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母娘関係はめんどくさい!「限界から始まる」を読んで

こんにちは。ベビーシッター兼保育士のねこばすです。
最近noteから遠のいていましたが、実はある本をコツコツと読んでいました。

「限界から始まる」
上野千鶴子さん×鈴木涼美さんという刺激的なお2人の往復書簡を本にまとめたものです。

上野千鶴子さんと言えば最近では2019年の東大入学式での祝辞が有名ですね。
鈴木涼美さんは今回初めて知った方です(すみません)。

なぜこれを読み始めたかというと、noteがおこなっているイベントの課題図書にあったから。

読み始めて後悔しました。
充実し過ぎた内容で私には感想をまとめられないから(笑)

往復ごとにテーマが決まっていたのでまずはそれを紹介します。
内容はテーマから何となく推測してください♪

1 エロス資本
2 母と娘
3 恋愛とセックス
4 結婚
5 承認欲求
6 能力
7 仕事
8 自立
9 連帯
10 フェミニズム
11 自由
12 男

数ある課題図書の中からなぜこれを選んだのかというと、今年母と大きな喧嘩をしたためです。
主にLINEでやり取りをしていましたが、それ以降直接はまだ話していません。
因みに私は都内、母は北海道にいるのでコロナ以降会ってもいません。

「(娘にそんなことを言われるなんて子育て失敗)私の人生なんだったのって思う」
と母に言われた時に、けっこうな衝撃を受けました。

親子喧嘩の時に言いがちなことだと思いますが、それまで本音のぶつけ合いを避けてきた私達母娘にとっては禁止語に近いものだったのです。

「いや、あなたの人生はあなたのものだから私にそんなこと言われても困る。」
「自分の人生の課題を子どものせいにしないでくれ」

ということを返した覚えがあります。我ながらキツイ。

父との関係が良好でないことは子どもの頃から知っていました。
だから離婚を勧めたこともあります。
「自分には経済力がないし、今離婚するのは金銭的に損しかない」
と言って離婚しないことを選択したのは母です。

そういう人生を選んだのは母親自身。
それで生きがいを子どもに求められても困ります。

そんなことは分かっている程度には冷静な母だと思っていたから、上記の言葉が衝撃だったのです。

母親って「娘は分かってくれる」と思うところがあるのでしょうね。

そんな中、年明けに帰省することが決まりました。2年半ぶりに。
きちんと話ができたらいいなと考えています。
その時のヒントを得たい気持ちもありこの本を選びました。

この本から感じたこと

正直、この本の感想を書くのは極めて困難です。

読みながら気になる箇所にドッグイヤーをしていったらそれも大量になったのですが、鈴木さんの言葉に共感しつつ上野のさんの言葉に考えさせられました。

それらの中でも今の私にもっとも響いた言葉たちは以下の2つ。

「幸福な母親でないと、幸福な育児はできません」

自分自身が幸せじゃないと人のことを幸せにすることができない。
これは真理だと思います。

それは子育てにおいても同じ。

ところで、ずっと前にどなたのか忘れましたが何かの本で同じようなメッセージを読んだことがあります。

「子どもと接する時間が長い母親の気持ちが安定していることが大事。そのためには父親が母親を愛し支えていることが大切」

確かに。でも、何だか釈然としないのは私だけでしょうか?

父親に愛され大切にされている母親は確かに幸せです。
ですが、それってとても受動的。

母親は父親という保護者の下で守られているから幸せなのか?
だから幸福な子育てができるのか?

この考えに染まると結婚が人生の命題になり生存戦略となるでしょう、私の母のように。

上野さんが言っている幸福な母親とは「自分で自分を幸福にしている母親」です。

経済的・精神的に自立していることが要件になるでしょう。

私は自分のことをフェミニストだと思わずに生きてきましたが、今回この本を読んでフェミニスト的要素を多分に持っていると認識しました。

男性に寄りかからないと生きていけないのは嫌だ。
お互いに支え合っていけるパートナーはほしいけど結婚願望は薄い。
私が幸せになるためには私がそう行動していけばいい。

そんな風に考えながら生きています。
女性の自立や幸福に興味があるからこそ、人の子育てを手伝うことを仕事にしているのだろうなとも思います。

ママさんたちに幸福な子育てをしてほしいし、子どもには幸福に育ってほしいから。

子どもを幸福に育てるためには母親自身が幸福であることが必要で、
その幸福は自分で築くもの。

40代にして考える「結婚ってなんだろう」

少し話を変えます。

私は4年前からフリーランスをとして仕事をしています。
自分で仕事を作ったり得て生活しているので、今まで色んなことをしようとしてきました。

保育とは別に今の自分(独身・子どもなし)と近い人をペルソナにして何かできないかなと考えて、Twitterのアカウントを作ったこともあります。

アラフォーの独身女性が、より楽しく安心して人生謳歌できるようなコミュニティを作りたいなと思ったりして。

色んな方と繋がろうとしたのですが、少なくてもTwitter上では結果「婚活」というところに話が帰結していくのですね。

「これからどう人生を歩んでいこうか?」
「好きなことを仕事にするのか、趣味にするのか?」
「寂しくなった時のために集まれる場所を持っておこう」

という私の考えはマイノリティで、

「アラフォーだけど結婚するには?」
という話題がメインで、私はそこでの立居振舞がまったくわからず、何もできないままアカウントをそっと閉じました。

結婚か~。

なんでそんなに結婚したいんだろう?
今や日本でも3組に1組は離婚するこの時代に。
パートナーと一緒にいるだけじゃダメなの?
パートナーって恋愛関係の人じゃないとダメなの?
子どもが欲しいと言ったってできない可能性もあって、その時にその結婚って意味あるの?

正直私は疑問ばかりを持ってしまってよく分かりません。

その時に飛び込んできた上野さんの言葉。

「人生に同行者がいることが幸福なことも不幸なこともある。でもさいごは『ひとり』です。」

多分ですが、特に40代以上の女性が結婚をしたい理由は子どもよりも「将来寂しくないように」「独身のままだと何となく不安だから」の方が大きいと思います。

でも、結婚していてもいなくても最期は独りなんですよね。

そう考えれば人生もっと気軽に考えてもいいってものじゃないですか?

結婚していてもいなくても、子どもがいてもいなくても、大金持ちでもそうじゃなくても、どんな人も最後は平等に独り。

焦らずに今を楽しみながら自立していけばいいのですよね。
その上で一緒にいたい人といればいいし結婚してもいい。

漠然とした不安を感じがちなのも「何が不安なのか」を解明したり解消したりするための行動を起こさないから。

母娘はめんどくさいものだけど

子どもは親の写し鏡。

特に母と娘は影響を与え合う。

母親そっくりの女性に育つこともあれば、斜めや真逆の方に違った価値観を持った女性に育つこともあります。

でも、今も昔も女性は自分の人生に不安を抱えがちで、それを解消・緩和するのは苦手なようです。
昔に比べて女性の人生の選択肢が増えたけれど、女性自身の感覚がまだそこまで開放されていないのかもしれません。

◆何となく人生の不安がある方
◆子育て=自分の人生になってしまっている方
◆「女性として求められること」に疑問がある方
◆結婚願望に振り回されて疲れている方
などなど「限界から始まる」を読んでみてはいかがでしょうか?

私は母娘関係に注目しながら読みましたが、様々な角度から没入できる上に考えさせられます。

途中で過去の実体験などを思い出して涙することもあるかもしれません。
きっと読むのに時間がかかると思いますが、一人の人間としてこれから先の人生をどう歩んでいこうかを考えるきっかけになる本だと思います。

最後に・・・?

結局、ロクな感想を述べることもできず。
改めて自分の思考の散らかり具合と語彙の貧弱さを痛感しましたが、今回noteの企画を通して一生のお供にしたい本に出合えて良かったです。

これからの人生も逞しく楽しんでいきたいですし、とりあえず母と仲直りもしたいです。

読書は心と頭の栄養素。
もっと読もう!




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