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そっちも気になるようになった日

それが気になるようになった始まりは、2019年6月の『トム・サックスのティーセレモニー』展。

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茶道に感銘を受けて作られたトム・サックス氏の宇宙空間茶室は、大胆な発想ながらもユニークな空間だった。型にはまらない開放的な自由を感じられて、居心地が良かった。

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彼の頭の中では面白い発想や、作ることへの純粋な楽しさがミラーボールのようにきらきら輝きながら踊っているのだろう。私もそんなかっこいい人になりたいと思った。

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写真撮影が可能だったので調子に乗ってバシャバシャ撮ってたら、どこまでが作品なのか分からなくなってきた。置いてあった順序を示す脚立も展示の一部だったのだろうか?

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脚立に貼ってあった矢印は、「もしかしたらトム・サックスさんが描いたのかな?」と一緒にいた友人と推理をしていたけど、結局今でも不明のまま。

そして脚立から発生した〝もしかしたらアートかもしれない〟の境界線は、もっと広がって行ってしまい…。

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最終的に「いや、流石にそれは違うよ…。」(脚立以降の写真)と、友人に心配されてしまうほど、気付いたら〝美術館に存在する物は何でもアートに見えてしまう現象〟に取り憑かれていた。もしかしたら、これがトム・サックス氏の目的だったのかも? だとしたら、何てユニークな魔法でしょう。

そしてこの日を境に、美術館の空調設備の機器の種類や、消火栓の壁への収まり具合、監視員さんの佇まいにも注目するようになってしまった。

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尚、これと似た〝美術展で額縁に目が行ってしまう現象〟も存在する。クリムト展に行った日を境に、額縁製作者との関係や、どうしてその額縁を選んだのかが気になってしまう。いつか学芸員さんに尋ねたい。

そしてこの奇妙な視点によって感動のハードルはぐんと下がった。今まで見過ごしてきた存在でも注意深く目を向けると、世界の奥行きが深くなる。些細な事でも「おお、すごい!」と、喜べるようになった。

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会社と自宅を行き来するだけの単調な生活の中でも、「まだ自分が発見してない隠された謎が風景の中にありそうだな。」って、宝探しの気分で過ごせる。

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…因みに感動して鳩のように挙動不審でキョロキョロしすぎると、警備員さんや店員さんに不審者認定されるのでお気をつけください。(経験済み。)

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以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。時間ができたらまた変な事を書こうと思います。お元気でお過ごし下さいね。

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