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3歳以上の子がいる方におすすめの本「自分でできる子に育つほめ方・叱り方」

みなさんおはようございます、ベビーシッター兼保育士のねこばすです。

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最近サボっていた読書。
いよいよブログやTwitterでの日本語も怪しくなってきたしネタにも困るようになってきたので(実情出し過ぎ)、これからはまた隙間時間に読書をしていこうと思います。

そして、せっかく読むのであれば子育てや親子に関するものを。

ということで、今回は読書感想文を。

こちらです!
「自分でできる子に育つほめ方・叱り方」

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作者の島村華子さんについて

上智大学卒業後、カナダのバンクーバーでモンテッソーリ国際協会の教員免許を取得
◆カナダのモンテッソーリ幼稚園で教員をし、その後オックスフォード大学にて児童発達心理学の修士・博士課程を修了

現在はカナダの大学で幼児教育の教員養成に携っている、モンテッソーリ&レッジョ・エミリア教育研究者です。

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モンテッソーリやレッジョ・エミリアを取り入れた幼稚園や保育園が最近日本でも増えていますが、正しく実践していくためには教職者に正しい知識と経験があり研鑽を積んでいることが求められます。

その点、島村さんは博士課程まで修了しているプロ中のプロ。
そんな方に教われる学生さんが羨ましい限りですが、この本ではその中でもママ・パパさん、そして私のような保育者が日常で実践できることを伝えてくれています。

本書の概要

この本が伝えたいメッセージは
「子どもが自立して生きる力を身につけられるかは、親や周囲の大人の接し方次第」
ということです。

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子どもの「よき育ち」に非認知能力が必要不可欠なのは、最近よく知られるようになりました。

そして、非認知能力を育む1番の方法は「ほめること」。
だから「ほめる子育て」を実践している親御様は大勢います。

でも・・「そのほめ方合っていますか?」

という疑問の投げかけから本書は始まります。

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実は、間違ったほめ方をすると子どもの自信ややる気を減退させてしまうのです。

ここで最大のポイントになるのが「親(大人)が子どもに対してどのようなイメージを持っているか」

A子どもは一人では何もできないから、大人の言うことを聞くべき存在だ
B子どもも大人と同じ権利を持った存在で、一人でできる力がある

例えばこういった2つのイメージがあった時に、Aのイメージを持っている親は管理的な子育てをします。
それを本書の中では「条件付きの子育て」と表現しています。

子どもを管理するつまりコントロールするために、褒美や罰を与えたり。

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例えば公園で遊ぶ夕暮れ時。晩ご飯やお風呂などのことを考えるとボチボチなところで帰りたいのが親の心情です。

「そろそろ帰るよ」
「やだ、まだ遊ぶ!」
「じゃあ、あと3分ね」
「分かった!!」
3分後・・・・
「帰るよ」
「やだ~!」

ぬおーーーーーーー、ってなりますよね。私は内心なります。
仕事なのに。

「じゃあ、もう先に帰るから一人でずっと遊んでな」
と帰るフリをする。これも罰を与えていると言えます。

子どもは置いて行かれる恐怖で走ってくるでしょう。
帰宅するという親の目的は達成しているわけですが、こういった子どもをコントロールする子育ては後々弊害が出てきます。

本書の中では
◆短期的にしか教育効果がない
◆条件付きの自己肯定感しか持てなくなる
◆親子関係が悪くなる
◆世代を超えて引き継がれる

 などが挙げられています。

この弊害は、ご褒美を与える・ほめる場合も同じです。
「(親にとって)いい子にしていたらほめる」という風に、愛情をエサに子どもに接していると、子どもはほめられた時にしか愛されている実感を持てなくなります。

それに、親が無意識で発している言葉って見事に子どもに移ります。

あるシッティング先の4歳のお兄ちゃんは、最近弟に「ご飯全部食べなとオニが来るよ!」と言うようになりました。
時々ママが言っているのをちゃんと聞いて再現してる。
(そういえばかつて「鬼から電話」とか流行ったけれど今もありますか?)

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この本は、
「その状況から脱して、正しいほめ方と叱り方を身につけていきましょう。それでこそこどもは伸びていきます」
とういことを分かりやすく教えてくれます。

学んだこと

なによりも大きな学びは「子ども観」です。

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子どもと大人は生まれたタイミングが違うだけで、人間として有している権利は同じ。
大人と子どもは上下の関係ではなく並列の関係。

この子ども観を私は持っているつもりでした。

ですが、読み進めて行くとNGな声掛けバンバンしちゃっていることを認識せざるを得ませんでした。

シッターという職業は親子の「生活の一部分」を担うことが多いです。
親ほどではないですが、時間に追われることも多い。

そうするとつい口をついて出てしまうことがあるんですよね。
「(言うことを聞いてくれて)いい子だね」など。

保育者たるものそうではいけないな、接し方を改善してそこからブラッシュアップしていこうと決意を新たにしました。

「大人と子どもは並列の関係」を合言葉にして。

最後に

子どもが楽しくそして意欲的に人生を歩んでいくためには、親の対応がものを言います。
そのためにもほめ方や叱り方を勉強して実践してください。
子育ては手間ひまがかかるものです。

そう言うのは簡単。

でも、実際は大変です。
何といっても手間ひまを割くための時間が足りない!

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核家族化の進行に対して男性の育児体制はなかなか整わない。
仕事もしながらワンオペで子育てをしているママさんが私の周りにも大勢います。
(仕事をしていなくても、ママさん達ものすごく忙しそうです)

そんなママさんにほめ方や叱り方まであーだこーだ言うのは、正直気が引けます。

でもどの親にも共通しているのは「子どもに幸せになってほしい」という想い。

そのためにほめる時もあれば叱る時もあるのです。
だったら、より効果的なほめ方や叱り方をしてほしい。

その方が、子どもも親もラクになれるから。

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子どもをコントロールする言葉かけをして今ちょっと時間が短縮できても、すぐにその効果はなくなってしまいます。
それを繰り返すなら、今ちょっと手間をかけて長く効果がある方が結果ラクなのです。

いきなり全ては難しいので、あなたにとって取り入れやすいところから実践してみてはいかがでしょうか?

そして、くれぐれもご自身を追い詰めることはありませんように。
子どもと向き合う時間を確保するために他で手を抜いたっていいのです。
手を抜くのが難しければ「親の習い事」だと思って家事代行を利用したっていい。

また、子どもにかける言葉を自分にもかけてあげていただきたいのです。

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子育てに悩む時点で、あなたは一生懸命子どもに向き合っているとても素敵な親です。
そのことをしっかり認めてほめてください。

実は、この本の一番のおすすめ箇所は後書、とても救われます。

親も人間です。一人の人間だった個人が、子どもという命に恵まれた結果、「親」になっただけで、一晩でいままでの価値観や考え方、欠点や習慣がドラマチックに変るわけはありません。感情に振り回されるときもあるでしょう。子どもへの気持ちが自分の心の余裕によって変わってしまうのも現実でしょう。

と島村さんは言っています。

だからこそ、まずは親が幸せであること、子育てで無理をしないことが大切ですね。

この本はそのキッカケを作る一冊になるでしょう。


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