜ける事はありません。

 バイクに乗りたい、キャンプをしたい、本を読みたい、ピアノを弾きたい、美味しいものを食べたい。
 でも働けるならきちんと働きたい。
 やりたい事は沢山あるけれど、しっかりと掴まないと、どれも皆、時間と共に指の間からすり抜けていってしまうのです。この三方と出会い、指の間から落ちてしまう事はごく当たり前の事なのだと、突きつけられた気持ちでした。
 
 生きるって定義は難しい。
 息をして、心臓が動いていたら生物学的には生きている事になりますが、多分私の死……つまりリミットは、好きなことができなくなった時なのだと思います。だからそれまでの間は精一杯生きたい。彼の人達が教えてくれた気付きを、無駄にしないためにも。


・アリとキリギリス


 だから、働く時はアリのように
 遊ぶ時はキリギリスのようにありたいと常々思っています。
 
 人生の大きな目標の一つであるカミーノに向かうのは、今しかないから。生きたいなあと、今はいつだって思っているから、チャンスがあれば行くのです。

 カミーノが終わったら?
 まだリミットが来ないのなら、許されるなら生きていたいですね。
 世界には色んな面白いものがいっぱいあります。些細な日常から遠い世界の果てまで満タンに溢れてる。

 きっとカミーノの経験を糧にしつつ、仕事をしつつ、日々楽しみを探して生きていくのでしょう。


 La vita e bella!
 なのです。
 目一杯楽しまないとね!





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