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あらびはなしを知ってください 第0話

あらすじ
 私の故郷には多くの人が知らない不可解な現象、怪異が多々存在しています。
 それらは昔からの風習やしきたりで守られていたり、人目につかない場所でひっそりとしていたり。
 この話を読んだうえでどう感じ、どう思うのかは皆様の自由です。
 本当にあった、などといくら言ったところで判断するのは読んだ皆様であり、私が押し付けるものではありません。
 私と弟、沖縄に住む二人がこだわりをもって集めて回った、そんな【あらびはなし】を是非知ってやってください。


前書き

※特定を避けるため人物名など細かな部分を一部改変しています。怪異の内容はそのまま記載していることにご留意ください。
※沖縄独特の風習や方言、言い回しなど、通常の言葉使いとは違った部分がありますが、ご了承下さい。

 このままではクソみたいな人生で終わる。
 そう考え始めたのは社会人になって三年目の夏だった。
 週末には友人と居酒屋で仕事の愚痴を言い、文句をいいながらもまた仕事に行く。やりがいなどがある訳ではない。かといって辞めるほどでもないし、働いていて楽しいこともある。
 彼女とも上手くいっているし、いずれは結婚も考えている。
 お金に困っているわけでもないし、贅沢せずに暮らす分には問題ない。
 自分を不幸だとは思わない。かといって幸せなのかと言われると、何も言えなくなる。
 何をしてもつまらない。心湧き上がるような、充実感につつまれることはない。ただ、ただ抑揚のない毎日を過ごすだけ。

 ある日、ベランダでぼーっと空を眺めていているとき、急に思いついた。
「──怖いものを書こう」
 幼少期から大好きな怖いもの。ホラー。興味本位から様々な人へ聞き回って集めた怪異達。自分の唯一ともいえる趣味。
 それらの怪異を、文章に残してみたいと思ったのだ。
 それを書けば何かが変わると、私は根拠のない自信に満ち溢れていた。
 すぐに共通の趣味を持っていた人物である、弟に連絡をした。

「怖いもの探すから、手伝えよ」

 こうして私は生まれ育った琉球───沖縄の怪異を記す為に筆をとることにしたのだ。

 ここで記すのは、ただの怪異ではない。様々な理由で今まで発表できなかった話。
【あらびはなし】
 沖縄に住む兄弟二人がこだわりをもって集めたそんな話を、是非、是非知ってやってください。


第一話 てぃーち

第二話 たーち

第三話 みーち

第四話 ゆーち


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