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昔々あるところに

 私が保育園に通っていた頃、Y先生という先生がいた。土佐清水の人には珍しく、穏やかで真面目な性格の先生だった。

 そんなY先生がよく私たちに話してくれた物語がある。それがコチラ。

 昔々あるところに、おじいさんとおばあさんがおりました。

 おじいさんは柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。

 おじいさんが柴を刈っていると、ウ◯チがしたくなりました。

 おじいさんは手近の葉っぱにウ◯チをし、川に流してしまいました。

 さて、おばあさんが川で洗濯をしていると、川上からどんぶらこ、どんぶらこと「お味噌」が流れてくるではありませんか。

 おばあさんはその「お味噌」を拾って、「これは良いものを拾った。おじいさんに食べさせてあげよう」と、持って帰りましたとさ。おしまい。

 …なんだかすごい内容の話だが、それを聞くたび私たちはキャアキャアと笑い転げたものだ。フロイトでいう所のナンチャラ期なのか、あの年頃はウ◯チ、パンツ、オナラが好きだ。

 うちの小一になる姪も、そんなお下劣な話が大好きである。Y先生の話は、そんなお年頃の私たちにぴったりウケたのだ。

 あんな真面目なY先生が、よくそんな話をしてくれたものだと思う。もれなくその話は私から姪へと伝えられることになった。

 コンプライアンスも無い、遠い昔の昭和の思い出である。

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