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旅をするわたし 京都 2021.10.19~20

ザ・ゲートホテル京都高瀬川 泊


思っていたよりも、早いのぞみに乗れた。お昼は到着してからにしようか、迷って、崎陽軒のチャーハンのお弁当を買った。チャーハン弁当はシウマイが2個だけど、チリソースのからあげと、たけのこと、キュウリの漬け物が入ってて、チャーハンにはエビも乗っていて、ちょうどいい満足感。いい選択だった。

久しぶりの京都。
50歳になったので、節目の旅、とする。

ひとりの時間、いろいろ考えて書き残そう。そう思ってノートを新調した。これから先のひとり旅も、このノートを持って行こう。

昨日、作家の山本文緒さんが亡くなったと発表があった。作家としてとてもとても活躍された方だけど、うつになったり、大変だった人という印象がある。小説の作品よりも、うつのエッセイのほうを読んでいるので、うつの人というイメージが強く残ってしまった。フォローしているInstagramでのようすがちょっとおかしかったので、もしかしてまたうつが再発したのかなと勝手に思っていたら、がんだった。急な展開だったみたいだ。軽井沢と横浜を行き来していたころは、まだ元気だったのかな。そんなことを、流れはじめた車窓を眺めながら考えていた。

重度重複障害を持つ息子は、久しぶりの短期入所2泊3日。施設に送っていったら、息子の同級生に会った。定期的に短期入所を利用している同級生もいる。本当は、頻繁に利用したほうがいい。遠慮していてもしかたがない。それよりも、慣れておくほうが必要なのだ。頭ではわかっている。それでも、後ろめたさがつきまとう。

新幹線は、海側の通路側の席だった。人越しに富士山を見た。雪がかなり降ったみたいだ。息子を施設に送っていくときにも、きれいに見えていた。急に寒くなって、あちこちから雪のたよりを聞く。この旅行から帰ったら、週末は家族で志賀高原へ行く。フリースは持って行ったほうがいいかな。山はもう氷点下になりそうだから、ダウンジャンパーも必要かも。

窓の外に、茶畑が広がる。もうすぐ掛川あたり。静岡は相変わらず長い。雲が広がっている空から、陽が差してきた。雨は降ってないっぽい。

そろそろ1時間、静かな車内。どこからか、いびきが響いてくる。繰り返し見回りの車掌さんが通る。とても背が高い。車内販売のカートも、もう2回通った。新幹線名物のかちかちのアイスクリームを食べたいけれど、京都へ着いたらパフェの予定だから我慢する。帰りにしよう。

浜名湖をすぎて、もうすぐ愛知県。長かった静岡が終わる。またカートが通った。アイス・・・

今回は、旅行カバンはリュックひとつ。身軽な旅。行き帰りの時間も決めず、まだひとりで歩いていない場所を訪れるつもり。宿泊先も、初めてのホテルにした。新しい視点の旅にする。

少しうとうとしたら、名古屋に着いた。ここから京都までは30分くらいか。到着は14時前になる。さてどうしようか。ホテルにはすぐにチェックインできる時間。地下鉄を四条で降りて、コーヒー豆を買って、パフェを食べてから、チェックインして、そのあと夕刻のさんぽに出ようか。

京都に着いた。ぽつぽつ雨もよう。

地下鉄に乗って四条へ。びーんず亭でコーヒー豆を買って、吉祥菓寮で焦がしきなこパフェを食べる。きなこのお店なので、パフェと別にきなこがついて、追いきなこができる。シンプルで美味しい。ちょっと食べて、きなこをかけて、また食べて、またきなこ。むせた。きなこ美味しい。持って帰りたい。

ホテルにチェックイン。ザ・ゲートホテル京都高瀬川。ロビーからの景色がすばらしくて立ち止まる。清水寺も、大文字も見える。部屋からもこの景色。何もかも最高。ここにしてよかった。

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荷物を置いて、カメラを持ってさんぽに出る。祇園から建仁寺を通って、六道の辻。地獄につながる井戸を見て、閻魔さまにごあいさつ。六波羅蜜寺で空也さんと平清盛に会ってから、清水の坂を登る。

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夕陽がきれいになる時間に本堂についた。

長く続いていた工事はすべて終わっていた。

若いカップルに頼まれて、写真を撮った。ちょっと提案して、本堂バックと夕陽バックの2パターンを撮ってあげたら、とても喜ばれた。おせっかいおばさんしてしまった。そういえば、旅先でよく写真を頼まれる。

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仁王門まで戻ったら、空が爆焼けしていた。もう少し本堂のところで待っていればよかった。惜しいことをした。

高台寺方面へ下る。産寧坂あたりには、もう人がいない。閉園後のテーマパークを歩いているみたいな気分になる。

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そのうちすっかり陽が落ちて、真っ暗になった。八坂神社にお参りして、ホテルに戻る。

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疲れた。足が動かない。スマホを確認したら、股関節に持病があるのに、もう15000歩以上歩いていた。

ソファで足を伸ばして休んでいたら、東山から月がのぼり、清水寺から乳がんキャンペーンの光りが放たれた。なんか、すごい演出。泣ける。ここに、この時間に、来るべくしてここに来た、みたいな感じだ。最初は、烏丸御池のエースホテルを予約していて、直前にここへ変更した。それも、きっとこのためだ。

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そろそろ夕食へ行かないと食べそびれそうで、まだ痛む足をひきずって、乙羽寿司へ。誰もいない店内で、名物の蒸し寿司を注文する。かわいいどんぶりが運ばれてきた。これ欲しいなぁ。10月に蒸し寿司を食べさせてくれるお店はなかなかない。むせそうな酸味と食べ進むたびに顔を出す具。あたたかいことがうれしい。

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ホテルに戻って、パティオへ行ってみたら、外が土砂降りになっていた。中庭でたき火を眺める予定だったけれど、中止。ラウンジのソファでコーヒーをいただく。

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部屋へ戻る前に自販機を覗いてみたら、ペプシ生、というのがあったので買ってみる。氷ももらいにいって、部屋で飲む。ふつうだったらビールだろうな。空には月が見えたり隠れたりを繰り返す。雨は止んだみたいだ。

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お風呂に湯をためる。湯船が満ちていく時間に、写真をクラウドに転送したり、このノートを書いたりした。ユニットバスではなく、トイレ、洗面、お風呂が独立しているので、ゆっくり入れる。アメニティのなかにバスソルトがあったので、入れてゆっくりあたたまった。足をよく揉んで、明日もたくさん歩けるようにケアする。ボディーソープ、シャンプー、コンディショナー、すべてダージリンの香りだった。

湯上がりには、ショパンコンクールファイナルの反田さんの演奏を聴きながら、窓の外を眺めた。清水寺からのあの光りが消える瞬間を見られたら、きっと次のステージだなー、と思った瞬間、光りが消えた。

目が覚めたら、ちょうど日の出の時間だった。東山の稜線には雲がかかっているけれど、空は少し朝焼けになっていた。雲のうえに太陽が顔を出したのは、それから1時間後だった。よく眠れたと思うけれど、まだ足が痛い。ベッドは広くて最高だった。寝返りを繰り返しうっても、ベッドのはしに届かない広さ。パジャマの着心地もよかった。

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ホテルは、朝ご飯付きのプランで予約しておいた。いつもならイノダコーヒの本店とか、前田珈琲の本店で朝ご飯するのだが、今回のホテルは美味しい朝ご飯が売りだという。和食膳、フレンチトースト、エッグベネディクトから選べて、エッグベネディクトにした。すべてが最高だった。脇役のはずのサラダもヨーグルトもフルーツも。オレンジジュースはしぼりたて。パンは食パンとクロワッサン。バターもマーマレードもはちみつもよかった。主役のエッグベネディクトは、ポーチドエッグがぷるぷるで、でもしっかりしてて、重ねられたベーコンとサーモンとソースと絶妙な味わい。付け合わせのソーセージ、ちょっと焼いたトマトのうまみ。すべてが最高だった。朝ご飯付きにして大正解だった。

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朝食後に、館内を少しさんぽした。泊まった客室のあるのは新しいビルだけれど、歴史的建造物の小学校だった建物が併設してる。そちらにも客室があるんだけど、ほかに小学校のころの雰囲気を感じられる昔の教室があったりする。畳敷きの大広間に机が並ぶ。窓からの光りが、古い廊下を照らす。

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外へ出て、先斗町も歩いた。途中に公園があって、鴨川を眺められる。川には出られなかった。外へ出るとつい歩きすぎるので、早々に部屋に戻る。

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部屋のネスプレッソでアイスコーヒーを作って、ポットに入れる。名残惜しいけど、チェックアウトの準備。

ホテルを出て、バスで平安神宮へ。いい天気。青い空に赤い鳥居が映える。時代祭の装束の展示を見る。感染症の影響で、もう2年も祭りが中止になっている。

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ここから歩いたことのない黒谷方面。金戒光明寺。色づきはじめている紅葉があった。インスタグラムで見た手水舎。アヒルがいっぱい。

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境内を抜けて、真如堂へ。静かでとてもいいところ。紅葉も色づきはじめている。紅葉のピーク時は混雑するはず。人がいっぱいいたら、きっと台無しの雰囲気。

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ベンチで少しのんびりしていたら、金戒光明寺の名所2カ所の見落としに気付く。地図アプリで調べたら、目的地まで4分だったので戻る。文殊堂からの京都の街の眺め。

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さらに墓地の階段を降りて、アフロ大仏。戻ってよかった。もう一度、境内を抜けて、真如堂の前を通って、吉田山へ。なぜか京都大学の学生に道を聞かれる。

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茂庵でお昼の予定だったけれど、まったくお腹が空いていないので、あきらめる。吉田神社をお参りして、京都大学の脇道を歩いた。こんな場所で学生生活をすごす若者たちの気持ちって、どんなだろうか。大学前からバスに乗る。

次の目的地は、出町ふたば。人気の豆餅屋は、予想通りの大行列で、でもやっぱり列に並ぶ。豆餅と栗餅とよもぎ餅と福豆餅を買った。重い。

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広い広い御苑を抜ける。砂利のうえにできた自転車用の溝をたどる。御所を出て、虎屋一条店の茶寮へ。庭を眺めながら、お抹茶と生菓子をいただく。風が強かったけど、外の席にした。ひざかけを貸してくれた。途中でペーパーナプキンが飛んだ。庭の水路では、カラスが水浴びを始めた。

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また御所へ戻って、砂利道をひたすら歩き、十月桜を見る。思ったよりも咲いていた。何本もある。秋にも桜はよい。

丸太町から地下鉄に乗って、京都駅へ。伊勢丹のなかにある、マールブランシュの新しいカフェに寄る。野菜マフィンとカヌレをいただく。オリジナルブレンドの紅茶も。ひと息ついたら、地下へ戻って、511の豚まんと漬け物、いつものおじゃこを買う。

JRの窓口で新幹線の席指定をお願いして、ホームへ。帰りは窓側の席。これを書いていたらちょっと酔って、寝る。名古屋で目が覚めたら、窓の外に大きな月が出ていた。かちかちのアイスクリームは、結局食べそびれた。

また次の旅で。

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