選挙に行くのも、子どもへの愛の示し方の一つだと思う
参院選が迫ってきた。
選挙の時期になると必ず思い出すことがある。
それは随分前の話だけれど、「選挙とか関係ない!人に頼らず自分の力で生きていくぜ!」とSNSに書き込んでいる人がいて、それに同意のコメントも寄せられていて唖然としたこと。(ちなみに投稿主は30代後半。)
多分その人は、選挙の意味をまったくわかっていないんだと思う。
行くか行かないかを最終的に決めるのは本人だけれど、意味がわからずに行かないんだとしたら悲しい。
選挙で投票するって、私たちの毎日の暮らしのことを決めること。
私たちの未来のことを決めること。
そして子どもたちに引き継ぐ未来を決めること。
だから、せめて幸せになりたい人、子どもに幸せに生きていって欲しいと願う人には、選挙に行こうよ!と私は言いたい。
選挙に行かない意味
選挙に行かない。
その意味を考えた時に、行かない選択肢は私の中には浮かばない。
選挙に行かない=白紙委任状を提出することだと私は思っている。
『どのように決まっても異議はありません。その結果に従います。』ということ。
だから、選挙に行かない人が、税金が高いとか、公共の設備やシステムが悪いとか、政治家がどうこうとか、言うのはおかしいと私は思う。
私たちは、社会の中で生きていて、その暮らしの多くを決めているのは法律だ。
何かを買うたびに支払っている消費税。
働いて得たお金から支払う所得税。
多くの人が加入している健康保険税。
保険適応で病院に行った時に支払う金額だって決められている。
そういうこの国で暮らしていたら絶対に関係ある事柄を『私たちの代表として』話し合って決める人を選ぶのが、選挙だ。
私は黙って決まったことに従うのは嫌だから、
少しでも自分の想いと近い人に『私たちの代表』になって欲しいから、
選挙に行く。
たとえすべて自給自足で、電気もガスも水道も使わず、病院にもいかない人だとしても(前述のSNS投稿主は都会で会社員をしていた)、法律に触れることをしたら罰を受ける訳だし、まったく法律に関係なく暮らせる人なんているとは思えない。
だから、『選挙が関係ない人』なんていない、と私は思っている。
この社会の未来が不安だから、子どもを変えようとしてしまう
子育てに不安を感じたり、子どもに色々と「ああしなさい、こうしなさい。」と言ってしまう理由の大きなものに、『そんなんじゃ将来が心配』という想いがある親は多い。
『将来が不安』は実は親自身の課題だったりもするけれど、少なくとも子どもが生きている社会が、
『困った時、助けを求められる社会』
『つまづいても何度でもやり直せる社会』
それが当たり前な社会だったとしたら、今ほど『将来の不安』にとらわれずに、おおらかに子育てができるんじゃないか?と私は考えている。
今、そうじゃない社会だ(と、感じている)から、すでに親である人はもちろん、これから子どもを持つことを不安だと感じる人が多いんだと思う。
さらに教育にもっともっと多様な選択肢があれば、その子のありのままを尊重しやすくなる。
近所の公立学校が我が子には合わないけれど、他の選択肢がないから何とか頑張らせてしまうケースはとっても多いはずだから。
合わせないといけない、と思う環境だと、親にも子どもにも本当にストレスがかかる。
全国に色んなタイプの学校を作る取り組みはどんどん広がっているし、家庭学習のツールも増えているけれど、公立校に通うよりも経済的負担が大きくなってしまう場合も多い。
子どもには学ぶ権利があるはずなのに、現状は公立校の『枠』に合わない子ども、その中で私立やその他の選択肢を選べない環境の子どもの学ぶ権利は守られているんだろうか?
今の不安の本当の根っこは、社会に対する不安だから、それは社会の課題なのに、子どもの課題として子どもを変えようとしても上手くいくはずがない。
子どもの将来のためにも、選挙に行こうよ
私たちは大きなことは変えられないと思い込んでしまっているから、我が子を何とか生き抜けるように適応させようと考えて行動してしまいがちだ。
でも、少なくともすべての国民が選挙権を持っている日本では、変えられることはたくさんあるはずだ。
だから、一見遠回りのように感じても、社会を生きやすい方向に変えていくのが結局子育てに対する不安を減らす近道だと感じる。そして何より、より良い環境を作って引き継いでいくのって、子どもたちに対する大きな愛情の示し方でもあると、私は思う。
社会の変え方はきっと色々あって、個人で思うことを発信したり、仲間を作って身近なところから変えていくのもそうだし、これは!と思う活動をしている人が居たら応援の寄付をするという方法もある。
でもそういうのはハードルが高くて出来ないと感じる人が多いのも事実だと思う。
時間がない人も、影響力がない人も、お金がなくても、活動する勇気がなくても、簡単に誰でも行動できるのは、選挙で投票することだ。
(昔、日本でもお金持ちしか、男性しか、投票出来ない時代があった。当時の人が必死で選挙権を求めて運動した結果、今がある。。)
厳しい言い方かもしれないけれど、誰にでも出来る選挙にさえ全く行かなかった人が、もしも将来子どもに「どうしてこんな社会なのに産んだの?」と言われたとしても「お父さんお母さんにはどうしようもなかったんだよ」とは言えないはずだ。
すべての子育て中の人が投票に行くようになったら、必ず子育て環境は今より良くなる。
次回の記事では、そう思う理由と、私が今回どこの党に投票しようと思っているかを書きたい。