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〔詩〕サバイバー

ビルの森を行く人は
足跡ひとつ残さない
乾いた音だけを響かせて
軽やかに大胆に今を横切る

溢れかえる情報も
とめどないざわめきも
クロールで泳ぎ抜けては
涼しい顔で手を振っている

足跡を残すな
泳ぐのを休むな
何も気付かない素振りで
罠をギリギリで跳び越えろ
襲ってくる敵を欺くのだ

身を守るのは知識か本能か
無機質なジャングルを
表から裏まで駆け抜けていく
微笑みすら武器にして
繰り返すのは浅い眠り

泥のように眠るにはまだ早い








                        

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