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映画「繕い裁つ人」に見る仕事着の大切さ

映画「繕い裁つ人」を観ました。

紅茶も入れられない主人公、母に「洋裁しかできない」と言われ、「夢見るための洋服を作っているんです。生活感だしてたまるもんですか。」とがつぶやく。

中谷美紀さんが、主人公市江を演じています。

祖母が作った服の仕立て直し、サイズ直し、新作を少しだけ。

「世界に1着だけの、一生もの」
祖母から受け継いだ洋服の仕立て屋さんを大事に大事に受け継いでいくお話です。
一点の洋服を体型が変わればそれに合わせて仕立て直していく、祖母の仕立てた洋服を大事に着てくれる人とその服を大事に仕立て直していつまでも着られるようにする。それが使命かの如くに、服に向き合う主人公の物語です。
その話の内容も素敵でしたが、主人公が住んでいる洋館のような家、また仕立てをする仕事場、そして、仕立て屋として働くときは、大正時代の洋装のハリのある生地のロングドレスを着用しています。このドレスは、スモッグのような服を汚さないための作業着としての機能もあるのでしょうが、その姿がとても素敵です。

仕事をするときの服装も大切であることを考えさせられた映画です。
背景となる仕事場の空間と服とのバランスがとても美しい映画です。
こんな洋館に住んでみたいと思ってしまいます。

中谷さんの仕事をしている時の凛としたたたずまいと、パジャマを着たままで起きてきた時のちょっと抜けた感じのギャップもまたいいのです。
お仕事をしているときは、着替えることにより別人になっているのかもしれません。

仕事する時の装いによって、作品も変わってくるのでしょう。そんなことを考えさせられた作品でした。
見ていて美しい映画でお勧めです。


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